クルマノエホン livres d'images de voitures

楽しいクルマ絵本の世界/エンスーのためのクルマ絵本ライブラリー

ラヂオのチカラ  

ラヂオのチカラ
出典:https://news.infoseek.co.jp/article/gadget_1571813/

今、インターネットラジオを聴きながらこのテキストを書いている。忙しない年度末のある早朝、久しぶりにFMヨコハマにチューニングして通勤した。かつてはfヨコ聴くのが朝のクルマ通勤のルーチンだったが、最近は音楽データかAMの英会話講座(なかなか1年続かんね)、音声のみの日テレZIP!を聴くようになっていた。ラジオから流れてきたのは6時からのfヨコ名物『MORNING STEPS』(金曜日は『MORNING STEPS FRIDAY』)。朝からテンションの高い(ちょいと鬱陶しさも感じる^^;)DJ栗原治久さんの慣れ親しんだ声が聴こえてきた。



10年前に今の職場に転勤になって、朝6時前に自宅を出る通勤スタイルに変わってから、それまでの近距離通勤ではほんの30分程度しか聴くことのなかったこの番組が、スタートから7時半頃まで(番組は9時まで)クルマ通勤には欠かすことができなくなった。すると栗ちゃん(栗原治久さんの愛称)が今月末でこの番組が終了するとインフォメーションしているではないか。早朝当たり前のように流れていただけにちょっとびっくり。2001年から16年も続いていたという。この番組のリスナーの多くは栗原ロスに陥りそうだけど、彼は夜の番組に移るので、栗原節は今後も聴くことができる。問題は、この番組の名物コーナーも同時に終了することだ。読書好きのリスナーにとって、フリーアナ・北村浩子さんが落ち着いた素敵な声で本の紹介をする「books A to Z」の終了は相当ショックだろう。そして、特に女性リスナーの多くが悲鳴を上げることになった「ARASHI DISCOVERY」の終了宣言。パーソナリティは大野智さん。そう、ジャニーズ嵐のリーダー、“大野くん”だ。神奈川県民以外の人は、そんな朝早くから、日本一多忙なアイドルがラジオの帯?と不思議に思うだろう。

6:40頃からこの「ARASHI DISCOVERY」は始まる。『MORNING STEPS』は2001年開始だが、このコーナーは2002年からのスタートらしい。調べてみると、2002年時点で大野智氏まだ20代前半、嵐が24時間テレビのメインパーソナリティに選ばれたのが2004年だから、彼らがまだまだ全国的に認知されていない頃だ。もちろん40代になったばかりの私は、この頃「嵐」のメンバーすらほとんど知らなかったと思う。しかし、私が聴き始めた2007年くらいから彼らが徐々に冠番組を持つようになってメディアでの露出も増えていた。明らかにジャニーズ戦略におけるSMAP→嵐の世代交代を感じた時期。それでも当初は声と顔が一致しないくらい、大野智には興味も関心もなかったけど、アイドルらしからぬ朝からテンション低めのテキトーそうなしゃべりが次第にクセとなり、この頃ヒットした「Happiness」や「Step and Go」、「One Love」などを聴いて、なかなかいい曲あるじゃんと40代も後半になった二児の親父にもようやく嵐と大野智が認知された。

さてこのコーナー、スーパーアイドルグループのリーダーが朝から生出演は土台ムリな話である。そこで事前にスタジオ録りした彼の音声(※)を巧みに編集して、選ばれたリスナーと電話でバーチャル会話をするのだ。例えば、

大野:「将来の夢は何?」
リスナー(ほぼ女性):「保育士になることです。」
大野:「応援してるよ!」
リスナー:「きゃ~」

てな感じ。40過ぎのオッサンには全く感動が生まれないやりとりだが、そこに栗ちゃんの生の合いの手が入って盛り上げる。また、普段表に出ることのない大野くんのプライベートについてもほぼ毎日本人が話すので(オフに大好きな海釣りに出かけていたとか、絵画などアートな才能を持っていることもこの番組から知った)、ちょっと風変わりな構成と相まって、嵐ファンの間ではレアなコンテンツとして知れ渡っていたようだ。

