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クリスマスの日はこわい  

クリスマスの日はこわい

今日はクリスマス。子供たちも大きくなり、サンタを信じる歳でもなくなったので昔のようにワクワク感はあげる方、貰う方ともに薄れてしまったな。息子の希望はゲームソフトなのでAmazon注文だし、受験生の娘にとってはそれどころではない。小さい頃はままごとの台所段ボールのクルマなどを自作してプレゼントしたことが懐かしい。それでも家族と過ごすクリスマスは楽しくはあっても、怖いと思うことはない。いやまてよ、財布の紐が全開になる恐さはあるか…。さて本日のお題は恐怖のクリスマスの一日を送ったタクシー運転手のお父さんのお話。「クリスマスの日はこわい」(宮本忠夫・作、文研出版)である。

クリスマス・イヴの日、タクシー運転手のお父さんはカーラジオに合わせてご機嫌に口笛を吹きながら、町はずれの道を流していた。と、カーブの途中、ヘッドライトの光の中に男が手を上げているのが見えた。全身真っ黒な服にマスクをした大男だ。ちょっと薄気味悪そうだが、会社への帰り途だし、今夜は聖なるイヴの日。彼は男を乗せることにした。

クリスマスの日はこわい その1
怪しげな大男の客(「クリスマスの日はこわい」より)

男は草むらから大きなトランクを5つも6つも取り出し、車に詰め込んだ。「町に行って下さい。」身体に似合わず丁寧な声で行先を告げる。外には白い雪。ラジオからはジングルベルの曲が流れていた。すると、突然曲が消えた。

―臨時ニュースを申し上げます―

ラジオから流れて来たのは、ここの隣町で起きた銀行強盗事件を告げるものだった。犯人は3人組、閉店間際の銀行に押し入り、ピストルを発射。たまたま現場に居合わせた母親と3歳の男の子、4歳の女の子を人質にして、3人別々に逃走中とのこと。犯人の一人は大男で、上から下まで黒づくめで大きなマスクをしているという。

「許せないね、なあに、すぐ捕まりますよ。」とその客に話しかけながらルームミラーを覗くと、そこにはニュースで流れた犯人そっくりの男が座っていた…。

確かにタクシー強盗事件はよく耳にする。犯人にとっては密室で現金があるのはわかっているし、ドライバーにとっては素性のわからない見知らぬ人間に運転中終始自身の背後を取られるのは恐怖を感じることだろう。護身術的にも不利な職業である。こんなニュースを聞いた後に、犯人像そっくりな乗客が乗り込んで来たら、誰でもビビるに違いない。やはりタクシー業界は自動運転車に取って代わるのかなあ。

ところでクリスマスは子供たちにとっては楽しいイベントでしかないと思っていた。ところがクリスマスの本家では必ずしもそうではないようである。アルプス山脈付近のドイツ・スイス・オーストリア・ルーマニアの周辺地域には、ダークサイドのサンタ「クランプス」という悪魔の伝説があるという[1]。昔、本当のクリスマスを楽しむのなら、シーズン中のドイツに勝るものはないとドイツをメインに年越しで欧州へ卒業旅行に出かけた友人がいた。ヨーロッパのクリスマスを堪能した彼からこの話は聞かなかったし、子供の頃、ドイツに住んでいたこともある嫁も知らないという。

クランプス
クランプス[2]

伝説によるとクランプスはクリスマスシーズン中に悪い行いをした子どもに罰を与える。サンタクロース(独語ではSt. Nikolaus、聖ニコラウス)は、良い行いをした子ども達にご褒美を与えるのである。クランプスは典型的な悪魔の姿をしており、片足が人間の足で、もう片足が馬等を含む蹄をもつ動物の足をしている。12月1日から7日の間、クランプスが悪い行いをした子どもの家にやって来る。クランプスは悪い子ども達を錆びた鎖や鞭を使ってお仕置きする。その後子ども達は袋に詰められ、クランプスの隠れ家へと連れ去られてしまう[1][2]。今年は偽装全聾音楽家、虚言癖(?)のリケジョ(+彼女を持ち上げた挙句に梯子を外した某研究所上層部)、シャブ中のミリオンセラー歌手、大爆笑号泣の市議、PC遠隔操作ゲス野郎、亭主毒殺疑惑の老女等々(品のない言葉の羅列で申し訳ない)、近年になく錚々たる役者が揃った1年となったが、責任ある大人の彼らにこそ「クランプス」のお仕置きが必要だと思う。

「クランプス・ナイト」と呼ばれる12月5日の晩には、クランプスの扮装をして、子供と女性を怯えさせながら通りを練り歩く行事があるという。クリスマスになると当たり前のように、皆プレゼントを強請り貰っているが、この1年善い行いをした人しかご褒美はないことを、悪いことをした人には怖いお仕置きが待っていることを、クリスマスは審判の日として子供の頃からもっと善悪の教育をする機会にすべきだ。

「クランプス・ナイト」の動画をみるとそれはまさに秋田の「なまはげ」だ。遠く離れたヨーロッパと日本で同じ時期、同じような目的の民俗行事が存在することがとても興味深い。



タクシー運転手のその後はどうなったのか。続きは本書で。作者の宮本忠夫氏は1947年東京生まれ。中央美術学園を卒業。人形からくり劇場極楽座座長。児童出版美術家連盟会員。おもな絵本に『えんとつにのぼったふうちゃん』(ポプラ社)で第一回絵本にっぽん賞受賞、『ゆきがくる?』(銀河社)でサンケイ出版文化賞受賞、その他『おじさんの砂絵』(文研出版)など。挿絵に『炎の中からぼくを呼ぶ』(文研出版)など多数。

さて、私はプレゼントを貰う資格のある1年を過ごせたのだろうか。

[参考・引用]
[1]クランプス、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%B9
[2]本当に怖い、暗黒のサンタクロース、「クランプス」が描かれたクリスマスカード、カラパイア、2014年12月9日、
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52179825.html

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Posted on 2014/12/25 Thu. 20:19 [edit]

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