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日産レースカー  

MOTUL AUTECH GT-R

日曜日はママもお姉ちゃんも昼間は外出だったので、息子とどう過ごそうかと悩んだ挙句、横浜まで出かけることにした。日産グローバル本社ギャラリーでモータースポーツイベントとしてレーシングカーを展示しているという情報を得たからだ。無謀にも好天の、しかも風も強い花粉日和のそんな日にである。何か楽しいことが待っているに違いない(ただレースカーが鎮座しているだけなのだが)と横浜へ久々のお出かけに期待100%の愚息にせかされ、前回の記事にも書いたように、ゴーグルにマスクという出で立ちで朝10時に家を出る。玄関を出た瞬間、「ヤバい(汗)」と私の花粉センサーは敏感に反応した。

完全防備の効果か、日産本社ギャラリーに着くまでは特に花粉に苦しむこともなかった。ただ京急の車窓から見えた横浜の空は、黄砂の影響なのかやけに霞んでいた。ギャラリーに到着して真っ先に目に飛び込んできたのは、メインステージに展示された真っ赤なスポーツカー、SUPER GTの2013年シーズンに参戦するMOTUL AUTECH GT-R。息子も開口一番「かっこいいー」。

MOTUL AUTECH GT-R その2
息子も虜に、MOTUL AUTECH GT-R 2013モデル

SUPER GTとは年間で50万人の観客動員数を誇る日本一人気の自動車レースのカテゴリー。とは言っても、私はTVで観たことはあるだけでレース場に足を運んだことはない。F1カーやル・マン・カーなどと異なり外見こそ街で見かけるスポーツカーであるが、市販車を大幅に改造したモンスター・マシンでレースは行われる。このクルマもGT-Rとネーミングされているように日産GT-Rがベースとなっている。詳しいスペックはわからないが、SUPER GTに参戦するこのGT-Rは4.5LのV8エンジン、出力450PS(馬力)以上、駆動方式もオリジナルの4WDからFRに変更されているようだ[1]。レギュレーションによってGT300とGT500というクラスがあるようで、このMOTUL AUTECH GT-RはGT500に参戦する車両。日産はGT500クラスで2連覇を達成しており、2013年の今シーズン史上初の3連覇を目指している。

その3連覇挑戦への景気付けに午後1時からSUPER GT参戦の日産系4チームの監督と選手によるトークショーとサイン会が催されることになっていた。柿元邦彦総監督以下、星野一義監督や長谷見昌弘監督(マッチこと近藤真彦監督は欠席)、クルム伊達公子の旦那でも有名なミハエル・クルムなどモータースポーツ好きにとっては錚々たるメンバー[2][3]。お父さんとしてはこちらの方に興味がそそられたのだが、さすがに17時までのトークショーに愚息を付き合わす訳にもいかず、ギャラリーで小一時間、時間をつぶすことににした。

R390 R90CK
(左)名誉の傷跡が節々に残る#32のR390(右)1990年ル・マン公式ポスターにも採用された#24のR90CK

メインステージ横には、1998年のル・マン24時間レースに参戦したR390と1982年のスーパーシルエットレースに参戦したスカイラインスーパーシルエットが展示。R390は星野一義・鈴木亜久里・影山正彦の乗る32号車が総合3位を獲得、純日本人ドライバーチームが初めて表彰台に上がった[4](‘91年にマツダが日本のワークス初の総合優勝を果たしている)。これはまさにその32号車である。車体のあちこちに付いた傷跡が激しいレースを物語っていた。日産のル・マンマシンと言えば、個人的には’90年のR90CP/CKが強く印象に残っている。日産はワークス5台を投入し、本気モードで日系ワークス初の総合優勝を狙っていた(ニッサン・シケインなんてあったね)。24号車のCKが日本車初のポール・ポジションを奪い、中盤まではTOPを快走していただけに一瞬期待がよぎったが、結果は23号車CP(長谷見・星野・鈴木組)の5位入賞が最高位[5][6]。ル・マンの頂は本当に高いと痛感させられたレースでもあった。当時はテレビ朝日系でル・マン24Hもライブで中継されていて、深夜も含めかなり見入っていた記憶がある。バブリーな時代だった。その後紆余曲折があって、ここに展示されたマシンで悲願のお立ち台になる訳だが、翌’99年は日産がルノー傘下に入り、ゴーン体制になった年。つまりレースなんてやっている場合ではなくなった。後継R391を最後に日産は現在に至るまでル・マンから遠ざかっている(※)。でも事実上の経営破綻から、こんな立派な本社社屋が建てられるようになったのだから、会社は経営者次第である(日本の家電メーカーも、経営層を総入れ替えした方が良い)。

