暮しの手帖

妻も息子も寝静まった深夜、録画していた『とと姉ちゃん』を娘と見る。普段朝ドラは見ないのだが、高畑充希がヒロインの今シリーズは、彼女がハマって家族もつられて観ていた。このドラマもいよいよ最終週で、心臓病を患い体調が芳しくない『あなたの暮し』(『暮しの手帖』がモデル)の編集長、花山伊佐次(『暮しの手帖』創業者、花森安治がモデル)が、最後の仕事と広島へ取材に出かける。そして、読者からの戦争体験の手紙をまとめ、一冊の本にすることを提案する。「はて?どこかで聞いたことがあるような…」と、私は本棚の奥を探し始めた。あったあった、『戦争中の暮しの記録―保存版』(暮らしの手帖編集部)。まさにドラマの中で登場した『あなたの暮し』戦争特集号の本物。その「暮しの手帖」96号の特集―戦争中の暮しの記録―が発行されたのが1968年(昭和43年)、翌年これを1冊の本にまとめた<保存版>が発行された。書棚に隠れていたのは、その後再販された保存版。「これが花山さんが提案した実際の本だ」と娘に見せると、「我が家にこれがあるなんて感動!」と大喜び。興味深そうに読んでいた。なんで俺、こんな本持っていたんだろう。何かの記事でこの本の存在を知って、多分古本屋かネットオークションで手に入れたのだ。戦争の記録というと、大概は軍人や政治家が中心になることが多いが、これはフツーの庶民が主人公だ。両親からたまに話は聞いていたものの、実際に戦時下での大衆の暮しはどうだったのか?という単純な好奇心から購入したのだと思う。政治的にもニュートラル、あくまで生活者目線の日常を綴ることであの戦争を振り返る、花森安治の編集者としての非凡な企画力を感じさせる。戦時中は大政翼賛会の広報マンとして戦争を鼓舞した側だった彼が、人生の最後に何としてもやりたかったこと、やらねばならなかったことがこの一冊に集約されている。一緒に『暮しの手帖』第4世紀50号(2011)が出て来た。ガキの頃は必ず家のどこかに転がっていたこの雑誌。でも俺は、暮しの手帖なんて買わないんだけどなあとパラパラめくると、ドラマでも重要な部分を占める本誌の代名詞、商品テストのページは「テーブルタップ」。取り上げるアイテムが、暮しの手帖だねえ。さらに目次を見ると、紀行「徒歩旅行 神奈川県・横須賀(若菜晃子)」とある。そういえば、「横須賀の記事が出とる」と親父が送って来てくれたような…。

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コメント

  1. 和田平助 | -

    暮らしの手帳

    お疲れ様です。
    横須賀に転勤し、ようやく生活も落ち着いてきました。
    さて、ドラマに登場する本(しかもその年代の)が、ウチにあると感動しますね!娘さんも登場人物に会ったような気になったのではないでしょうか。

    今日は港文堂に来てみましたが、まんまと定休日!

    しっかり確認してこなかった事に苦笑い

    近いですしまた来ます。

    ( 14:39 )

  2. つかりこ | -

    おー、すごい!
    あの『とと姉ちゃん』のクライマックスで出てきた、
    花山さん渾身の「戦争特集」をお持ちなんですね!
    すごいのひと言です!
    んー、読んでみたいー。

    ( 19:24 )

  3. papayoyo | -

    Re: 暮らしの手帳

    和田さん、ついに来られましたか、ようこそ横須賀へ。
    ちょうど、よこすかぶらり途中下車の旅をUPしましたので、ご参考にして下さい。
    佐藤さとるさんの企画展もやっているので、是非お子さんと。

    ( 19:51 )

  4. papayoyo | -

    Re: タイトルなし

    そうなんですよ。
    自分もドラマ観ていて「あっ!」と。
    暮しの手帖編の本だと知らずに買っていたようです。でもこの本は、後世に残る貴重な庶民生活史資料だと思います。
    それまでは、録画もながら視聴でちゃんと観ていなかったのですが、最終週はしっかりと拝見させていただきましたw
    実家の片づけをしていて、「諸君」とか「SAPIO」とか元軍国少年の父のセレクトらしい”勇ましい”雑誌が大量に出てきましたが、「暮らしの手帖」も新旧結構残っていました。幼少の頃、家にこの雑誌が置いてあったことをよく覚えています。花森の描いた表紙が、子供心にも印象的だったのですかね。今度帰省したら、<保存版>見せてみようかと。どういう反応をするのか。

    ( 20:09 )

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