А СПЕРВА БЫЛА ЛОШАДЬ~そして初めは馬でした

А СПЕРВА БЫЛА ЛОШАДЬ

私のお気に入りの絵本古本屋さん、高円寺にある「えほんやるすばんばんするかいしゃ」で、6/5から7/6まで「ロシア絵本展」が開催されているというので、横浜での仕事を早く切り上げて出かけてみた。ここは洋書の絵本が充実しているのだが、店いっぱいの絵本の中で半分くらいがロシアの絵本。お店の人の話では、ロシア事情に詳しい人によるとロシア本国にもこれだけの質と量の絵本を置いているところは見たことがないらしい。ロシアを専門にされている方、興味のある方は必見です。そして肝心の収穫は…?遠出をした甲斐もあって、素敵な自動車絵本を2冊購入することができた。今回紹介するのはそのうちの1冊“А СПЕРВА БЫЛА ЛОШАДЬ”(Анатолий Маркуша・作、М.Ромадин・絵、Малыш)。1980年の出版なので旧ソ連時代のものだ。今回は難敵ロシア語。しかし現代の最新科学技術を駆使すれば、何とか翻訳ができてしまう。ハラショー!ただロシア語のキー入力ができないので、Wikipediaでロシア語を検索、アルファベット表記から一文字ずつコピペをして翻訳ソフトで解読した結果、タイトルの意味は「そして初めは馬でした」。なるほど馬車の時代から現代の車社会へとモータリゼーションの変遷を解説した絵本のようである。

А СПЕРВА БЫЛА ЛОШАДЬ その1

とは言っても、本文すべてをこの方式で翻訳するエネルギーはない。したがって何が書いているのかをここで紹介することはできない。内容はともかく、本書に描かれた挿絵の素晴らしさをご覧いただきたい。ロシアの絵本はどれもそうだが、色使いがどれも素晴らしい。印刷技術は必ずしも進んでいたとは言い難いが、それが逆に懐かしく、心地よい風合いを醸し出している。作画はМ.Ромадин、何と読むのかは全くわからない。このサイトで紹介されている人物(Михаил Ромадин)だろうか、詳細不明である。

А СПЕРВА БЫЛА ЛОШАДЬ その2

旧ソ連といえばトロリーバスも有名。このレトロ感がいいでしょ。

А СПЕРВА БЫЛА ЛОШАДЬ その3

クルマノエホン的には、乗用車(Легковые машины)として紹介されてる4台のクルマが気になった。本書の紹介では、上からЗАПОРОЖЕЦ(ザポロージェツィ)、ЖИГУЛИ(ジグリ)、МОСКВИЧ(モスクヴィッチ)、ВОЛГА(ヴォルガ)。

ZAZ-968
ЗАПОРОЖЕЦ・ZAZ-968[1]

ザポロージェツィはウクライナ・ソ連で開発された軽自動車のブランド。イラストはZAZ-968だろうか。

VAZ-2010
ЖИГУЛИ・VAZ-2010[2]

ジグリは、ロシアの最大手自動車メーカー、АвтоВАЗ(アフトヴァース、AvtoVAZ)が旧ソ連時代に販売していたブランド。海外向けはラーダというブランド名で輸出されていたが、現在は全てラーダに統一されている[3]。イラストは恐らくVAZ-2010(フィアット124のライセンス生産車)。

モスクヴィッチ408
МОСКВИЧ・408[4]

モスクヴィッチは旧ソ連時代の自動車ブランド。モスクヴィッチは「モスクワっ子」という意味だそうだ[4]。イラストは3代目408かな?

