国産の“キング”
先月、実家で片づけをしているとあまり使えそうもない親父の古い腕時計が何本も出て来たことを紹介した。その中でアンティークな雰囲気が気に入ってメンテしたら蘇ったセイコー「MARVEL」を帰省した折に父に見せてみた。認知症が少し進んだ彼はこの時計のことをすっかり忘れていて、どういう経緯で購入したのかも確認することはできなかった。父に「返すけど使ってみる?」と聞くと、「お前にくれてやる」と。「またお前に取られた」と失礼なAB型得意の嫌味を付け加えて。まあ貰うつもりだったのだけどねw。今回の帰省で出て来た古い時計を改めて眺めていると、1本なかなか良いモノが見つかった。それが同じくセイコーの機械式時計「KING SEIKO(KS)」だ。当時の国産時計の頂点、「GRAND SEIKO(GS)」ブランドの廉価版、弟分の時計といってよい。ケースの裏面を見ると型式は4402-8000。1964~1968年に販売されたKSのセカンドモデルのようだ[1]。手巻きの25石。