(※)番組では「ロボット・ボイス」と呼んでいた。大野氏によると、収録中はほとんどソファーに仰向けになって、かなりリラックスな状態でしゃべっていたらしい。

釣り好きな大野智
釣り好きな大野智
出典:https://twitter.com/ohnodiscovery

最終回に向けて21日週は栗原さんと大野くんの対談(録音)。30日はリスナーとの会話コーナーの最終日で、相手は平塚の女子高校生だったかな。「週末はららぽーと平塚にショッピングです」とか言っているそのららぽーと平塚の横を走っているときで、きっと今日はHappyな気分で買い物に出かけたのだろう。そして最終回、プレ金の31日は、嵐メンバーも含めた生出演のサプライズかと期待もしたが、「ARASHI DISCOVERY」を担当した青木D(ディレクター)との録音対談で最後まで放送スタイルは変えず、苦労話に花が咲いていた。忙しい人なので収録は2週間分まとめ録りだったみたいだけど、大野智の公私全ての情報を把握しながらスタッフは番組の構成を考えていたらしい。一つの番組どころか、一日30分足らずのワンコーナー・ワンコンテンツを放送するだけでもこんなにとんでもない時間と労力がかけられていたんだね。毎日テキトーに聴き流していたけど、番組の出演者・関係者の皆様、大変お疲れ様でした。

物理的にはネットラジオ(radiko.jp)で、他県の人も聴くことができるが、たかが神奈川ローカル番組の終了については、ネット上でも結構話題になっていたようだ[1][2]。大野智のチカラ恐るべしだ。その彼をラジオパーソナリティに採用した局の先見の明もすごい。

耳さえあればその世界に入り込めるラジオってコンテンツは、通勤や通学途中だったり、食事の支度をしながらだったり、育児の合間のちょっとした空き時間だったり、勉強中、就寝前だったりと日常生活のルーチンワークと共に聴くことが多いので、オフのときに視聴するこが多いテレビやネットと違ってとても生活に密着した、生活の一部のようなメディアという感覚がある。

タモリのオールナイトニッポン
タモリのオールナイトニッポン
出典:http://www.allnightnippon.com/dreamweek/40h/?24

学生の頃、完全に宵っ張りだった私の生活の一部は、深夜勉強のお供『オールナイトニッポン』や裏番組の『パックインミュージック』だった。特にタモリのオールナイトニッポンは、同郷ということもあって、まだほとんど無名の頃のスタート時から最終回まで毎週聴いていた。最終回は録音したテープがまだ自宅に残っている。再生機がないので今は聴き直すこともできない。ラジオでも頻繁に登場した彼の有名な“インチキ外国語芸”は、浪人生時代に聴いていた北朝鮮や韓国のラジオ放送がベースにあるという[3]。半島からの放送は、ラジオがあれば福岡市に住んでいると誰でも聴くことができる。私も中学や高校の頃時々聴いていた。韓国の野球放送なんかも聴けたね。さらに英語放送が入った時には、何故か時報のタイミングが日本と一緒なのに「やったー!アメリカ大陸の放送が聴ける」とバカな中学生は興奮したものだ。後からわかったのだけどFEN(現在のAFN、米軍放送網)の電波を掴んだだけだった。翌朝は昨夜のラジオの内容が友だちとの共通の話題だったから、勉強もせずに、深夜はラジオと一体の生活だった。

音楽と一番関わるメディアもラジオだった。『MORNING STEPS』でも新しい曲との出会いは数多くあった。曲紹介の情報を聴き逃しても、放送時間をメモしておけば、後からfヨコのサイトで検索することができる。後はYouTubeで聴くなり音源からダウンロードすればよい。なんとも便利な時代になったものだが昔は違う。音楽データのほとんどは、音質の良いFM放送からゲットしてたんだ。私の学生時代、『週刊FM』や『FM fan』『FM STATION』といったFM雑誌なるものが存在していた。音楽情報とともに、当時まだ数少ないFM局(住んでいた福岡ではFM福岡とNHK-FMの2局のみ)の数週間分のタイムチャートともに放送される全曲が掲載されていた。これで聴き逃した曲のタイトルや、今後放送されるお気に入りの曲やチェックしておきたい曲の情報を調べるのだ。

当時のカセットテープ
当時のカセットテープ:奥が山下達郎の『サウンドストリート』で放送されたB.バカラック特集(1986年2月7日放送)、手前がタモリのオールナイトニッポン最終回(1983年9月28日放送)


タモリのオールナイトニッポンは音源がニコ動でUPされとる!なつかしかー

録音したい曲が放送される日時と放送局がわかったら、その時間までにチューニングを済ませ(電波がベストな方向にアンテナとラジカセをセットする)、カセットテープへの録音を準備して待機する。お目当ての曲が紹介されるまでポーズボタンに指をかけて待ち、曲の始まる直前に録音をスタートさせる。DJの曲紹介の声が被ったら終わりだ。完全収録がミッションだ。ケツは少し長めに録っておいて、巻き戻してフェードアウトしきった場所を次の録音開始ポイントとする。デッキ2台持ちやダブルカセットのラジカセならばダビング作業も可能なのだが(音質は劣化する)、シングルカセットのラジカセ1台しか持たない私は一発勝負。これが昭和時代の“エアチェック”ってやつだ。もちろん番組丸々録音する場合もある。

テーマ別やお気に入りのカセットテープを作ろうとすると、エアチェックごとにテープを取り換えなくてはならない。テープのストックにそんな余裕もないので、だいたいはロック、ポップス、歌謡曲、JAZZとごちゃまぜのオリジナルテープが出来上がる。CDが登場し、レンタルビジネスも始まってからは、好きな曲を好きなテープに録音することが可能になったが、昭和の音楽好きオジサンはこんな労力と時間をかけてラジオと格闘していた訳である。我が子たちも含め、21世紀の少年少女にとっては何のことかさっぱりわからないだろう。カセットテープという媒体が無くなって、空から好きな音楽が好きな時に下りてくるようになったデジタルな音楽環境は、人間を堕落させたと真に思うのである(笑)。

「ARASHI DISCOVERY」のように電話やメールなどでリスナーが番組に参加する手法は、双方向型メディアコンテンツのはしりでもあるが、今でも多くのラジオ番組の常套手段。歴史は古いけど、ラジオが新興勢力のテレビやネットに駆逐されることなく、未だに根強いファンを獲得して生き残っているのは、この王道の手法を続けているからではないだろうか。



私が大学生の頃は、山下達郎さんや坂本龍一さんといった一流ミュージシャンや音楽評論家がDJをやっていたNHK-FMの『サウンドストリート』という番組をよく聴いていた。坂本の人気企画に「デモテープ特集」ってのがあって、素人から送られてきたデモテープを坂本が選曲・批評するというもの。まだ無名の高校生だった槇原敬之さんや大学生のテイ・トウワさんが投稿の常連で、いずれも完成度が高く坂本が絶賛していたんだ。無名な人がYouTubeで一夜にして有名人になることとは少し違うけど、ラジオ番組がリスナーとプロの世界との橋渡しをしていた一面もあった。


季節柄、インターネットラジオから流れてきた。ブレイク前の新垣結衣も登場の貴重なPV。まだ固定電話やで。

こんな風にラジオは送り手と聞き手が一緒に番組を作っているという意識が強いから、長寿番組や隠れた人気番組・コンテンツも多いのだと思う。テレビと違って視聴者のマスも小さいことが幸いし、番組の終了判断も視聴率に左右されるというよりは新陳代謝を図る狙いの方が強いのだと思う。一方で視聴者参加番組は皆無となり、ほとんど芸能人・タレントの身内だけで楽しんでいる感の強いテレビに共感や魅力を感じなくなったのは私だけだろうか。多々あるクイズ番組も偏差値高い芸能人に仕事を与える場と化している。田宮二郎の『タイムショック』や小池清の『アップダウンクイズ』が懐かしいぜよ。

fヨコの朝の声は、月曜から光邦こと、宮澤光邦さんにバトンタッチ。彼もまた夜のfヨコ名物『Tresen+』からの異動だ。昨晩、ちょうど車中で最終回を聴いていたのだけど、最後は出演者全員号泣でした。栗原さんとともにどんな新しい生活スタイルをもたらしてくれるのか、いよいよ新年度がスタートする。「ARASHI DISCOVERY」のような実験もどんどん試みるとよい。クルマがネットにつながるコネクテッドカーの時代になっても、デジタルラジオの時代になっても、ラジオはまだまだ懐の深いメディアだと思う。災害の時は地域密着型のアナログラジオが最も役に立つしね。私の職場も新体制でさらに忙しくなりそう。ラヂオで元気をもらい、これからの1年また頑張りますか。


「ARASHI DISCOVERY」の青木Dが最後に選曲した大野智のソロ”Hit the floor”。これも番組の中で知った一曲。大野くん、歌うまいよね。



栗原さん番組最後のセレクトは、この曲だったそうです。

[参考・引用]
[1]嵐・大野智のラジオ「ARASHI DISCOVERY」終了で粋な仕掛けに「スタッフさん愛に感動」の声。最終回にネットでも大きな反響、E-TALENTBANK、2017年3月31日、
https://e-talentbank.co.jp/news/32089/
[2]嵐 大野智は、アイドルを全うしてきたーー『ARASHI DISCOVERY』最終回から感じたこと、竹上尋子、Real Sound、2017年4月1日、
http://realsound.jp/2017/04/post-11893.html
[3]タモリ、Wikipedia、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%A2%E3%83%AA
スポンサーサイト

Posted on 2017/04/01 Sat. 20:37 [edit]

category: music/音楽

tb: 0   cm: 1

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

 |  #
2017/04/10 18:43 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://ehonkuruma.blog59.fc2.com/tb.php/756-e27ebc15
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク