Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition

『ハリー・ポッター』新シリーズ「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」の公開記念として、金曜は日本テレビで2週連続ハリー・ポッター祭りをやっていた。ジブリ作品とともに人気のコンテンツだ。2日は「ハリー・ポッターと秘密の部屋」が放映されていた。飛んじゃうフォード・アングリアが登場するこの作品は、クルマの絵本として以前にも紹介した(「HARRY POTTER and the Chamber of Secrets/ハリー・ポッターと秘密の部屋」参照)。その時はいっさい挿絵のない原作と翻訳版に対して、より読者の想像力を膨らませようとする作者の意図があるのかもしれないと評したが、ついに原作者も認める素晴らしいイラスト版ハリー・ポッターが登場した(しかもフルカラー)。それが本日紹介する「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のイラスト版原書、“Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition”(J.K.Rowling・文、Jim Kay・絵、Bloomsbury Publishing PLC)である。

Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition#1
"Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition"より

第1作目の“Harry Potter and the Philosopher's Stone: Illustrated Edition”も出版されていて、さらに日本語イラスト版「ハリー・ポッターと賢者の石」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」も静山社より出版されている[1]。もちろん日本語版は松岡佑子さんの翻訳によるものである。絵本なので、本文はかなりカット、あるいはアレンジされていると思っていた。先日、本屋で日本語のイラスト版を見る機会があって、一緒に並んでいたテキスト版と比べてみたのだがオリジナルと一緒。なんつったって、272頁の大型本だからね。それよりもJim Kay氏による挿絵が秀逸だったので、Amazonでポチっと。作者J.K.Rowlingさんも、
「ジム・ケイの解釈による『ハリー・ポッター』の世界を見るのが大好きです。その『ハリー・ポッター』の世界を彼が描き続けてくれていることに光栄ですし、感謝しています。」
とコメントしているように[2]、彼女は大半のイラストに目を通し、お墨付きを与えたものだと言う[3]。

Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition#5
"Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition"より

日本語のテキスト版は既に所有していたから、舞台英国の雰囲気を味わいたかったのと、我が家の若手二人が英語学習に興味を持つきっかけにもして欲しいと、敢えて原書の方を購入した。もちろんパラパラと眺めるだけでも楽しい。その英語版、今回購入したブルームズベリー社(Bloomsbury)版と、スカラスティック(Scholarstick)社資本のArthur A. Levine Books版の2種類ある。前者は英国の版元、後者が米国の版元だ[4]。迷わずブルームズベリー版を選んだ(表紙のタイトルデザインが微妙に異なる)。本書は今日Amazonで見ると4,000円以上の値段になっていたが、私が購入手続きをした時は、ブラックフライデーによるバーゲン中だったのか、3千円を切っていた(ラッキー!)。

Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition#2
マンドレークの図はまるでダ・ビンチ画のよう("Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition"より)

内容の詳細は省くが、ハリポタファンはもちろんのこと、そうでない方も大人も楽しめる良質な絵本として、是非手に取るべし。

USJ#1
今年15周年のUSJ

実は我が家、先月1泊2日で大阪へ駆け足旅行をしてきた。目的は子どもたちが行きたがっていたUSJへ行くこと。私以外は2 days passport。「お父さんは1日で十分でしょ?2日目は自由行動で」と。確かに五十路のオッサンには遊園地は2日ともたないし、本家は新婚旅行で行ったことがある。大阪勤務時代を思い出し、久しぶりにディープな大阪の記憶を辿ることにした。もちろん、USJに行くとなれば「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター™」を見ない・体験しない訳にはいかない。

USJ#2
あのツアーカー、フォード・エクスプローラー
1993 Ford Explorer XLT in
1993 Ford Explorer XLT(映画"Jurassic Park"より)
出典:http://www.imcdb.org/vehicle_3105-Ford-Explorer-UN46-1993.html

