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軽井沢と電気自動車  

軽井沢と電気自動車

先月後半の週末に秋の軽井沢へ1泊2日の家族旅行。とあるルートでなんと会員制リゾートホテルに家族4人、タダで宿泊(食事付)できることになったからだ(別に悪い事した訳ではありませんよ)。まあ、こんなラッキーなことでもない限り、しがないリーマンが軽井沢なんかでリッチな週末を家族と過ごせる訳がない。実をいうと、軽井沢は11年ぶり。その時も我が一族に神が舞い降りてきて、親戚でコンドミニアムを貸切り、滞在することができた(ホントにアクどい商売をしている者ではありません)。当時はまだ生まれていなかった息子が幼少期に持病を持って以来、九州への帰省や大好きなオートキャンプも含めて泊りがけの旅行は控えてきた。現在は彼の病気も薬で抑えられているし、せっかく頂いたチャンスなので、この1年頑張った家族たちへのご褒美として旅行を敢行。2日間とも行楽日和の良い天気に恵まれた。移動は前回のように横須賀からのドライビングを止め、今回は長野新幹線と現地でレンタカー調達とした。そしてそのレンタカーは、リゾート地らしく、皆が乗ったことがない電気自動車(以下EV)、日産リーフである。

あさま、キタ―!
あさま、キタ―!

幼い頃の旅行の記憶が全く残っていない息子にとっては、事実上人生お初の家族お泊り旅行。彼が一番興奮していたかもしれない。初日の最初のお楽しみは新幹線。飛行機に乗ったことはあるが、彼にとっては本当に初めての新幹線乗車。東京駅ホームで「あさま」と並んでまずニンマリ。東京を出発し、すぐの大宮付近で雪化粧した富士山も良く見えた。駅弁をゆっくり味わう暇もないくらいわずか1時間ほどで軽井沢へ到着。クルマを使わなければ乗り継ぎ時間も含めて横須賀からわずか2時間半くらいで着いてしまうのだ。

富士山も拝める好天気
富士山も拝める好天気

駅に到着後、レンタカーの予約時間まで少し間があったので、駅前の軽井沢アウトレットモールでぶらつく。天候が素晴らしく良かったせいか、予想していたよりも暖かい。ただ日陰で風に当たると、やはりそこは晩秋の軽井沢。駅から見えるゲレンデは既にオープンしていて、わずかながらスキー客を確認することもできた。新しくできた信州グロッサリーコートで特産品を品定めしながら試食も済ませ、ほどよい時間で駅北口の日産レンタカー営業所へ向かう。

今回借りるのは、イメージカラーの水色のリーフ。ちょうどリーフはドライビングキャンペーン期間中(2013年10月1日~12月27日)で、24時間のレンタル料が通常料金12,600円のところ7,087円の割安価格。マーチクラスと同じくらいの料金で借りられる。保険に加入して、24時間というタイムリミットで軽井沢2日間を過ごすことになった。

私は古い時代のEVを運転したことはあったし(たま電気自動車とかではないです)、以前ちょい乗りでリーフの試乗も経験済みだったが、いわゆる生活の足としてのリーフ利用は今回が初めてである。もちろん家族にとっては、人生初のEV体験となる。一応一通り使い方の講習を受けて準備はOK。

2日間の旅の荷物をトランクに入れるが、容量は十分すぎるくらいだ。運転席に乗り込みブレーキを踏んで、家電のように電源スイッチをON。同時にさわやかな音楽が流れ、音声ガイダンスが始まる。インジケーターは満充電を示し、過去の走行履歴から算出された推定走行可能距離は154kmを示している。やはりこんなもんか。でも軽井沢近辺を2日間運転するだけなので全く問題なし。充電スポットの確認も不要と判断した。これからの日程は妻の頭の中に全てインプットされている。旅のスケジューリングをさせると、うちの嫁はなかなかのコンシェルジェとなる(旨い物系に偏る傾向はあるけれども)。最初に向かう先はメジャーな施設でもないし、彼女が地図でわかるというのでナビの目的地設定はせずにいざ出発。

シフトをDレンジに入れ、ブレーキから足を離してもクリープがないので全く動かない。すぐにアクセルをゆっくり踏み込むと、音もなくすっと動き出す。内燃機関(ICE)のクルマの出足はエンジン音で感覚的に予測できるので、この点は慣れないとEV発進の違和感になる。ただ、経験したこともない無音世界に家族一同歓声を上げた。