ヴォルガ24
ロシア美女とВОЛГА・24[5]

最後のヴォルガは旧ソ連における中級~上級車のメーカー、ГАЗ(ガズ、GAZ)の乗用車ブランド名。イラストは‘69年デビューのヴォルガ24ではないかと思う。2.5LのFRセダン[6]。

アナトーリー・ マルクーシャ
アナトーリー・ マルクーシャ[7]

作者のАнатолий Маркуша(アナトーリー・ マルクーシャ)は1921年、ウクライナにあるドニエプロペトロフスク生まれのユダヤ系ロシア人作家。第二次大戦前は『Вечерняя Москва』誌の特派員として働き、大戦中は空軍パイロットだったので、空の乗り物に関する著作が多い。1955年に健康上の理由から軍を退役した後は、新聞雑誌や文学の世界で活躍する。彼の処女作は1957年の“Ученик орла”。著作は106冊にも及び、世界18か国語に翻訳されている。飛行機物を中心に児童向けの本も手掛けている。飛行機と自動車は関連性が強いので、本書の執筆に関ったのだろう[8]。

А СПЕРВА БЫЛА ЛОШАДЬ その4

さて、ロシアといえばウクライナ問題である。いぜん膠着状態が続いているが、歴史の針が東西冷戦時代に逆戻りしそうな国際情勢。かくいう私はロシアが嫌いである。嫌いと言うよりは、体制に関わらずモスクワを中心としたあの国家をあまり信用していない。ロシア絵本を紹介しておきながら、ロシアを愛する方への爆弾発言をお許しいただきたい。

第二次大戦末期、原爆を投下され死に体であった日本を旧ソ連は裏切った。日本が戦争に負けるとわかるや否や、彼らは中立条約を破棄し日本に宣戦布告をした。戦争が終わっても、捕虜となった日本人はシベリアへ抑留され強制労働を強いられた。北方四島の”略奪”はいうまでもない。そして今年になってからの事実上のクリミア併合。ロシアに戻っても、ソ連時代の覇権主義は何ら変わっていない。

私の両親は戦中派なので「あんな人でなし国家は絶対に許さない」と子どものころから聞かされ続けてきた。教育とは恐ろしい。三つ子の魂百まで。だからロシアになった今でもプーチン大統領は信用していないし、日露平和条約なんて日中平和条約よりももっとタチが悪いのではないかとすら思っている。

ロシア嫌いと言っても、ロシアの偉大な芸術文化を否定するものではない。チャイコフスキーなんて大好きさ(チャイコフスキーはウクライナにルーツがあるのだけどね[9])。今回の素晴らしいロシア絵本を見れば、ロシア人の感性は非常に豊かで愛すべき民族であることも頭の中では理解はできるのだけれども…。多様性、ことに国家・民族間の違いを受け入れるということは本当に難しい。こういう絵本のようなコンテンツに触れることが、見方を変える一つのきっかけになるのだろうか。

А СПЕРВА БЫЛА ЛОШАДЬ その5
そして初めは馬でした

[参考・引用]
[1]Zaporozhets、Wikipedia、
http://en.wikipedia.org/wiki/Zaporozhets
[2]VAZ-2101、Wikipedia、
http://en.wikipedia.org/wiki/VAZ-2101
[3]ラーダ、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%80_(%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A)
[4]モスクヴィッチ、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%81
[5]「東側×レトロ」な組み合わせがたまらない、1960〜70年代のソ連製自動車いろいろ、DNA、2011年10月10日、
http://dailynewsagency.com/2011/10/10/retro-cars-from-soviet-union/
[6]ボルガ24、GAZOO.com、
http://gazoo.com/car/newcar/vehicle_info/Pages/detail.aspx?MAKER_CD=00173&CARTYPE_CD=A01&GENERATION=-1&CARNAME=24
[7]Маркуша Анатолий Маркович (Лурье Арнольд Маркович)、bvvaul.ru、
http://www.bvvaul.ru/profiles/2560.php
[8]Маркуша, Анатолий Маркович、Википедия、
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9C%D0%B0%D1%80%D0%BA%D1%83%D1%88%D0%B0,_%D0%90%D0%BD%D0%B0%D1%82%D0%BE%D0%BB%D0%B8%D0%B9_%D0%9C%D0%B0%D1%80%D0%BA%D0%BE%D0%B2%D0%B8%D1%87
[9]物語ウクライナの歴史、黒川祐次、中公新書、2009
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