※)日産デルタウィングという戦闘爆撃機のような形をしたレースカーが、2012年のル・マンでカーナンバー0番を付け、賞典外ではあるが参加している[7]。

スカイラインスーパーシルエットとR390
スカイラインスーパーシルエット(左)とR390(右)

スカイラインスーパーシルエットは、これまた日産の迷走期である1981年に登場した6代目スカイライン(R30型)がベースのレースカー。R30は何でP.ニューマンがスカイラインのCMに?と不思議に思った「ニューマン・スカイライン」として有名で、後期型はグリスレスで「鉄仮面」なんて呼ばれて個人的には最もデザインが醜悪だと思うスカイラインの一台。なので既に大学生ではあったが、私自身最も日産に興味がなかった頃のレースカーである。トミーがメインスポンサーを勤め、トミカのバリエーションとしてモデル化もされて子供にも媚びた一台らしいが、息子はほとんど興味を示さず[8][9]。

LEAF NISMO RC LEAF NISMO RC その2
LEAF NISMO RC、当然ながらマフラーはない

そごう側に目を向けるとLEAF NISMO RCの姿が。ピュア電気自動車「リーフ」ベースの本格的EVレーシングカーだ。確かにEVの加速性能はレース向きだとは思うが、レースでかっ飛ばせば満充電200kmも走れないリチウムイオンバッテリーはすぐに底を突くだろう。当然呑気に充電なんかやってられないので、バッテリーは交換式になるようだが、[10]の記事を読むと交換に1時間かかるらしい(急速充電した方が早くないか?)。本当にEVでレースは成立するのだろうか?このEVレースカー、モーター、インバーター、バッテリーの基本コンポーネンツは、市販のリーフと同じものを使っているらしい。ただし、車体は一回り大きく、重量は300kg強軽量化。重いバッテリーをミッドシップに、モーターとインバーターをリアに搭載したミッドシップ・リアドライブ(MR)を採用して、運動性能を高めている。日産ゴーン社長は先月、「日産は、2014年ル・マン24時間レースにEVパワートレインのレースカーで戻ってくる」と宣言した[11]。2012年ル・マンの優勝車であるAUDIのディーゼル・ハイブリット、AUDI・R18 e-tron quattloの走行距離が5151.8km(378周)[12]。これだけ走るには、満充電200kmとしても25回は電池交換が必要な計算。1回の交換に1時間かかるとすれば、それだけで24時間を使ってしまうではないか!まあ出場(宣伝)が目的で、端から優勝などは狙っていないのだろうけど。

ダイヤロボ フェアレディZ ダイヤロボ フェアレディZ その2
息子の戦利品:ダイヤロボ フェアレディZ 

案の定、レースカーの展示を見ただけでは不満を隠せない息子。どうしたものかと迷ったときのブランドSHOP「日産ブティック」で、大好きなトランスフォーマー系の変身ロボカーを見つける。ダイヤロボというシリーズで、フェアレディZのゴールドエディション(限定版)を買ってもらってご満悦。以前に紹介したタララトミーのトランスフォーマーEZと比べ、ミニカーの完成度は秀逸。やっぱ、Zはかっこええなあ。パッケージを見ると、古い御仁には懐かしい「ダイヤペット」のブランドロゴが。発売元の㈱アガツマが現在はこのミニカーブランドを引き継いでいるようだ。

余談だが、MOTUL AUTECH GT-Rを調べる過程でSUPER GTとトランスフォーマー(タカラトミー)がコラボをしたトランスフォーマーGTというプロジェクトがあることが判明。なんと、MOTUL AUTECH GT-Rの変身ロボ、GT-Rプライムという玩具が5月に発売になるらしい。価格もスーパーな10,500円也。愚息に知られると大変なことになる。

パックマンE1グランプリ
『パックマンE1グランプリ』を楽しむ息子@日産グローバル本社ギャラリー

その後、ギャラリーをぶらついていると、バンダイナムコ製『パックマンE1グランプリ』というドライビングシュミレーターを発見。自宅にあるドンガラのハンドルコントローラーではなく、お子ちゃま向けではあるが、ちゃんとハンドルとアクセル・ブレーキで運転操作できるシミュレーションゲームに興味津々。ハンドリングとブレーキングにはまだまだ難はあるものの、エコ運転「上級」の評価をもらって大満足。やはり子供でも運転って楽しいんだね。

休日の日産ギャラリー体験も何とか満足してもらって、父親の面目は立ったが、もう少し子供が喜ぶ、あるいはクルマに興味を持ってもらえる日産本社ならではのコンテンツやイベントのさらなる充実を望みたい。次世代の日産ユーザー候補ですからね。あとレースカー展示に、前述のデルタウィングを加えて欲しかった。

日産デルタウィング
日産デルタウィング

その後、横浜そごうでおいしいお昼を食べ、気分良く帰宅をした。自宅に帰ると外の風景はさらに黄味がかり、さっきまでの晴天が嘘のように次第に薄暗くなってきた。後でそれが「煙霧」という初めて聞く現象だと知ったのだが、私の目の痒みはさらにひどくなり今日に至っている。花粉、黄砂、PM2.5に加え煙霧まで発生するとは。日本の春は外出をするなということか。大地震と放射能汚染に叩きのめされた3.11から2年、日本は新たな自然からの脅威と大気汚染に晒されている。

黄色く霞む東京湾
煙霧?黄色く霞む東京湾(自宅から望む)

[参考・引用]
[1]日産・GTR、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BBGT-R#2012.E5.B9.B4
[2]日産が2013年モータースポーツ活動計画を発表。23号車はチャンピオンコンビに、1号車MOLAは本山/関口組に!、SUPER GT ニュース、2013年2月26日、
http://supergt.net/pages/pg:news_detail/device:pc/ln:ja/id:12788
[3]史上初の三連覇へ!「モータースポーツトークショー」を開催!、日産グローバル本社ギャラリーHP、
http://www.nissan.co.jp/GALLERY/HQ/INFORMATION/INFO-EVENT/?id=323
[4]ニッサンR390 GT1 #32号車実車 ('98年ルマン24th 総合3位)、NISSAN HERITAGE COLLECTION online、
http://nissan-heritage-collection.com/DETAIL/index.php?id=183
[5]日産・R90CP、Wikipeia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BBR90CP
[6]日産・R90CK、Wikipeia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BBR90CK
[7]80回目のル・マンで「影の主役」となった日産デルタウィングが見せた、巧妙な戦略、世良耕太、エンジニアtype、2012年6月27日、
http://engineer.typemag.jp/article/dumans
[8]スカイラインスーパーシルエット、NISSAN HERITAGE COLLECTION online、
http://nissan-heritage-collection.com/DETAIL/index.php?id=95
[9]日産・スカイライン、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
[10]EVレーシング「NISSAN LEAF NISMO RC」がレース初出場!、NISSAN EV blog、2012年9月6日、
http://blog.nissan.co.jp/EV/2012/NISSAN/124.html
[11]ゴーン「日産は、2014年ル・マン24時間レースにEVパワートレインのレースカーで戻ってくる」、NISSAN EV blog、2013年2月26日、
http://blog.nissan.co.jp/EV/2013/EVNEWS/154.html
[12]2012年のル・マン24時間レース、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/2012%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B324%E6%99%82%E9%96%93%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9
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Posted on 2013/03/11 Mon. 22:33 [edit]

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