駅周辺を抜け、しばらく幹線道路を西へ走った後、いかにも別荘地らしい風景を両側に見ながら南下する。バッテリーの残量は十分とは言ったものの、やはり電力の消費量は気になるものだ。ガソリン車に比べると、数値の減り方はやはり早い感じがした。Dレンジからエコモードに切り替え、他車も少なく走りやすい道路にも関わらず車速(加速)は抑え気味に。走り慣れないクルマと土地ということもあるが、EVの後続距離の問題や、充電スタンドの偏在に対する心理的な影響はこんなところにも表れる。

革細工に挑戦
革細工に挑戦

10分ほどで目的地に到着。子供たちも楽しめるようにと、革細工の工房で手作り体験に挑戦。横浜ご出身だという老主人に簡単な手ほどきを受け、各々気に入った革製品に思い思いのデザインを刻印する。髭をたくわえ、旅と飛行機が大好きだというそのご主人は、娘曰くまるで宮崎駿さんのよう。ご自身で建てられた工房で、懐かしい革の匂いと薪ストーブの温もりを感じながら、心地よい時が静かに流れていく。工房からの帰り際、駐車していたクルマを見たご主人が、「おっ、電気自動車ですか」と興味深そうに眺めていた。木と革に囲まれた極めてナチュラルな生活空間の中で、最先端技術に身を纏った電気自動車の姿は意外と違和感がない。

革の子工房
お世話になった革の子工房

さて次の行先は軽井沢現代美術館。今度はナビで検索して目的地設定をする。この辺は前席に陣取ったデジタルネイティブの息子が何なく操作協力してくれた。再び10分ほど先ほどの道を北上して美術館に到着。我が家でも人気の奈良美智さんや草間彌生さんの作品を楽しむ。企画展で初めて知った樋口佳絵さんの作品も非常に面白かった。昔は現代アートってよくわからなかったが、最近はこれらの作品が自然に受け入れられる。何かパワーをもらったような気がするのだ。この美術館ではエントランスにあるカフェでおいしい紅茶やフレッシュジュース、クッキーなどもいただけ、これら込みで入館料大人1,000円、小中学生500円とはお得。

軽井沢現代美術館その1 軽井沢現代美術館その2
奈良美智(左)樋口佳絵(右):いずれも軽井沢現代美術館

軽井沢の工芸やアートを堪能した後、いよいよ本日の宿泊場所へと移動する。国道18号線、通称日本ロマンチック街道を小諸へ向けて20分ほど走らせると、ナビの指示する場所には周囲から隔絶するかのような大きなゲートが現れた。「ここかあ。」想定外のゴージャスなお出迎えに、家族一同期待に胸が膨らむ。ゲートを過ぎてもまだまだ道は続く。おー、これぞ会員制リゾート。緑の木立の中を数分走って駐車場へ。リーフを止めて瀟洒な本館に向かうと、エントランスの外でスタッフから丁寧なお・も・て・な・しを受ける。落ち着いたロビーでチェックインを済ませ、部屋で一休み。3つあるグレードの真ん中の部屋だったので、一家4人には必要にして十分。大喜びの息子は大きなベッドの上にダイビング。軽井沢らしく窓から見える白樺の木々が目に優しい。

美味なりフレンチチャイニーズ
美味なりフレンチチャイニーズ

夕食は本館から少し離れたところにある中国料理レストラン。中華というよりはモダンなフレンチチャイニーズのディナーは、質・量ともに大満足だった。これも全てタダなんて、なんだか申し訳ないと思うところが薄給リーマンの悲しい性である。夕食後はジャグジー付の大浴場で息子と一緒に親子水いらず。旅の疲れを癒した。エントランスのクリスマスイルミネーションが師走の近いことを気づかせるが、この日は早めに就寝につく。興奮冷めやまぬ子供たちは良く眠れただろうか。

クリスマスイルミネーション
エントランスのクリスマスイルミネーション

翌朝は朝のうちやや曇りがちながら、リゾートの休日には申し分ない天候。朝の一風呂を浴びた後、朝食も日本料理レストランでのおいしい食事でお腹いっぱいに満たされる。このリゾートホテルの食事処は、いずれもレベルが高かった。食後は腹ごなしにホテル周辺を皆で散歩する。今回はスポーツ施設を利用しなかったが、館内にはジムにプール、宿泊部屋のすぐ外にはテニスコートもある。少しクルマで行けば、ゴルフコースもある。これからのシーズンはスキーという選択肢もあるだろう。これだけ旨い物を毎日食べれば、身体を動かさざるを得ない。

