のせて のせて

のせて のせて

息子の幼稚園も二週間が過ぎ、だいぶ慣れてきたようだ。毎日楽しいと言っている。とりあえずは安心。言葉は以前から結構達者なのだが、絵本の読み聞かせとなると、2ページ見開きの許容語数には限界があるようだ。少し文字数が多くなると、読み終わる前に次のページをめくってしまう。まあ三歳児になりたてなのでしょうがあるまい。そういう三歳児以前の乳幼児に、ちょうどよい文字数の絵本が松谷みよ子さんの作品だ。彼女の作品でずいぶん読み聞かせをしたのが、「いないいないばあ」「いいおかお」「もうねんね」の瀬川康夫とのコンビでの三部作だ。この三冊は娘も息子も本当に大好きで、いまはもうぼろぼろになっている。その松谷みよ子の作品にも車絵本がある。それが今回紹介する松谷みよ子赤ちゃんの本シリーズ「のせてのせて」(松谷みよ子・文、東光寺 啓・絵、童心社)だ。クラシカルな車を運転するまこちゃんが主人公で、適度な語数でテンポよくお話が進む。もちろん、息子も大好きな絵本の一冊だ。

いないいないばあ

子供は繰り返し語や擬音語・擬態語が非常に大好きだ。そんな幼児本の王道をはずしていないのが松谷みよ子さんの作品である。まこちゃんの自動車に乗せてもらう動物(N)が徐々に増えながら、以下の基本構文が繰り返される。

「のせて のせて」一部

まこちゃんの じどうしゃですよう
ブブー
ΣNもいっしょ
びゅーん

ストップ!

のせて のせて
N+1が てを あげています

(N=0、うさぎ、くま、ねずみ)

この表現わかります?たとえば、N=くまならば、

まこちゃんの じどうしゃですよう
ブブー
うさぎもいっしょ くまもいっしょ
びゅーん

ストップ!

のせて のせて
ねずみが てを あげています

という具合に単純な繰り返しでなく、ロジカルな構成となっている。絵本はねずみで終わりなのだが、動物(N)をさらに増やしていけば、どんどんお話を続けられる。大げさに言えば、規則性(ロジック)理解の端緒となる教材の一つかもしれない。

繰り返しの後の突然のトンネルのシーンは、意外性を与えるアクセントとなっていて、構成のうまさはさすがである。

松谷みよ子
松谷みよ子

松谷みよ子さんは、1926年東京生まれ。 1951年「貝になった子供」を出版、第一回児童文学者協会新人賞を受賞、62年「龍の子太郎」で国際アンデルセン賞優良賞を受賞。そのほか「ちいさいモモちゃん」(野間児童文芸賞)をはじめとする〈モモちゃんとアカネちゃん〉シリーズや〈オバケちゃん〉シリーズ、〈松谷みよ子赤ちゃんの本〉シリーズなどの作品がある児童文学作家の重鎮。松谷みよ子民話研究室を主宰、同人誌「びわの実ノート」の責任編集も務める[1]。

「びわの実ノート」は、創作童話の巨匠、坪田譲治[2]が後進を育てるために創刊した童話雑誌「びわの実学校」の理念を受け継いで「びわの実学校」出身者が97年に創刊した雑誌である。その雑誌が今秋終刊するそうだ。創刊同人の高齢化と当初の目的は達成したというのが理由のようだが[3]、このような地味ではあるが将来の子供たちにとって意味のある活動が途切れてしまうのは残念なことだ。

[参考・引用]
[1]絵本ナビ、松谷みよ子、
https://www.ehonnavi.net/author.asp?n=58
[2]坪田譲治を訪ねて、
http://www.city.okayama.okayama.jp/museum/tsubota-joji/
[3]「びわの実ノート」今秋終刊、毎日新聞、2007年4月13日

のせてのせて (松谷みよ子あかちゃんの本)のせてのせて (松谷みよ子あかちゃんの本)
(1969/07)
松谷 みよ子

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いないいないばあ (松谷みよ子あかちゃんの本)いないいないばあ (松谷みよ子あかちゃんの本)
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いいおかお (松谷みよ子あかちゃんの本)いいおかお (松谷みよ子あかちゃんの本)
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