松岡コブラ

グラフィックデザイナーの松岡信男氏よりお年賀をいただいた。巳年にちなんでシェルビー・コブラの絵とチンクの2013カレンダー。カッケー。“ANDY WARHOL CARS”でシルクスクリーンの技法について調べたのがきっかけで、ネットを通じてお知り合いになったアーティスト。シルクスクリーン印刷で彼の愛すべきくるま達を作品にされている。

2013チンクカレンダー

こちらがいただいたチンクのカレンダー。1月はフィアット500と設計者のダンテ・ジアコーザ(「Fiat500、50年の時を越えて」参照)。ジアコーザが効率性と機能性を追求して、必然から生まれたカタチ。このクルマに無駄なラインは一切ない。

松岡ラムダ
松岡氏の描くランチャラムダ

松岡氏の作品は彼のホームページブログで見ることができる。非常に個性的な描写なのだが、どれも素敵でしょ。私は“線”の作家だと思っている。例えば、彼のお客様の声にもあるように、一見これが「ランチャラムダ?」といえる作品も、紛れもないラムダなのである。無駄な線をそぎ落とし必要にして最小限で描かれた松岡流ラムダ。彼は今やエンジニアとメカニックになった2人の息子さんが子供の頃にお話をしてあげたストーリーをベースにクルマの絵本も創作中ということで、完成が楽しみである。

このラムダもそうなのだが、彼の仕事の流儀は、まず最初にモデルのクルマを左右前後きちんとレンダリングするそうだ。そうしてカタチを頭に叩き込む。その後オーナーのクルマに対する思い入れやクルマにまつわるエピソードをイメージし、ここで一切の情報を遮断して絵を描く。1つの作品が誕生するのに、だいたい700枚以上(!)描くのだそうだ。彼曰く「手がその車のライン、ディテールに馴染んで、自然に動くようになるまでにはどうしてもある程度の枚数は描き込むことが必要ですし、そうしないと線はカタチを作りません。」

美術のスクールに通っている娘の座右の銘は「無駄な線は1本も書くな」である。先生からの教えで、デッサンの授業などでは徹底的に叩き込まれる。私が絵を描く時、そんなことを考えもしなかった。でも設計図面やプログラムも、同じことなのかもしれない。

「線の話」はデザイナーや画家にとっては最も大切な基本なのだろうけど、最近、このラインは必要ないだろうと思える自動車が多い気がする。外野(経営者や技術者)の声を聞かざるを得ない企業デザイナーの宿命なのだろうか。デザインのアイデアが飽和してしまい、コピーや焼き直しと言われることを避けるための苦肉の策なのか。

松岡さん、どうもありがとうございました。

2013チンクカレンダー2
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コメント

  1. ありがとうございます。

    こんにちは。松岡です。
    取り上げていただきありがとうございます。

    「無駄な線は1本も書くな」
    未だに意味の無い線や無駄な線の呪縛から逃れられずにいる私には耳の痛い言葉です。

    時々時間をかけ線を洗っていると、
    無駄なものと一緒に
    栄養やうまみも流れていってしまって見た目だけの「無洗米イラスト」になってしまってないか心配になります。

    まだまだ駄目ですね。
    無駄な線と無駄だけど必要な線とに翻弄されています。



    ( 10:37 )

  2. papayoyo | -

    Re: ありがとうございます。

    絵を描くって奥深いですね。
    でも娘が教わったことを自分なりに解釈すると、
    会社の仕事も同じことではないかと私も耳が痛くなりました。
    今取り組んでいることは本当に必要なことなのか、
    無駄なことをしていないか、させていないか、
    本質的な課題は何なのか、
    これらを常に意識して仕事を進めるのが、
    プロとしての流儀。
    「無駄な線は1本も書くな」に通じる気がしますね。

    ( 08:26 )

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