日産リーフのインパネ
「おはようございます。今日も安全運転で…」と話してくれる日産リーフ

リゾートホテルでのリッチな寛ぎに名残を惜しみながら、再びリーフで出発。リーフに乗り込みスイッチをON にするとBGMと共に、「おはようございます。今日も安全運転で…」と優しい女性の声が。一瞬挨拶を返そうと思ったが、これはナビからの一方通行。音声ガイダンスは結構うっとうしいというイメージがあったが、クルマの方から「おはよう」と、しかも女性の声で挨拶をされると悪い気はしない。ナイトライダーの人工知能KITTのように双方向で対話ができるともっと楽しいだろうなと思う。

事前調査では、このホテルの近くにGTカフェという、エンスージアスト御用達のブランチカフェがあるとの情報を得ていた。朝寄って行こうかとも思ったのだが、昼過ぎの新幹線の時間まではそれほど余裕はない。妻は軽井沢銀座での買い物も予定していたので、家族の希望を優先して今回はGTカフェ訪問を断念、ナビを設定して旧軽井沢へと向かう。前日走行した国道18号を戻る。改めてリーフのドライビングフィールを確かめると乗り心地は硬めの印象。驚くべき室内の静粛性は相変わらずで、家族の会話が良く聞こえる。加速の際のキュイーンというモーター音を息子はかなり気に入ったようだ。この日もなるべくエコモードで走行し、電費を稼いでみることにした。とはいえ、エコモードでの加速のかったるさは否定できず、EVならではの加速性能の良さを殺すことにもなる。

軽井沢銀座
財布の紐が緩む軽井沢銀座

旧軽に着くと昼までは軽井沢銀座で“銀ブラ”をして過ごす。旅先では財布の紐がついつい緩みがち。美味しいものに目がない我が家は、ついついあれやこれやと買ってしまう。重量がかさむ食材などは自宅へ郵送。結局、タダで軽井沢に宿泊できたものの、交通費やお土産など結果的には臨時出費で我が家の家計は歳出超過となった。まあ、家族の笑顔が得られた訳だから、たまにはプチ贅沢も良しとしよう。

レンタカーを無事返却し、軽井沢の24時間は終了した。総走行距離は約32km。推定可能距離は約100kmを示していたので、スタート時の154kmから換算すると、電費はかなり落ちたことになる。暖房も付けず、エコモードで加速を抑え気味で走ったにも関わらず。もっと効率の良いEVの走り方があるのだろうか。バッテリー負荷を気にするあまり、本来のEVらしい加速感を十分楽しめることはできなかった。驚くべき静粛性を除けば、走りはごくフツーのガソリン車と変わりない。ノーマルモードの加速性能も、その昔乗ったことのある別のEVに比べれば、意図的にその性能を抑えたような印象がある。電費との関係もあるのだろうが、この辺が社運を賭けたクルマにしてはもの足りなさを覚えた。しかし、EVの航続距離の不安があることが逆に、ガソリン車以上に走行効率(電費)を意識させるので、無用な加速を控えたり、車速を抑え気味に走るようになる。少なくとも私はそうだった。航続距離の短いEVが、実は脱スピード社会に相応しい安全なクルマになるのではないかという新たな発見であった。

24時間付き合ってくれた日産リーフ
24時間付き合ってくれた日産リーフ

日産リーフの販売は必ずしも好調ではないという。リチウムイオンバッテリーの性能が格段に向上しない限り、今後も拡販の劇的な改善はないだろう。でも、EVには世の中の価値観を変える、まだまだいろいろな可能性があるのではないかと思えるのである。今回のように乗って使ってみないと気付かないこともある。クルマからの直接の排気はゼロ。EVは軽井沢のような自然豊かな観光地との親和性が高い。都心部よりも、こういう地域からもっと普及を図ってもよい気がする。別荘住民のセカンドカーとしてとかね。そのためにはテスラのようにもうちょっとラグジュアリー感が必要だけどね。

ちょっとリッチな気分にさせてくれた軽井沢旅行は、電気自動車についてもいろいろ考える旅となった。

[参考・引用]
[1]ゴーンがEVを諦めない本当の理由 日産ゴーン、リーダーシップの神髄(下)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20131122/256206/?P=1
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Posted on 2013/12/01 Sun. 20:56 [edit]

category: cars/車のお勉強

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