クルマノエホン livres d'images de voitures

楽しいクルマ絵本の世界/エンスーのためのクルマ絵本ライブラリー

忠言逆耳  

FUKUSHIMAレポート

あの日から3年。
地震直後からそれまでのライフスタイルを変えるために「考える練習」を実践しようと筆を走らせてはみたが、自分はどれだけ変わることができただろうか。私だけでなく我々の社会がこの国が、それまでの古い価値観から脱却することができただろうか。政権は変わったし、世の中もそれなりに進んだ部分はあるとは思うけれど、やはり私自身も含めて、世の中は地震前のベクトルからは抜け出せていないように思える。あの地震で愛する人、住む場所や仕事を失った人は、そりゃ人生大きく変わったと思うよ。自分の意志に反して。いろいろ考え、悩んだ壮絶な3年間だったと思う。それがまだまだ続くのだ。それに比べれば、大した不幸も背負わぬ人間が何も生き方を変えられないって、多くの犠牲者になんだか申し訳ないような気持ちになる。思考を変えずに従来の延長線上を辿ったとしても、時間の経過とともにそれなりの進歩や成長を実感はできるだろう。しかし根本的な方法論が変わっていなければ、また同じ過ちを起こす可能性は十分にある。せめて我々のできること、同じ不幸を繰り返さないためには、全く別方向、別次元の発想転換が必要だと思うのだが…。そんな思考停止状態の日本社会に対して警鐘を鳴らした人たちがいる。

東京電力福島第1原発の事故原因を調査した、政府、国会、民間の3事故調査委員会の元委員長らが昨日10日、日本記者クラブで開かれた討論会に出席した。その中で、政府が原発再稼働に積極的なことについて、「事故から学んでいない」などの批判が相次いだ。討論会に参加したのは、政府事故調の畑村洋太郎元委員長、国会事故調の黒川清元委員長、民間事故調の北沢宏一元委員長の3氏と、米原子力規制委員会(NRC)前委員長のグレゴリー・ヤツコ氏。畑村氏は「安全性が確認されたから再稼働というのは論理が違う」と指摘[1]。まさに同感で、現在の原子力再稼働の議論は従来型の安全管理手法の延長線上のように思える。福島第一原発も、当時の基準で少なくとも監督官庁の認識では「安全性は確認されていた」のだから。今回のように万が一「想定外」の事故が発生した場合の議論がほとんどされぬまま再稼働の論議が進んでいる。事故が起こればまた同じことの繰り返しだ。

この討論会の発言を知ってか知らでか、同日の国会審議で安倍首相は、「安全第一だから、厳しい基準で安全と認めたものについては、地元の理解を頂いた上で再稼働していきたい」と従来の意見を繰り返した[2]。安倍首相、貴殿は何故再稼働を急ぐ?

原発の新増設は「今のところ想定していない」との発言も正確ではなく、既に建設中のものは粛々と工事が進められている(現在建設中は3炉[3])。そもそも建設中の原発は古い基準に基づいて作られているハズであり、「厳しい基準で安全と認めたもの」という先の発言とも矛盾する。彼の論理に従えば、安全と認められるまで建設も止めるのが筋であろう。青森に建設予定の大間原発については、さらにリスクの高い放射性物質プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料100%利用の世界初の商業炉にも関わらず、説明が不十分と、対岸の函館市が事業主Jパワー(電源開発)と国に対して建設差し止めと原子炉設置許可の無効確認などを求める訴訟を近々起こす予定だ[4][5]。

中国戦国時代の思想家、韓非の著「韓非子」には次のような一節がある[6]。

忠言払於耳。
而明主聴之、
知其可以致功也。

忠言は耳に払(=逆、さか)らふ。
(忠言を聞くのは耳が痛い)
而るに明主のこれを聴くは、
(それなのに賢明な君主はそれに耳を傾けるが)
其の功を致すべきを知ればなり。
(それは、実際に効果をもたらすことが分かっているからである)

忠言とか忠告は聞きたくないものだが、自分にとっては為になることがあるので、あえて聞く態度をもつことが大事だと言う意味[7]。安倍総理、歴史に名を残す名宰相になりたいのなら、真剣に事故原因を検証してきた有識者らの言葉に素直に耳を傾けられた方がよいのではありませんか。

[参考・引用]
[1]<原発>再稼働積極的な政府の姿勢批判…3事故調の元委員長、毎日新聞、2014年3月10日、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140310-00000048-mai-soci
[2]安倍総理“原発再稼働”改めて強調 国会集中審議、テレ朝news、2014年3月11日、
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20140310-00000025-ann-pol
[3]建設中又は予定の原発、原発・核関連地図、2014年3月8日、
http://genpatumap.seesaa.net/article/197829990.html
[4]社説:大間原発と函館 近隣自治体の声も聞け、毎日新聞、2014年2月23日、
http://mainichi.jp/opinion/news/20140223k0000m070144000c.html
[5]函館市、青森・大間原発差し止めへ提訴表明 自治体初の原告、日本経済新聞、2014年2月12日、
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1204V_S4A210C1CR8000/
[6]No. 655 【良薬苦口】 りょうやくくこう、八重樫一、今日の四字熟語、福島みんなのNEWS、
http://www.fukushima-net.com/sites/meigen/781
[7]No.741 【忠言逆耳】 ちゅうげんぎゃくじ、八重樫一、今日の四字熟語、福島みんなのNEWS、
http://fukushima-net.com/sites/meigen/879

FUKUSHIMAレポート 原発事故の本質FUKUSHIMAレポート 原発事故の本質
(2012/01/26)
FUKUSHIMAプロジェクト委員会

商品詳細を見る
スポンサーサイト

Posted on 2014/03/11 Tue. 21:55 [edit]

category: bookshelves/本棚

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://ehonkuruma.blog59.fc2.com/tb.php/511-eb97c49f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク