クルマノエホン livres d'images de voitures

楽しいクルマ絵本の世界/エンスーのためのクルマ絵本ライブラリー

タバサからの贈り物  

タバサからの贈り物

んー。直前のややこしい話から事実上の代理戦争となった日韓戦。僕は日本がよくやったとはあえて言わない。残念だが負け方が悪い。それまで善戦していた試合を、これで全てチャラにしてしまった。PK戦までもつれて負けるのならまだしも、U-19代表時代を含めて同じ相手に3度完敗。せっかくW杯につながる日本の成長を期待していたのに後味が悪すぎる。韓国は有言実行。脱帽である。8月10日は8月15日とは別の意味で歴史的敗戦の日となった。スポーツも政治も経済も、日本の問題点は全て、敵は日本の中にある。これを克服しない限り、日本の負け戦は続く。悔しいが竹島も戻って来ないだろう。なでしこも残念ながらW杯の再現にはならなかった。監督と澤には最後の花道を飾らせてあげたかったが、こちらは立派な銀メダル。相手も認めるミスジャッジはあったものの、どこぞの国のようにゴネたりはしない。正しい判定だったら勝てたという保証もないし、運を味方につけるのも勝者の実力。[1]によれば、USAトゥデー紙が、主審が「ハンド」をとらなかったことについて、試合後の会見で佐々木監督がコメントした内容を紹介した。記者に質問されて「何のことでしたっけ」と冗談で切り返した後、こう答えたそうだ。「主審が何を見ていたかは分かりませんが、私は主審の判定を尊重します」 佐々木監督に金メダル。

オリンピックもいよいよ終盤、寝覚めの悪い気分を切り替えて、再びクルマ絵本、ロンドンオリンピック特集に戻りたいと思う。本日紹介するのは「タバサからの贈り物」(永井久美・文、ダイアン・エルソン・絵、PHP研究所)。副題「イギリスの楽しい暮らし」とあるように、イギリスの文化を知るのに恰好の絵本となっている。

タバサからの贈り物その1
エリザベスタワー(「タバサからの贈り物」より)

表紙にはビッグ・ベン、もといエリザベス・タワー(何かしっくりこないねえ)を背景に、ルートマスターのダブルデッカー(二階建てバス)とロンドンタクシーの定番、オースティンFX4と思われるブラック・キャブがいい感じで描かれているのでロンドンオリンピックの大盤振る舞い、クルマノエホンに認定した。

主人公はロンドンに暮らす猫の家族、ウィスカー家。賢くて優しいお母さん猫タバサとお父さん猫アレクサンダー、ミミとソックスの姉弟猫の四匹家族である。お母さんとお父さんの趣味は其々ガーデニングと日曜大工、子供たちの将来の夢は園芸家とサッカー選手とコテコテの英国ファミリーの設定だ。そこへ日本からタマがホームステイにやってきて、英国の伝統行事や日常生活を体験するという物語。日本人に擬人化されたタマは、やはりというかシャイで引っ込み思案。でもホームステイ後半には彼女の勇気ある行動でウィスカー家の信頼を得る、タマの成長のストーリーでもある。U-23はタマのようにはなれなかった(涙)。

タバサからの贈り物その2
野外コンサートを楽しむロンドンの夏(「タバサからの贈り物」より)

本書では英国の四季折々の伝統行事や日常生活を紹介しているが、今の季節の話題は“Picnic”。イギリスの夏はあっという間に過ぎ去る。ロンドンオリンピックとともにやって来た熱い夏も、閉会式とともに終わりが訪れるのだろうか。この短い夏をどう楽しむかがロンドンっ子にとっては重要なのだが、今年は五輪観戦一色だったに違いない。普段の夏ならロンドン郊外の森の中で行われる野外コンサートに出かけるのも一つ。ニュースでもやっていたが、ロンドン市内のホテル代高騰で、外からやって来た観戦者は、郊外の広い公園に設置された安いテント場で賢く滞在していた。そんな日本人には羨ましいほどの広い芝生で昼間はピクニックを楽しみ、夜は緑に囲まれたステージでの音楽に酔いしれ、最後は花火でフィナーレ。都会ではどこに行ってもコンクリートジャングル、人、人、人の蒸し暑い日本とはすいぶん趣が異なる。日本の夏を紹介するなら、浴衣にすいか、縁側で線香花火か。そういう情緒のあるニッポンの夏の風景も都会では見かけなくなってしまった。

「ビッグ・ベン」前を走る女子マラソン選手
「ビッグ・ベン」前を走る女子マラソン選手[5]

