日産マーチ生産25周年記念イベント

タレントでレーサーの近藤真彦さん(43)に念願の第一子が誕生したそうだ[1]。名前は「轟丞(ごうすけ)」くん。車が3つでいかにもレース好きの近藤氏の子供らしい名前。朝、テレビの芸能ニュースを見ていたら、ストレートに「うれしいー」とインタビューに答えていたが、子を持つ親としては、その気持ちが非常によく分かる。特に結婚14年目、いろいろな苦難を経験してのことだから、その喜びはひとしおであろう。同世代の、そして同じ父親の先輩として、「おめでとう。そして頑張ってね。」と祝辞を述べたい。

「轟」という字、いかにも車に関係しそうであるが、その語源について少し調べてみた。

その前に「車」という字の語源について。車の両輪を貫いた形から生まれてきたのはご存知のことと思うが、意味は人や物を乗せて運ぶもの。「くる」は「くるくる」と回転するものの音を表す擬音語からの派生とされている[2][3]。

また、車(シャ)の古音は居(キョ)。「くるま」と同じで、車の音をいう擬音語らしい。字の示すとおり居=家(住まい)の意味も持つ。「天子、徳を以って車と為す」(礼記、礼運)の車は居の意味なのだそうだ[2][3]。現在、車を家の一部(部屋)と捉えるコンセプトが多いが、古代からそういう意味だった訳だ。

次に、車3つの「轟」の意味について。同じ字が3つ重なると「たくさん」の意味になる。車がたくさんだと、大きな音になる。よって「轟」は、
(1)大きなひびき。車、雷鳴、大砲などの音の形容。
(2)鳴り響く。大きな音が響きわたる。
(3)火薬など爆発させる。
(4)おおいに。非常に。
などの意味となる。音読みではレーシングカーの轟音(ごうおん)の「ごう」。訓読みでは轟く(とどろく)。転じて「名声が天下に轟(とどろ)いている」のように、
(5)名前があまねく知れわたる。
といった素晴らしい意味も持つ[4]。「轟丞(ごうすけ)」くんは、誠に勇ましい、天下を取りそうな名前だ。

私事ながら、中学時代の同級生に「轟(とどろき)」君がいたし、大学時代は火薬を使った爆轟波(衝撃波)の研究をしていたので、「轟」は比較的身近な文字だった。

さて、インタビューを受けていた近藤氏は「NISSAN」のレーシングスーツを着ていた。その後、車中のラジオで知ったのだが、28日は日産マーチ誕生25周年記念ということで、生産拠点の日産自動車追浜(おっぱま、と読む)工場でイベントがあったそうだ。なるほど、そこに近藤氏は招かれていたのである。

日産初代マーチ
日産初代マーチ

年配のご同輩にはピンとくると思うが、初代日産マーチ(1982)のCMタレントは近藤真彦さんである。「マッチのマーチは、あなたの街(まち)にマッチする」というべたべたのキャッチコピーで一世を風靡した。ご本人にとって「マッチのマーチ」は、芸能史の汚点と思っているかもしれないが、30代以上の方にとっては、このCMでマーチ=マッチ(近藤真彦)のイメージを決定付けた。

以降、彼はタレント業からレースの道へシフトしていく。1984年に富士フレッシュマンレース(現在の富士チャンピオンシップレース)に参戦したのを皮切りに、「日本一速い男」の愛称を持つレーサーの星野一義のもとでレース活動を始め、1988年から1993年にかけては全日本F3選手権に参戦。1994年には全日本GT選手権にポルシェ962CのGTカー仕様で参戦し、第3戦(富士スピードウェイ)で1992年度全日本F3選手権チャンピオンのイギリス人ドライバー、アンソニー・レイドとともに初優勝を飾る。

KONDO Racing
KONDO Racing

その後は、ル・マン24時間レースやフォーミュラ・ニッポンなどを中心に活躍。2000年に自らのレーシングチームとして「KONDO Racing」を設立した。以後チームオーナー兼監督監督として活動し、2006年からは念願であったKONDO RacingによるSUPER GT(旧全日本GT選手権)への参戦を開始した(日産・フェアレディZを使用)。2007年SUPER GT第4戦(マレーシア・セパンサーキット)にて、KONDO Racingとしての劇的な初優勝を飾った[5]。

もともと、芸能人がレースをやることは客寄せパンダ的な意味合いが強い。当時のジャニーズのトップアイドル近藤真彦には、レーサーとしての活動に懐疑的な声も多かったはず。しかし、今やマネジメントも行う本格派。間違いなく芸能人レーサーの中では突出した業績を持つ。これまでの彼のレースに対する取り組み方については、彼のインタビュー[6]を参照されたい。

マーチイベントの話に戻る。日産追浜工場は、我が住処、横須賀市北部にある従業員4000名超の巨大工場である。1961年に当時の東洋一の工場として立ち上がる。現在の生産車は、マーチを筆頭に、キューブ、キューブキュービック、ノート、ティーダ、ティーダラティオ、ブルーバードシルフィ。中には総合研究所やテストコースも併設され、日産自動車の研究開発&生産の重要拠点となっている[7]。恐らく、横須賀市の法人税のかなりの部分を納めているに違いない。横須賀市民が多大の恩恵を受けている企業の一つだ。

マーチの誕生25周年記念イベントでは、今年9月にオープンしたテストコース「グランドライブ」において、関東一円などから参加したオーナーの160台と同工場で生産したマーチの計200台を使い、地上に巨大な車の絵を作り上げた[8、9、この記事トップの画像]。この企画、ちゅらさんこと、女優の国仲涼子さんの発案らしく、当日もゲストとして参加されたようだ。マーチと国仲さんの関係は?であるが、おじさんとしては、マッチよりも国仲さんを間近で見てみたかった(^^;)。

[1]近藤真彦:43歳パパに!「轟丞」と命名、毎日新聞、2007年10月27日、
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20071027spn00m200008000c.html
[2]新装普及版「字訓」、白川静、平凡社、p313
[3]「字通」(初版)、白川静、平凡社、p700-701
[4]「新字源」、小川環樹、西田太一郎、赤塚忠、角川書店、p989
[5]近藤真彦、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%97%A4%E7%9C%9F%E5%BD%A6
[6]近藤真彦インタビュー、vividmotorsports、
http://www.vividcar.com/cgi-bin/WebObjects/f1b8d82887.woa/wa/read/10b26c3fc71/
[7]日産追浜工場、ようこそ日産の工場へ、
http://www.nissan.co.jp/INFO/FACTORY/OPPAMA/
[8]マーチ誕生25周年、200台で巨大アート/横須賀、カナロコ、
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiioct0710632/
[9]【祝!日産 マーチ 誕生25周年】マッチ・国仲涼子も祝福、”しましマーチ”も初披露! 「日産 マーチ」25周年イベント『MARCH 25th HAPPY ANNIVERSARY in OPPAMA』にファンも大満足!、CORISM、2007年10月29日、
http://corism.221616.com/articles/0000070029/
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[ 2007/10/29 12:54 ] cars/車のお勉強 | TB(0) | CM(0)

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