Cars Original Soundtrack

先日の水曜日、鎌倉は花火大会だった。7時から9時までということだったので、鎌倉を過ぎる頃にはだいぶ人出も引いているだろうと、厚木での仕事を8時頃に終え、それほど蒸し暑くもない夜風を浴びながら帰ろうかと無謀にも湘南ルート134経由で帰宅した。案の定、鎌倉の手前で渋滞にハマったが、予想よりも早く抜けられた。そして、鎌倉と逗子の間のトンネルで、ヤバい対向車列と遭遇。こういうの何て呼ぶのか知らないけれど(デコカー?)、LED電飾でピカピカとボディを着飾ったド派手なクルマたち。これってどこかで見た風景。そう、ディズニー・ピクサーアニメの『カーズ(Cars)』(米、2006)だ。ちょうど、当日朝のクルマの中でサウンドトラックの1曲、Rascal Flattsの“Life Is a Highway”をノリノリで聴いていたばかりだったので、なんだか懐かしくなった。

電飾カー1
電飾カー2
鎌倉ですれ違った電飾カーの一団(画像が鮮明でないことご容赦)



YouTubeにもアップされていたけど、このシーン、結構インパクトがあった。まだ小さかった娘や息子もこの場面に食いついていた記憶がある。一瞬のすれ違い様だったけど、冒頭の一団はこれほど族っぽくはなかったものの、外観はまさにこんな感じだった。本当にいるんだね。

花火大会のような真夏のオープンイベントでは、普段とは違うハイテンションな状況に遭遇することが多い。花火の打ち上げ最中であれば、この中に突っ込むドライバーにとって最も緊張を強いるシチュエーションとなる。見物人は歩道から溢れかえり、路側帯まではみ出す。渋滞の車両の間を当然のように横断していく人、人、人。自転車の対面走行は当たり前。二人乗りの原チャリが自車の左右からすり抜けて行く。つまりドライバーはベロダイン社のライダー(Google自動運転カーの屋根でクルクル回っているセンサーのあれ)並みに常に前後左右に注意を払わなければならない状況にも関わらず、ドライバーも花火に見とれて加減速がチグハグな前方不注意状態。幸い『ポケモンGO』は配信前だったけど、配信後だったらどうなっていたことか(早速、このようなトラブルも報告されている)。湘南エリアはまだまだ花火大会目白押しだけど、マイカー通勤者は帰宅の時間をずらすか、高速使うか、在宅勤務が懸命だろうね。なんとも難儀なブーム到来である。



カーズの絵本買って、息子とDVDを初めて観たのが10年前。その時記事にもしたけど(「Cars」参照)、ポルシェのサリーが語った言葉の意味を改めて噛みしめている。
「高速道路ができる前は、人は楽しみに行くためにドライブするのではなく、楽しみながら走っていたのよ。」
10年を経て、自動運転の社会が現実味を帯びるようになって、この言葉が色々なことを考えさせてくれる。自動運転社会になれば、クルマは楽しみに行くためにドライブする意味すら無くなるのか?、それともポケモンGOを楽しみながら走る道具(客室)へと変貌するのか?…。



絵本とDVDを買った時を同じくして、オリジナルサウンドトラック盤も購入した。我が家にあるのは輸入盤だったね。ロック色の強いこのアルバムは特に娘のお気に入りで、トラック1、Sheryl Crowの“Real Gone”は超COOL。その他ボーカルもChuck Berry、James Taylorなど豪華布陣だ。でも僕がイチ押しの部分は何と言っても、このサウンドトラックの作曲&プロデュース(オーケストラの指揮も)がRandy Newmanってこと。

