1901 Columbia

1901 Columbia

「Cars!Cars!Cars!」の表紙で山高帽のワン公が運転している車が、Columbia 1901年モデルである(上図)。Columbia?ほとんどの人は耳にしたことのない自動車メーカであろうが、私もこの本を読み解くまでは全く知らなかった。数少ない情報を元に、この自動車会社とモデルについて整理してみた。

Albert A. Pope
Albert A. Pope

米国自動車産業界において、Columbiaは複雑な歴史と数奇な運命を辿った名前である。Columbiaはもともと、Albert A. Popeが米国コネチカット州Hartfordに1878年設立した自転車会社Pope Manufacturing Co.のモデル名で、以下会社を変遷しながら1907年まで継承される。Pope社は1897年から電気自動車の生産を始め、1899年までに500台を生産したそうだ。英国では「City and Suburban」、フランスでは「electromotion」というモデル名でも販売されていた。

自動車の黎明期においては、原動機は蒸気機関、ガソリン機関と並んで電気自動車(蓄電池)も選択肢の一つであった。ガソリン機関が主流になるまでは、電気自動車はむしろ時代の先端を走っていた。しかしながら(ガソリンモデルも含めて)Columbiaはその後の自動車産業の大きな流れの中で翻弄されていくことになる。

1901 Columbia 電気自動車モデル
1901 Columbia 電気自動車モデル

1899年にPope社の自動車部門がColumbia Automobile Co.として独立する。同年に設立されたElectric Vehicle Co.と1900年に合併し、Columbia & Electric Vehicle Co.となる。1901年にはElectric Vehicle Co.と名前を変える。1908年には後輪駆動用モータに電力を供給する発電機を運転する4気筒エンジン、すなわち今でいう(シリーズ)ハイブリット車のモデルXLVIも開発している。しかし、商業的には成功しなかった。同年にColumbia Motor Car Co.に会社名を変えるも、1910年にUnited States Motor Co.に吸収された。

一方、Columbiaのガソリン車は1899年から造り始められた。それまで運転席の下に置かれていたエンジンが、量産車として(米国で)初めて今では当たり前のフロントエンジンとなった。また、舵柄(レバー)式のステアリングから、現在のホイール(ハンドル)に代わったのも最初だった。当時の有名な発明家Hiram Maximの協力を得て、2気筒の右置きエンジンや楕円型スプリングのサスペンションなどの最新技術も採用されているが、時代背景もあり、ガソリン車の生産はわずかであった。この頃のガソリン車モデルのひとつが1901 Columbiaであり、 単気筒5馬力エンジンをもち、最高時速45km/hを達成した。

1903年Electric Vehicle Co.を離れたPopeは、複数の小さい会社を吸収合併し、自動車業界に再度参入する。しかし、コスト増と厳しい競争の下、1907年にPope社は倒産、1915年には自動車産業から完全に撤退した。

現在1901 Columbiaは、ミシガン州Dearbornにある自動車博物館として世界的に有名なヘンリー・フォード博物館に展示されているそうである。

[補足]混同されやすいが、ミシガン州DetroitにあったColumbia Electric Vehicle Co.(1916年にArgo Electric Vehicle Co.に吸収)のColumbiaモデルとは明らかに異なる。1914年から1918年までの間に2~4人乗りのモデルを生産していた。モデル名は「Columbians」と呼ばれ、Columbiaとは区別されていたようである。

以下に出典を列挙する。そのほとんどが英語か仏語!各情報源の年代や内容に微妙に食い違いがあり、小生の語学力不足も含め、正確さは保証できない。このあたりがColumbiaの複雑さを物語っているともいえる。Columbiaの歴史に詳しい御仁がおられたら、是非ご教授願いたい。

[参考・引用]
[1]Pope Manufacturing Company、Wilkipedia、
http://en.wikipedia.org/wiki/Columbia_Bicycles
[2] Columbia Automobile Company、Wilkipedia、
http://en.wikipedia.org/wiki/Columbia_Automobile_Company
[3] histomobile.com、columbia、
http://www.histomobile.com/histomob/internet/646/histo01.htm
[4]自動車の本、エンツォ・アンジェルッチ他、pp62-65、講談社、1978
[5]econogics.com 、Columbia、
http://www.econogics.com/ev/evhistc.html
[6]The Columbia Car、
http://www.bruceduffie.com/columbiacar.html
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[ 2007/07/08 23:15 ] cars/車のお勉強 | TB(0) | CM(0)

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