1993 Ford Explorer XLT in

初日は昼過ぎにUSJへ到着。すぐに「ジュラシック・パーク・ザ・ライド®」へ乗り込む。これは20年前の本家にはなかったアトラクションだ。アドバイスに従って、雨カッパは着用したものの、最後はずぶ濡れ。いきなりUSJの洗礼を受ける。エリア内を歩いていると映画で登場したあのクルマが。小説の中でツアーカーはトヨタ・ランドクルーザーになっていたけど、映画では1993年式フォード・エクスプローラーXLT[5]。Tレックスに破壊されることに、トヨタが使用を禁じたとか[6]。園内に置かれていたクルマは、映画と同じエクスプローラー[7]。このフォードで巡るジュラシック・パークの3Dバーチャル・アトラクションなんかも作ってもらいたいね。ふと上を見上げれば、当日ニュースにもなった[8]お騒がせ「ザ・フライング・ダイナソー」が恐怖のシューティング軌道を描いていた(俺にはアカンやつや)。

↓お騒がせ高校生はこんな動画を撮りたかったのであろうう(USJ公式ホームページより)


USJ#3

その後1日分しかチケットを持たない私は、家族とは別行動。そして、人出が多いときには入場制限もあるというハリー・ポッターエリアへ。平日だったので、何なくエリア内には入場できた。ここで是非見たかったのは、ローリング女史の拘ったターコイズブルーのフォード・アングリアだ。写真を撮ろうとするのだが、中国人観光客がひっきりなしにアングリアバックに記念撮影をするのでなかなか撮れなかった。さらに歩いて雰囲気のあるアーチをくぐり抜けると、ついに、あのハリー・ポッターの世界観を細部まで忠実に再現したホグズミード村™へと入場する。入ってすぐ右側には、ロンドン・キングズ・クロス駅舎とホグワーツ特急列車が。道の先を見上げると、おおーっ、ホグワーツ™城じゃあ。アトラクションに乗らずとも、この場所を散策するだけでも十分に楽しめる。

USJ#4
ホグズミード村へのゲート
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実物のホグワーツ特急列車
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ホグズミード村はもう雪化粧

Harry Potter and the Philosopher's Stone: Illustrated Edition#1
"Harry Potter and the Philosopher's Stone: Illustrated Edition" より

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ホグワーツ™魔法魔術学校
USJ#8

で、どんなアトラクションかも知らずに100分待ちの「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー™」に並んでしまった。周りは修学旅行生か外国人観光客で一杯だ。重厚な城門をくぐり、ついにホグワーツ™魔法魔術学校の中へ入る。「動く肖像画」など本で読んだ、映画で観た世界が実際に目の前へ現れるのだが、ゆっくり鑑賞する間もなく(翌日体験した娘はもっとのんびり城の中に滞在したいと言っていた。アトラクションとは別の鑑賞コースがあるといいのにね。)、手荷物をロッカーに預ける。この時点で少し嫌な予感がしたのだが、先へ進むと私の苦手なコースターへ誘導される。奥ではキャーキャー言っている。しかも3D眼鏡をかけさせられた。「まずい」と思ったが、もう引き返すことはできない。でも始まってみるとこれが意外に面白いんだ。終始ニコニコしながら乗っていた。50過ぎの白髪のオッサンが一人、ニヤニヤしながら「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー™」を楽しんでいる絵図。冷静に考えて不気味な姿だったと思う。その後、翌日ファーストパスでゆっくり楽しもうとしている家族と合流し、下見も兼ねて4人一緒に再入場。ここは何度来ても飽きないね。

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この日はユニバーサル・ワンダー・クリスマス初日
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アメリカどうなっちまうんだろうね?
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園内から日常風景が見えてしまうところが、どこぞの夢の国とは違う浪花流。

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Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition#3
"Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition"より

半日でそれなりに楽しめたが、「ウォーターワールド®」や既に5月で終了となっていた[9]「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」に行けなかったことが残念。確かに2016年に2015年の世界へタイムワープじゃマヌケだけど、「ジュラシック・パーク・ザ・ライド®」とクロスで、太古のジュラシック・ワールドへタイムトラベルってストーリーじゃだめなんか?

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宿泊先The Park Front Hotel
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結局この日は全員疲れて、夜のツリー・イベントまで残れなかった。その代わりホテルからの夜景が最高!
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Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition#4
"Harry Potter and the Chamber of Secrets: Illustrated Edition"より

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翌朝6時過ぎ。既にこんなに並んでいた
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8時過ぎにはゲート前に人だかり。

USJ#22

翌日は、オッサンなにわの一人旅。いきなり朝からディープな世界、難波で下車し千日前道具屋筋へ。ここは東京でいえば合羽橋に相当する料理道具街だ。すぐ近くには吉本「なんばグランド花月」もある、ザ・大阪といえる場所。道具屋筋のもう一本並びの筋にあるうどん屋「千とせ」本店に行きたかったのだ。既にホテルのモーニング・ビュッフェをしっかり食べているのにだ。吉本の芸人も足しげく通う名店。開店10時少し前から2番手で並んでいると、あっという間に行列が出来てしまった。ここで食すは名物「肉吸い」。肉うどんのたっぷり肉乗せからうどんを差し引いて、代わりに半熟卵を入れた肉うどんスープ。ちょっと甘辛い懐かしき味に身も心もあったまる。

大阪#1
「肉吸い」名物、「千とせ」
大阪#3
チラシ見たら当日の出演者、まるむし商店、村上ショージ、テンダラー…渋すぎ!一度は劇場で笑いなはれ。

それからは駆け足で、天神橋商店街筋で古本屋散策をし(本当はいっぱい行きたい本屋があるのだけど今回はここに絞る)、収穫はなく昼時に梅田へ。すっかり梅田界隈の土地勘を無くしてしまった私は、赴任したての頃のように地下街で全く方向がわからなくなってしまった。ようやく地上に出て訪れた先は、新梅田食堂街。大好きだったお好み焼き「きじ」の看板に後ろ髪を引かれながら、今回は串カツの老舗「百百」。ここでは何度も仕事帰りに立ち飲みをした。モーニング・ビュッフェ、肉吸いと食しているので、2種類4串と、昼間っから瓶ビールを注文。50過ぎのオッチャンはやっぱりこれやで。定番の付出し、生キャベツのちょいソースづけで串が揚がるのを待つ(これこれ)。揚がった串をたっぷりソース一度づけでがぶっと。旨い。そしてまたキャベツ、ビールを流し込む。周りを見渡すと、常連さんが斜め立ちで呑んで、話して、笑ってる。今朝までの夢の国とは別次元の空間。店主のおばちゃんに勘定払って、お釣りもらう際にがっちりと両手で握られ「ありがとね」。「ごちそーさん」と関西イントネーションで返礼して店を出る。大阪人情街です。

再び超速で、御堂筋線に乗り込み、昔住んでいた吹田の緑地公園駅へ。駅を出ると、あの頃の情景を思い出してきた。御堂筋の高架に沿って建ち並ぶマンション、その裏手には閑静な住宅街が続く。そこから休日は自転車で良く通った有名な古本屋「天牛書店」へ向かう。相変わらず、外国の図書館のようなシックな雰囲気と蔵書量に圧倒された。ここはクルマの本も渋いものを置いていることがあって、この時の収穫は『ちょっとイイくるまにゃのらずにいられない!』(世界文化社)と『世界の自動車博物館<第3巻>ポルシェ博物館』(三栄書房)。「世界の自動車博物館」なんてシリーズがあることを始めて知った。2冊で千円ちょっと。そこからは江坂まで歩いて、電車で集合場所の新大阪駅へ辿り着く。

大阪#2

帰りの新幹線の中ではスマホ連想ゲーム「ワードウルフ」で盛り上がりながら(周りの方、うるさくてスミマセンでした)、夜遅くに家路に着いた。やっぱり関西はええなあ。

あれっ、何の紹介でしたっけ?

