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楽しいクルマ絵本の世界/エンスーのためのクルマ絵本ライブラリー

クルマノエホン 1年を振返って  

クライスラー売却で合意した、ダイムラークライスラー、サーベラス、クライスラー3社の首脳

昨年の今頃、このブログを開始したときは、丁度ルノー・日産連合がGMとの資本提携を模索していた頃だ。その提携話も御破算になり、その後力なく日産は低迷し続ける。そのGMも含め、フォード、クライスラーの米国御三家は相変わらず低空飛行のままだ。ダイムラー・クライスラー社もついにダイムラー側がこの不振続く北米クライスラー部門を、米投資会社サ―ベラスに売却することを決めた[1](上図はクライスラー売却で合意した、ダイムラークライスラー、サーベラス、クライスラー3社の首脳)。そのうち、本家もダイムラー社(あるいはダイムラー・ベンツ社)に社名が戻るのだろうし、サ―ベラス社もクライスラーをどこかに転売する気なのだろう。これといった強みのないクライスラーは、同業他社との吸収合併という解は難しいのではないか。切り売りで、クライスラーという名前が消えるかもしれない。それとも、新興著しい中国かインドの自動車会社が、北米進出の足ががりとして購入するのだろうか?

レクサスLS600hとトヨタ渡辺社長
レクサスLS600hとトヨタ渡辺社長

この低迷続く海外資本の動静を横目に、わがトヨタ自動車は、グループ(ダイハツ工業、日野自動車を含む)の世界全体の生産、販売台数でいずれも初めて900万台を超え過去最高となった。また、07年第1四半期(1~3月)の世界販売台数は前年同期比9.2増の234万8000台で、米ゼネラル・モーターズ(GM)の3%増、226万台を超え、四半期ベースで初めて世界一となった[2]。売上高による世界企業500社番付でも、トヨタの売上高は2047億ドル(約24兆9734億円、ほぼロシアの国家予算並み!)で、前年の8位から順位を上げて6位、5位の自動車最大手、米ゼネラル・モーターズ(GM)の2073億ドル(約25兆2906億円)の座を虎視眈々と狙っている[3]。自動車業界では一人勝ちという勢いだ。この勢いは当然本業の儲けにも反映し、営業利益で日本企業としては初の実に2兆円!、その規模は電力10社や大手家電6社の各業界の営業利益の合計をもしのぐ[4]。

一方、国内市場は相変わらず元気がない。06年度は359万台(前年度比8.3%減)となり、90年度比4割減で、29年前の水準にまで落ち込んだ。トヨタとて例外ではない。しかしプリウスは、日本国内でも販売が好調だ。1~5月の累計販売台数は2万4千台と、前年同期に比べ66%も増加している。単に環境技術が売れたのではなく、HV=先進技術=トヨタの記号性が功を奏したのだろう[5]。とはいえ、各社ともいかに消費者に「魅力的」と感じてもらえる車を出せるかを模索している。新たなターゲットとして力を入れているのが、成長の潜在性がある女性。車の電子化を進めて使いやすさを向上させた。バックや縦列駐車でのハンドル操作を自動化したり、レーダーで後続車や前方の歩行者をとらえ、衝突の危険を感知するシステムを、トヨタが主力車で導入した。日産などもITを活用した安全対策を進めている[6]。

しかし、菊地史彦氏は「私は20世紀を通して育まれたクルマに対するやや子どもっぽい信仰―クルマは一人前の人間やまっとうな家族には不可欠な道具だという信仰―が失われつつあるような気がしてならない。誰もがクルマを欲しがっているはずだという暗黙の前提をいったん捨てて考え直してみることも必要なのではなかろうか。」と語っている[7]。クルマが環境に悪いのなら、電車に乗ればいい、自転車に乗ればいい。車や歩行者と衝突する心配も軽減する。ネットやTVショッピングすれば、買い物に出かけてバックや縦列駐車に苦労する必要もない。要はネットワーク(情報や公共交通などのモビリティ)の整備・技術の進歩によって、道具としてのクルマの代替手段はいくらでもある社会となった。であれば、クルマを持つ必要、少なくとも積極的な購入理由はなくなる。

道具としての使命を終えそうなクルマはどこへ向かえばよいのか。携帯電話の普及により、既に機能としての使命を終えた腕時計の市場動向が一つのヒントになるかもしれない。

私の気になるDubey&Schaldenbrand Aerodyn Duo
私の気になる高級時計Dubey&Schaldenbrand Aerodyn Duo

[8]で永井孝尚氏は、「腕時計装着率(19-49歳男女)が1997年の70%から2005年に46%まで低下している。一方で、2005年の腕時計市場は5886億円で前年比8%増、このうち7割がスイス製の高級品だそうだ。確かに、男性誌・女性誌を問わず、ファッション雑誌では数十万円する腕時計特集が花盛り。つまり、ケータイ普及に伴い、腕時計のユーザー数は激減したものの、一人当たり購入単価がそれを上回って大きく上昇し、市場規模そのものが拡大する、という大きな市場の変化がこの数年間で起こったということだ。腕時計の目的が、当初の「常に携帯して現在の時刻を知る」から、「自分自身を表現する」へと大きく再定義された訳である。」と述べている。私も高級腕時計には縁がないが、自分のライフスタイルやファッションに合った腕時計はやはり気になるし、欲しいモデルもいくつかある。

自動車も高級車市場で活路を見出すのか、「ケータイ」に相当する新しい価値のモビリティを創造するのか。レクサスが苦戦しているように、国内資本が高級車市場で成功するのは歴史、文化的背景からみて厳しそうだ。日本車の生きる道は、後者にありそうなのだが。。。

この1年、どちらかとネガティブに変化した自動車業界ではあるが、このブログを始めて息子共々、クルマ絵本やクルマに対する興味や愛情はますます高まってしまった。どれくらいの方に、「クルマノエホン」が目に留まったかはわからぬが、今後も細々と楽しみながら続けていこうと思う。

[参考・引用]
[1]ダイムラー、クライスラー売却で米サーベラスと合意、NIKKEI NET、2007/5/14
[2]1-3月、トヨタ世界一 06年度世界生産は900万台超、FujiSankei Business i、2007/4/25  
[3]トヨタが世界企業番付6位に、売上高25兆円のGMも目前、読売新聞、2007/7/12
[4]トヨタ、営業利益2兆2千億円 電力10社合計を上回る、asahi.com、2007/5/9、
http://www.asahi.com/business/update/0509/TKY200705090200.html
[5] 連載「頂点に臨む トヨタ新戦略」 (4) HV年100万台に向けて、Gazoo.com、
http://gazoo.com/NEWS/NewsDetail.aspx?NewsId=fe6668d6-6824-4e6b-aa7f-45f4e48981f4
[6]新車販売 国内で不振 売れなくなったのはなぜ?、毎日新聞、2007/5/6
[7] ビジネスの流儀「クルマが売れない本当の理由」、菊地史彦、フジサンケイビジネスアイ2006/07/12、
http://www.kswork.co.jp/knowledge/lecture/000213.html
[8] あなたは腕時計、していますか?、永井孝尚のMM21、
http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2006/07/post_162e.html
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Posted on 2007/07/19 Thu. 23:43 [edit]

category: cars/車のお勉強

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