マラソンコースは、ロンドン定番の名所を経由するように工夫されているそうだが(選手にとっては複雑で大変)、本書でもいくつかロンドン名所が紹介されている。もちろん走行コースのポイントにもなっている表紙に描かれたビック・ベン(Big Ben)、ご存じのように英国国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)の時計台である。13世紀に生まれた議会政治発祥の地。現在の華麗なゴシック建築の建物は、1834年に焼失した宮殿を再建したものである。正式名称は「クロック・タワー」(Clock Tower)だったが、エリザベス2世の在位60周年を記念して「エリザベス・タワー」(Elizabeth Tower)に改称されたばかり。私は勘違いしていたが、ビッグ・ベンの名称がエリザベス・タワーに変わったのではなかったのだ。ビッグ・ベンは愛称で、その工事責任者であった国会議員のベンジャミン・ホール卿(Sir Benjamin Hall)の愛称がそのまま呼び名になったとされるが、他にも諸説あるらしい[2]。

タバサからの贈り物その3
お父さんの愛車はジャグァー?(「タバサからの贈り物」より)
ジャガーXK150ロードスター
ジャガーXK150ロードスター[3]

クルマノエホン的に本書を紹介すると、お父さんの愛車はブリティッシュグリーンの渋いクラシックスポーツ。挿絵から推定すると、ジャガーXK150ロードスターがモデルではないかと思う。猫だけにジャグァーということか?

交通機関(Traffic)の紹介では、オースティンのブラック・キャブと、ルートマスターのダブルデッカー、ロンドン地下鉄のチューブ(Tube)の三羽烏が登場。ただ、最近はカラフルな車体のロンドンタクシーや、バスも2階のないシングル・デッカーや2車両が繋がっている連節バスが増えてきているという。オリンピック期間中、交通機関の混乱は避けられたのだろうか。私はずいぶん昔に出張でロンドンを訪れたことがあるが、2泊3日の強行軍だったので、名所といえば大英博物館くらいしか行かなかったし、ダブルデッカーにも乗らずじまいだった。また行きたいな。今度はクルマの古絵本を探しに。

タバサからの贈り物その4
ロンドン名物、ブラック・キャブとダブルデッカー(「タバサからの贈り物」より)

本書の所々には『タバサのひと口イングリッシュ』という囲み記事があって、文字通り“英語”の勉強にもなる。朝聴いているラジオの英語講座でもロンドンオリンピックを意識してか、英国人講師を使ったり英国を舞台にしたスキットが多いが、米語に慣れた日本人はこの“英”語が聴きづらい。昔米国人に英会話を習っていたときに聞いた話。先生が英国人のパーティーに呼ばれたのだが、言葉がわからずにほとんど会話が成立しなかったと言っていた。彼は面白おかしく話をしてくれた訳だが、ジョークになるくらい米英では文化の違いが大きいということ。私の勤務先にはインド人も多いが、彼らの英語も全く別の言語。世界は広い。

Diane Elson
Diane Elson[4]

作画のダイアン・エルソン氏(Diane Elson)は1953年イギリス生まれ。猫を擬人化したファンタジックな世界を描くことで知られる人気アーティスト。彼女が描くハッピーな猫たちは見る人を癒し、幸せを運んでくれると世界中にファンの輪が広がっている。ハンプシャー州の美しいヴィレッジで、夫と3匹の猫に囲まれて制作活動を行いながら、各国で個展を開催している。

エルソン氏も絵本の著作があるようだが、本書は訳書ではなく、作者・永井久美氏が書き下ろしたもの。永井氏は東京都出身。テレビやラジオのレポーター、DJを経て1994年に渡英。ロンドンでダイアン・エルソンの作品と出合い、心惹かれる。帰国後の2006年、代理人契約を結び、㈱ダイアン&サミーを設立。一人でも多くの人に、ダイアンのハッピーな猫たちと出合ってもらえるよう活動している(以上、本書著者紹介より)。私はそんなに猫好きという訳ではないが、クルマの絵本にはよく猫が登場する。(⇒「ヤンときいろいブルンル」「ブルブルさんのあかいじどうしゃ」参照)

[参考・引用]
[1]なでしこ「疑惑の判定」でPK逃す 米選手の「ハンド」を主審が「誤審」、J-CASTニュース、2012年8月10日、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120810-00000004-jct-ent
[2]ビッグ・ベン、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3
[3]1960年 ジャガー XK150、GAZOO名車館、
http://gazoo.com/meishakan/meisha/shousai.asp?R_ID=208
[4]Diane Elson's Website、
http://image.search.yahoo.co.jp/search?p=Diane+Elson%E3%80%80cat&aq=-1&oq=&ei=UTF-8#mode%3Ddetail%26index%3D13%26st%3D489
[5]「ビッグ・ベン」前を走る選手、gooロンドン五輪特集、2012年8月5日、
http://london2012.goo.ne.jp/sports/athletics/mega/jiji2012m_0013077629.html
スポンサーサイト

Posted on 2012/08/11 Sat. 15:21 [edit]

category: picture books about automobile/クルマノエホン

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://ehonkuruma.blog59.fc2.com/tb.php/392-12cc9ff3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク