電気自動車もNG?

パナソニックのスマート家電

”「スマホで電源オンはだめ」 パナソニック、新型エアコンから一部機能外す”
2012年9月12日付けのYahooニュースの記事である[1]。外出先からスマホで電源を入れるエアコンの機能が、安全上の問題からNGになったのだそうだ。電源を切る機能は問題なく、予定通り搭載するそうである。どこが問題だったのだろう?起動時に人がその場にいないからなのか?電源ON/OFFの予約機能と本質的に何が違うのだろう?予約の方は機械が勝手に行うので、家人が不在の際に自動的に電源が入る場合だって想定される。北米で販売が芳しくない日産リーフ[2]の機能にも同じようなものがある。[3]によれば、充電状況やバッテリー状態、エアコン操作などのリモート操作をiPhone/Android端末アプリケーション上から行うことができるらしい。「乗る前エアコン」なんてまさにこの機能そのものではないか。であれば、この機能もNGなのであろうか?もし自動車がよいのなら、家電でダメな理由は何なのだろうか?


以下はYahooニュースの全文である。
『スマートフォン(高機能携帯電話)から電源オンはだめ-。パナソニックは12日、10月発売予定のエアコン「Xシリーズ」について、売りにしていた、スマホから電源を入れる機能を外すと発表した。電気製品の安全性などを監督している経済産業省と協議した結果、家電製品の安全基準について定めている「電気用品安全法技術基準」に適さないことがわかり、スマホから電源を入れる機能を外すことにした。対象となる「Xシリーズ」の新製品11機種は、機能を外した上で、10月19日から予定通り順次発売する。同シリーズは8月に発表し、外出先からスマホで電源を入れる機能を売りにしていた。「カレンダー予約」「パワーセーブセレクト」など電源を入れる機能に関連したメニュー「myエアコン設定」も削除する。スマホからエアコンの運転を停止する機能は、予定通り搭載する。』

日産リーフのスマホアプリ画面
日産リーフのスマホアプリ画面[3]

この記事は、私の疑問に何ら答えていない。小学生の頃、文章を書く基本は5W1Hだと教わった。ましてやニュースの記事である。5W1Hは基本中の基本。この情報の中で、Whyはどこに記載されているのだろう。Because,『家電製品の安全基準について定めている「電気用品安全法技術基準」に適さない』からなのか。掘り下げが浅い。基準の何を満たさなかったのかがこの記事の肝である。

最近ニュースが電子化されるようになって、このような基本がなっていない、何を伝えたいのかよくわからない記事が散見される。自分のブログのことは棚に上げるが、私は素人である。この記事を書いてお金をもらっている訳ではない。ネットニュースは早さが大事だとエクスキューズするのだろうが、ネット配信なら、新聞のように字数の制限もないはず。必要な分だけ、記事を書けるのだから、プロならもう少し読者が知りたい情報を伝えてくれ。日産自動車もドキドキのはずだ。

この記事を読んで、パナソニック、日産以上に、メディア記者のスキル低下を心配してしまった。

(2012.9.18追記)16日付日本経済新聞の記事で私の疑問が少し解消されたと思ったのだが・・・。
スマホでエアコン操作 パナソニック断念の不可思議  経産省、今年度中に規制緩和へ
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO46180800V10C12A9000000/

以下は違法性を指摘した製品安全課の結城則尚課長補佐(電気用品企画担当)の回答。()内は小生の独り言。
『まずは、快適性の裏には危険性が潜む、ということをご理解いただきたい(それはわかるよ)。電気用品安全法は家電の安全性を保つために制定された法律。実際に過去、電気ストーブや石油ファンヒーターが、不在時のリモコン機能の誤作動により火災事故につながった例も報告されています。今回は遠隔制御の話。外出先など見えないところで電源の操作ができてしまうかどうかが本質で、エアコンの遠隔制御は制御方法にかかわらず、電気用品安全法で規制対象となっています(リモコンによる予約設定でも、家人が外出時に電源がオンになることはあるわな。遠隔操作じゃないので対象外なのかい?見えないところでの操作が“本質”であれば、リモコンによる予約機能もダメなはず。)』
また、家電の遠隔制御は家電の一部機能だと規制対象になるが、別売りのシステム、例えば、「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」のような家電の制御システム内での遠隔制御ならば規制対象ではないらしい。なぜか。所管が製品安全課ではなく情報経済課だからだ。こちらの世界は電気用品安全法のような法整備がなされていない。私も通産省管轄の法人への出向時代によく思い知らされた、典型的な縦割り行政による矛盾である。電気自動車は家電の対象外、所管部署もまた異なる。経産省だけでなく運輸省も絡むからきっと法整備もされていないので問題ないのだろう(そこも問題なのだけれど、クルマだって火を噴く危険性はゼロではない)。
日経記者の突っ込みに対して前出の結城氏は、『我々は決して日本のビジネスチャンスを引っ張るつもりはない。安全かつ、快適な家電をという大原則にのっとり、本年度中には答えを出したいと思っています。(ITの技術競争は時間との闘いなので、本年度といわず、できるだけ早く)』 あまりに矛盾だらけで、時代の素早い変化に全く対応が追いついていないお粗末な行政指導に日経記者も呆れている様子が伝わる記事でした。

[参考・引用]
[1]「スマホで電源オンはだめ」 パナソニック、新型エアコンから一部機能外す、Yahooビジネスニュース、2012年9月12日、
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20120912-00000508-biz_san-nb
[2]8月の日本製EV米国販売、日産 リーフ は5割のマイナス、レスポンス、2012年9月11日、
http://response.jp/article/2012/09/11/181157.html
[3]iPhone/Android端末から操作する、N-Link Owners、日産自動車ホームページ、
http://n-link.nissan.co.jp/MANUAL/EV/IPHONE/index.html
[4]パナソニック、スマホ連動の「スマート家電」6シリーズを発表、日経トレンディネット、2012年8月22日、
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20120821/1042565/?rt=nocnt
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[ 2012/09/12 22:45 ] cars/車のお勉強 | TB(0) | CM(0)

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