Rolls-Royce Silver Dawn

ベルナール・ビュフェが描いたロールス・ロイス シルバー・ドーン(Rolls-Royce Silver Dawn)とは、一体どのような車なのだろうか。 そもそもロールス・ロイス(R-R)自体が、庶民にはベールに包まれたブランドであり、ただならぬ方々がオーナーであるというイメージが強い。事実「ザ・ロイヤル・カー」で紹介したように、英国王室=ロールス・ロイスといっても過言ではないくらい、王室御用達のブランドの一つである。その中でも御料車として使用された「ファントム」は特に有名なモデルであるが、シルバー・ドーンとは?

シルバー・ドーンを語る前に、ロールス・ロイスの歴史を簡単に整理しておこう。ロールス・ロイスについてのいくつかの情報源を参考、引用しまとめてみた[1][2][3]。詳細はこちらを参照してもらいたい。

F.H.RoyceC.S.Rolls
(左)F.H.Royce(右)C.S.Rolls

英語読みではロールズ・ロイス。名前のとおり、Mr.ロールズとMr.ロイスが創業者である。フレデリック・ヘンリー・ロイス(Frederick Henry Royce)、彼は貧しい生まれから苦学して技術者となった人物。元々は電気技術者で、発電機やモーターを作っていたが、時代の流れであろう、当時誕生して間もない自動車に興味の対象が移っていった。一方、裕福な貴族の子息であったチャールズ・スチュアート・ロールズ(Charles Stewart Rolls)は、貴族趣味の典型であるレースと飛行機に没頭する。

C.G.Johnson
C.G.Johnson

この全く境遇の異なる二人が運命的な出会いをするのは1904年のこと。マンチェスターでロイス10HPに試乗したスチュアート・ロールズと親友クロード・ジョンソン(Claude Goodman Johnson、のちのR-R社長。ロールズ-ロイスを結ぶハイフンといわれた。なので略語としてよく使われるR-Rのハイフンは意味がある。)は、性能の優秀さにいたく感銘を受けた。ロールズは「ロイス車の販売を一手に引き受けたい」と申し出、ロイスもこれを了承。ここにR-Rが誕生した(正式にR-R社となるのは1906年)。

R-Rが高級車の代名詞となったのは、常に高い水準を維持し続けた材質や工作精度によるものだった。「アイドリング中、ボンネットに硬貨を立てても倒れなかった」「リアシートから運転手に『エンジンを掛けてくれ』と言ったら、答えは『もう掛かっております』だった」等々の静粛性能に関する「ロールス・ロイス伝説」が戦前から世に流布していた。また走行性能の面でも、同時期の高級スポーツカーに引けを取らない水準を保っていた。特注でクーペボディを載せれば、十分にグラン・ツーリスモとして通用する車であった。

このような背景から、創業以来第二次大戦前は、エンジンとシャシーのみを製作、ボディは顧客が指名した専業コーチビルダーが架装するのが常だった。そんなR-Rの最大のマーケットである北米市場での要望から、戦後量産型ボディを自社開発することになる。その第一弾が、1949年カナダ・トロントの世界博覧会でデビューしたシルバー・ドーンである。R-Rの北米戦略車だったわけだ。ボディ材質も従来のオールアルミ製からオールスティール製となり、その後’55年シルバー・クラウド、’65年シルヴァー・シャドゥ、’80年シルヴァー・スピリッツへと続くR-R廉価版的ベーシックモデル(とはいえ当然高価)の礎を築く。デビューの’49年から’53年まで、事実上の北米向け輸出専用車として生産された[4]。

その後のR-Rは波乱万丈の歴史である。’71年倒産→国有化→’73年自動車部門ヴィッカーズ社による買収、そして’98年VWへの売却→’03年BMWの傘下に至る(2011.1.15修正)。

赤のロールスロイス1926

青のロールスロイス1937

灰色のロールスロイス1937

さて、ビュッフェはシルバー・ドーンの他に、リトグラフによる赤のロールスロイス1926、青のロールスロイス1937、灰色のロールスロイス1937のR-Rシリーズを描いている。モデル年と描かれた車の形から推定すると赤は1925年 40/50HPファンタム、青は1929年 40/50HPファンタムII コンティネンタル、灰色は1935年 40/50HPファンタムIIIではないかと思う。これだけR-Rを描いているということは、かなりのR-Rシンパだった可能性がある。オーナーだったかどうかは定かではない。また自動車画という点では、モーガンやMG、パッカードなども描いており、結構エンスー度の高い画家だったようだ。

ビュッフェと自動車との関わりについては、もっと少し深堀りする必要があるようだ。詳しい情報があれば教えていただきたい。

[参考・引用]
[1]ロールスロイス&ロールスロイス、
http://rollsroyce.livedoor.biz/
[2]ロールスロイス、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%82%B9
[3]ギャグ先生の日記、ツーリング・ミーティング日記、2006年 RR&B大集合!(講演会編)、
http://motor.geocities.jp/w126_legend_bentley_rolls_royce/newpage45.html
[4]GAZOO.com、名車列伝、ロールス・ロイス シルバー・ドーン、
http://gazoo.com/meishakan/meisha/shousai.asp?R_ID=8168

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