Randy Newmanは日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、アメリカのポップス界では重鎮だ。この『カーズ』を含め、ピクサーのヒット作、『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』などの音楽も担当しているので、その影響力がわかるだろう[1]。映画でも『ラグタイム』や『レナードの朝』の劇中曲は素敵です。そうそう、大好きなコメディエンヌ、ゴールディ・ホーン主演の『潮風のいたずら』では、エンディングに彼の歌声を聴けただけで、私の中での名画リストに登録された。でも、[2]の言葉を借りれば、小さい子供から“You’ve got a friend in me”(『トイ・ストーリー』の主題歌)をリクエストされると、「失せろクソガキが」と言いそうなくらい、過去に問題作を数々生み出してきた究極のひねくれ者でもある。





僕が彼を最初に知ったのは高校生時代に聴いた大ヒット曲“Short People”。これも「チビは生きる理由がない」という歌詞で放送禁止となった作品だ[3]。この“チビ”は当時問題になっていた日米経済摩擦の背景から日本人を揶揄しているという説もあったことを知らず[4]、おバカ高校生の私は“Short People~♪”ってお気楽に歌っていたっけな(汗;)。そこから大学生になって、伝説のアルバム“Sail Away”と出会うことになる。そして、今日のお題のサントラ盤。

Sail Away / Randy Newman 1972

でも前出の引用先によれば、その危うくて難解な詞は、彼なりの表現で愚かな人間の真理を歌ったもので、周りのヒステリックな反応をよそに彼一人ほくそ笑んでいるに違いないと解く。絵本や子ども向けのアニメには、ある意味人間の本質が詰まっているから、彼が最近の仕事の場に、ピクサーやディズニーを選んだのも、そのあたりに理由があるのかも。欺瞞と偽善に満ち溢れた最近の風潮を嘲笑しているようにも思える。隠すな、着飾るな、真実のみ直視せよってね。僕はそこまで深く英語詞を解釈できないので、最近、Eaglesの“Desperado”の名意訳でお気に入りとなったつかりこさんに、Randyの名曲の訳詞をしてもらいたいな。


『レナードの朝』の有名なシーン。映画史上最も美しいダンスシーンの一つだろう。難病を患う主人公に希望の光が差したのもつかの間、奈落に突き落とされる際に流れるランディの曲が悲しすぎる。患者役でも登場するデクスターゴードンが、本業のテナー・サックスではなくピアノを奏でる。(2016.7.24追記)



[参考・引用]
[1]ランディ・ニューマン、Wikipedia、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3
[2]知ってた?ディズニーの名曲、作者は“究極のひねくれ者”ランディ・ニューマン、J(女子)・SPA、2014年2月25日、
http://joshi-spa.jp/74066
[3]ランディ・ニューマン(Randy Newman)がアカデミー歌曲賞を受賞、上大岡的音楽生活、2011年3月2日、
http://www.us-vocal-school.com/weblog/music_life/archives/00013419.html
[4]-ランディー・ニューマン Randy Newman-、アメリカンファミリーの歴史を刻み続ける天才、ポップの世紀、
http://zip2000.server-shared.com/randy-newman.htm



 
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コメント

  1. つかりこ | -

    こんにちは

    おおっ、ウチのブログをご紹介賜りありがとうございます!

    迷訳をお望みなのは、“Short People” ですか?
    Randy Newmanのことは全然くわしくないので、自信がないのですが、
    トライしてみますねー。
    ただ、仕事の合い間で勉強しながらまいりますので、
    すごーく時間がかかると思います。(汗)
    ホントに忘れた頃に、アップになると思いますが、
    ご容赦くださいませねー。
    (いやー、難しい宿題もらっちゃった)

    それよりも、すばらしい記事をありがとうございます。

    ( 18:06 )

  2. papayoyo | -

    変なリクエストをしてスミマセン(汗)

    つかりこさん
    どーもです。
    色々ありますが、やはりShort Peopleですかね。出会いがこれだったので。
    ひょっとしてお詳しいのではないかと思いリクエストをしてみたのですが、難しい宿題でしたかね。スミマセン。
    でも挑戦してみる価値のある孤高のアーティストであります。愉しみ。

    ( 20:48 )

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