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ふくろう雑記帖  

ふくろう版画雑記帖

先日所要で東大駒場に知の刺激を受けに行く。本日23日から始まる駒場祭の立て看板も出ていて、楽しい学祭の雰囲気が既に漂う教養部キャンパスを尻目に、私が訪れたのは生技研のある地味~なリサーチキャンパス。研究所勤務なので、普段はほとんどスーツにネクタイのファッションとは無縁の生活。それでも、せっかく知の拠点、東大に行くのだからと、知のアイコンといわれるフクロウ柄のネクタイを締めて出かけた。お気に入りの1本だが、虫眼鏡で見ないとただの紺地のドット柄にしか見えない。でも私なりの小さなこだわり。クールビスの影響でノーネクタイのリーマンがずいぶん増えたが、霜月の東京も以前に比べてネクタイ姿のビジネスマンが減ったような気がした。

フクロウ柄のネクタイ1フクロウ柄のネクタイ2
フクロウ柄のネクタイ

梟(ふくろう)といえば、我が家は一時この猛禽類にこだわった時期があった。長女が生まれる前、妻は小さなフクロウの置物をコレクションしていた。その中に、学生時代、彼女が友人から旅行土産にもらった陶器製と木製の小さなフクロウがある。何か蒐集を始めたいと思っていた彼女は、この可愛らしい2つのプレゼントを思い出し、小さなフクロウグッズを集めることにした。私と違って彼女は大きな目玉が特徴なので、自分のイメージキャラクターとしても相性が良かったようだ。確かに鋭い爪と嘴を持ち、他の動物を捕食する恐ろしい習性もあるかも…。

フクロウグッズ1 フクロウグッズ2
コレクションのきっかけとなったフクロウたち

実はこの趣味の奥は深く、フクロウグッズのコレクションをされている方は多いと後から知った。前回の「ずかん・じどうしゃ」の中でも紹介した「絵本作家のアトリエ1」によれば、太田大八氏のアトリエにもフクロウ人形の数々が。その名前から不苦労(苦労知らず)とか福籠(福が籠もる)など幸福を呼ぶ縁起物として様々な雑貨が存在する。また「ミネルヴァの梟(※1)」でも有名なように、古くからフクロウは知性や学問、工芸の象徴とされてきた。哲学者のようなフクロウを眺めているだけで少し賢くなった気もするし、フクロウには知的でセンスのよいイメージがある。我が家に知性は備わぬが、イメージは大切だ。

私も影響を受け、出先で時間が空けば、フクロウグッズを置いていそうな雑貨屋を散策しだす始末。我々が以前住んでいた大阪にフクロウ専門店(※2)があると知れば、大阪天満橋まで夫婦でわざわざ出向いたこともあった。

コレクションのルールは決めていた。フクロウグッズなるものは、巷にごまんと溢れるので、サイズは高さ10cm以内の置物と制限(大半は5cm以下の小さいもの)。どんなに気に入ったものでも大きいものは買わない。このOB杭を打っておけば、際限なく広がる蒐集対象をかなり絞り込むことができる。保管場所のスペースも取らない。それでも、こうして集めたフクロウの置物はゆうに100種類は超えているだろうか。子供が生まれると嫁は趣味に走る時間も暇もなくなり、いつしかこの蒐集癖もフェードアウト。誤飲の危険性もあるので、子供たちの手の届かないところへ、奥深くコレクションは片付けられた。

フクロウグッズ3 フクロウグッズ4
フクロウと猫のプッシィ(左)とピルケース(右)
フクロウグッズ5 フクロウグッズ6
工学系(左)と哲学系(右)

久しぶりに我が家のフクロウたちを取り出してみた。そのコレクションの中からいくつか紹介する。上の2つは前出のギャラリー有楽で購入したもの。左の梟と猫が緑の小舟に乗っているのは、幕末から明治にかけてのイギリスの詩人エドワード・リア(Edward Lear)の詩「フクロウと猫のプッシィ(The owl and the pussy-cat)」をモチーフとした金属製のミニチュア。細部にわたり非常に凝った作りになっている。この詩は日本では馴染みが薄いが、ヨーロッパでは広く一般的に知られているそうだ[3]。右はスペイン製のピルケース。蓋に施された装飾が渋い。左下はナットや金属部材の溶接で作られた技術屋好みの非常にユニークなもの。今では閉店してしまったが、以前横浜ランドマークタワーの中にフクロウ雑貨を置いてある店があり、私が仕事の帰りにそこで見つけて購入した。横浜には、元町にも「アサ商会」というフクロウ小物も多く扱う雑貨店がある。右下のものは、記憶は定かではないが、たぶんそこで購入したものではないかと思う。銀縁メガネをかけたフクロウが分厚い書物を眺めているという学問の象徴に相応しいモチーフ。

探せば、いろいろ凝ったデザインや素材も面白いものがいっぱいあって、けっこうハマります。フクロウについて興味を持たれた方は、冒頭写真の「ふくろう版画雑記帳」(杉見徳明・著、日経事業出版)の本がおすすめ(現在は絶版、残念!)。フクロウグッズコレクターの著者自らが彫られたフクロウの版画作品とともにフクロウに関する様々なエッセイが楽しい。

(※1)ドイツの哲学者ヘーゲルは『法の哲学』序文で「ミネルヴァのフクロウ(フクロウはローマ神話の女神ミネルヴァの従者とされてきた)は黄昏がやってくると初めて飛び始める(The owl of Minerva first begins her flight with the onset of dusk.)」と、哲学が最終の学問である例えとして書くなど、知識階級層が最も愛した鳥だった[1]。
(※2)北区天満にある「ギャラリー有楽(うらく)」という知る人ぞ知るフクロウ専門店。もともと画廊であったが、1989年よりフクロウ雑貨を取り扱う[2]。絵画、彫刻といった美術工芸から宝飾品、陶器、カバン、小物雑貨の数々に至るまで、それはそれはすごい品ぞろえ。ブログなどの紹介もあるので、まだお店は続けられているようだ。

[参考・引用]
[1]フクロウ・グッズ 五輪に受験に不景気に、人気生態学、朝日新聞(夕刊)、1998年1月9日
[2]ヘレンドの梟たちとギャラリー有楽、寄り道カフェ、2009年7月9日、
http://yorimichim.exblog.jp/9954462/
[3]フクロウ 私の探梟記、福本和夫、法政大学出版局、1992

フクロウ―私の探梟記 (1982年) (教養選書〈48〉)フクロウ―私の探梟記 (1982年) (教養選書〈48〉)
(1982/12)
福本 和夫

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Posted on 2012/11/23 Fri. 01:08 [edit]

category: bookshelves/本棚

tb: 0   cm: 2

コメント

GALERIE URAKU 有楽

ギャラリー有楽のアドレス

http://www.ark.zaq.jp/uraku/index.html

URL | grandduc #-
2014/05/17 09:06 | edit

Re: GALERIE URAKU 有楽

THANKS!また大阪行きたいな。

URL | papayoyo #-
2014/05/17 09:17 | edit

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