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Waltz for Debby  

Waltz for Debby/Bill Evans Trio

日産の3代目ティアナが発表された。ターゲットカスタマーは50代の夫婦。我が家の場合、カミさんはまだ40代だが51歳の私はまさに“標的”。キャッチコピーは『人生最高の時を輝かせるプレミアムセダン』なのだそうだ[1]が、上がらない給料は、家のローンや子供たちの教育費に消え、消費税増税によるさらなる追い打ちと人生最高の時なんてあったもんじゃない。世界戦略車だか何だか知らないが、全幅も新型エクストレイルと同じ1.8m超えで駐車場にもまともに止められない。そんな典型的な日本のユーザーなんて最初から想定していないのだろうから、キャッチコピーも何だか白々しいし、少なくとも私には全く刺さらないクルマ。なんて日産車の不平不満はこの辺にして、今日のテーマは先代の“OMOTENASHI“(「お・も・て・な・し」の専売特許はこちらの方だった)ティアナのCM曲でも用いられた名曲”Waltz for Debby“についてである。

日産3代目ティアナ
日産3代目ティアナ[1]

”Waltz for Debby“は私がCDコンプリートコレクションを目指すJAZZピアニスト、ビル・エヴァンスのオリジナル曲。当時まだ2歳のビルの姪デビイに捧げられた曲だそうで、この曲をタイトル名にしたアルバムは、ビル・エヴァンス・トリオの入門盤ともいえる「リバーサイド四部作」の中でも最も有名な一枚。当然、学生時代にビル・エヴァンスを聴き始めてから最初に買ったのがこのCDだった。

もちろん「四部作」は早いうちに揃えていたけれど、20年くらい前からこの”Waltz for Debby“(Riverside)だけは手元になかった。まだ青二才の社会人の頃、後輩の女の子に「ジャズを聴くなら何かいい?」と尋ねられて、それならばとこのアルバムを偉そうに貸してあげたことがある。今考えると穴があれば入りたい恥ずかしさだが、その後私が転勤になり、返してもらう機会を失してそのままあげたような形になった。これだけの名盤にもなると、改めて購入するのも気恥ずかしさがあって、以来20年間、「四部作」の上席が空席状態のままだった。



冒頭のCM曲で用いられた”Waltz for Debby“は、ミュージシャンの土岐麻子さんが歌っている。土岐麻子さんは日産だけでなく多くのCM曲を担当され、秘かに”CMソングの女王“なんて言われている。音楽的には私の好きな大貫妙子さんのような透明感のある声、EPOさんのような上品なポップ感のある、ここ最近のお気に入りの音楽家の一人。ベストアルバムなんかもヘビーローテーションで聴いている。お父さんがジャズのサックス奏者だということもあって、ジャジーな曲のアレンジも多い。JAZZの名曲を日本語歌詞で歌ったこの土岐麻子版”Waltz for Debby“も非常に耳心地が良く、久々に本家も聴きたくなった。



年末B/OのCDコーナーを物色していると、”Waltz for Debby“が2種類置いてあった。その時は違いがわからなかったが値段の安い方を購入して家で聴こうとすると、中に入っていたのは”Portrait In Jazz“のCD。確かにリバーサイド四部作の一つではあるが、これはないだろうと早速文句を言いにB/Oへ。何とか交換できたものの、家に帰ってよーく確認してみるとジャケットの曲順とCDの曲順が違う。何だかややこしいことになってしまったが、これが実は重要であることを後から知った。

ジャケットに書かれた曲順は、
①My Foolish Heart
②Waltz for Debby(Take2)
③Waltz for Debby(Take1)*
④Detour Ahead(Take2)
⑤Detour Ahead(Take1)*
⑥My Romance(Take1)
⑦My Romance(Take2)*
⑧Some Other Time
⑨Milestones
⑩Porgy(I Love You, Porgy)*
となっている。③⑤⑦⑩はボーナストラックである(*印)。Jazzにうるさい人に言わせれば、このボーナストラックは何だということになる。最後にまとめて持ってくるのならわかるが、オリジナルの曲と曲の間に挿入すればアルバム全体の流れを悪くする。どのTakeをどの順番でアルバムに採用するのかはミュージシャンの計算があるからだ。これを含めて一つの作品ということになる。

一方手元に戻ったCDの曲順は、
①My Foolish Heart
②Waltz for Debby(Take2)
③Detour Ahead(Take2)
④My Romance(Take1)
⑤Some Other Time
⑥Milestones
⑦Waltz for Debby(Take1)*
⑧Detour Ahead(Take1)*
⑨My Romance(Take2)*
⑩Porgy(I Love You, Porgy)*
とオリジナルの6曲の後にボーナストラック4曲を追加した曲順になっている。上記の批判を受けて再販したものだったのだろう。今さら交換しに行く気もないが、結果的にオリジナルを尊重した方を購入したことになった。このような編集の違いがあることを今回初めて知り、よく中身も確認せずに値段だけで購入を決めた自分の勉強不足を恥じた。私の手元にはジャケットと中身の異なる奇妙な“Waltz for Debby”が残ることとなった。今後CDを買うときは、ボーナストラックに注意しよう。



気を取り直してCDを聴く。このアルバムで一番好きな、冒頭の“My Foolish Heart”。寺国靖国氏曰く「ダンディズムの極致」[2]。これこれ、これですぜい。勿論、”Waltz for Debby“のオリジナルには心躍ります。



このアルバムとは別に、ビル・エヴァンスがスウェーデンの女性ヴォーカリスト、モニカ・セッテルンドと共演した“Waltz for Debby”(Philips)も名盤(“In the Night”でモニカが歌う「♪女ってぇー」の空耳も聴ける)。土岐麻子さんと違って、ハスキーで妖艶な大人の色気を感じるまた違った“Waltz for Debby”を楽しめる。YouTubeで動画も見られるが、この煙草スパスパの映像は今のご時世では受け入れられないんだろうなあ。



[参考・引用]
[1]日産 新型ティアナ [2014年フルモデルチェンジ・3代目] 新型車解説/渡辺陽一郎、オーテックワン、2014年1月20日、
http://autoc-one.jp/nissan/teana/newmodel-1633079/
[2]JAZZリクエスト・ノート、寺島靖国、講談社、1989

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Posted on 2014/02/01 Sat. 21:44 [edit]

category: music/音楽

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