Jim Kay
Jim Kay[10]

このままじゃあきまへんので、Jim Kay氏の紹介を簡単に。パトリック・ネス(Patrick Ness)著『怪物はささやく』(あすなろ書房、原題“The Monster Calls”は映画化もされている)のイラストで、2012年度のケイト・グリーナウェイ賞を受賞したイラストレーター。1974年に英国ダービーシャー州の小さな町で生まれる。西ノッティンガムシャー・カレッジで芸術とデザインを学んだ後、ウェストミンスター大学でイラストレーションを学ぶ。同大を卒業後、国立美術館「テート・ブリテン」で2年間、王立植物園「キュガーデン」で学芸員として4年間勤務。これらの経験がその後の仕事に大きな影響を与えている。リッチモンド・ギャラリーでの個展で、ある出版社からの依頼を受け、それを機に独立。イラストのほか、映画やテレビ番組の企画をビジュアル化する作業や、ロンドンのV&A(ヴィクトリア&アルバート)博物館のグループ店の企画等にも貢献[1][11][12]。既に映画で完全にその世界観が可視化されていた『ハリー・ポッター』シリーズ7作全てのイラスト版を依頼された際、それまで子供を描いたことがなかった彼は、「歴史上最も人気のある児童書を台無しにした人物」として知られたくないという強いプレッシャーがあったという[13]。その不安を払拭する見事な仕事を、この一人の繊細な男は成し遂げたのである。

Potter illustration by Jim Kay
Jim Kay独自のハリー・ポッター世界が構築されている。
出典:http://www.thebookseller.com/news/kay-potter-illustrations-extraordinarily-difficult

USJ#22
USJのお土産



[参考・引用]
[1]豪華オールカラーイラスト版『ハリー・ポッター』発売!原作者・J.K.ローリングも大絶賛、ダヴィンチニュース、2015年10月27日、
http://ddnavi.com/news/265710/a/
[2]「ハリー・ポッターと秘密の部屋」イラスト版が発売に!、Hiromi Kaku、Cinema Café.net、2016年10月5日、
http://www.cinemacafe.net/article/2016/10/05/43948.html
[3]フルイラスト版「ハリー・ポッター」、キャラクターのイラストが公開!、ポッターマニア、2,015年1月14日、
http://www.pottermania.jp/info/event/log2015/150114Bloomsburry_Released_New_Harry_Potter_Images_from_Illustrated_Edition.htm
[4]「ハリー・ポッター」イラスト版刊行決定!、静山社ホームページ、2015年4月1日、
http://www.sayzansha.com/jp/news/2015/04011237.html
[5]ジュラシック・パーク、Wikipedia、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AF
[6]ジュラシックパーク1のツアーカーの車の種類って...:フォード エクスプローラー、みんなの質問、carview!、2008年8月15日、
http://carview.yahoo.co.jp/ncar/catalog/ford/explorer/chiebukuro/detail/?qid=1118444486
[7]【朗報】ジュラシック・パークの車が帰って来たッ!!!!!、USJ情報局 L.C.A.STUDIOS、2016年9月30日、
http://ameblo.jp/usj826--l-c-a-studios/entry-12205182577.html
[8]USJの人気ジェットコースター緊急停止、32人取り残される 男子高校生が携帯持ち込みで退園処分、産経WEST、2016年11月11日、
http://www.sankei.com/west/news/161111/wst1611110048-n1.html
[9] USJ「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」終了でファン「落雷並の衝撃」、上原しげお、exciteニュース、2016年3月31日、
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1459423196625.html
[10]Jim Kay、Alumni、
https://www.wnc.ac.uk/Alumni/Interview.aspx?id=5
[11]特集カーネギー賞/ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品およびショートリスト作品レビュー、月刊児童文学翻訳、やまねこ翻訳クラブ、2012年7月号、
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2012/07.htm#hyomi
[12]Jim Kay Gallery、BookTrust、
http://www.booktrust.org.uk/books/children/illustrators/illustrators-gallery/27
[13]Jim Kay: 'I worried I'd ruin the most popular children’s book in history'、Gaby Wood、The Telegragh、2015年10月3日、
http://www.telegraph.co.uk/books/what-to-read/harry-potter-illustrated-jim-kay/



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