この悔しさを糧に

ようやくレスリングで待望の金色メダルが加算されたが、現時点で金4個。大会前には金15個以上と予想したJOCやスポーツライターもいたが、どう分析したら、こんな数字になるのだろう? これは個人記録や、大会直前の世界選手権などの成績から少しでも金メダルを取れる”可能性”のある分を全部積み上げたに過ぎない。どこの国の選手も、当然オリンピックにベストの照準を持ってくるので、事前の競技会での成績はあまり当てにならない。メンタル面が大きく左右して実力どおりの結果がでないのが、オリンピックの特別な雰囲気だし、特にメンタリティの弱い日本人選手の特性を考えると歩留まり5割で、7-8個がいいところだろう(たぶんここまで到達しないだろうけど)。15個も取る気ならば、可能性のある競技が30種目くらいないといけない。そこまで日本のスポーツの裾野は広いだろうか?ただそんな特別なプレッシャーを克服してメダル総数32個は(女子サッカーの確定分を入れて)、十分善戦しているといえる。メダルの色はともかく、日本人選手の健闘が随所で見られ、なかなかの大会ではないかと個人的には思うのである。

女子メドレーリレー銅メダル
私が嬉しかったメダルは競泳男女のメドレーリレー(銅メダルの女子チーム、左から上田、加藤、鈴木、寺川[1])

さて、注目の男子サッカーは残念ながら決勝にコマを進めることはできなかった。私は良くてベスト8と予想していたので、ベスト4に勝ち上がったことは嬉しい誤算だった。関塚監督、選手の皆さん、m(_ _;)m。同郷の野生児永井も世界的に注目されて嬉しいっス。金メダルを期待された方も多かったと思うが、これが世界トップクラスの壁。冷静にデータを分析すると、日本がベスト4に進めたことも、準決勝で敗退したことも順当な結果だとも言える。今回の男子サッカーの結果とFIFAランキングを見比べるとそれがわかる。

以下は対戦成績とFIFAランキング(括弧内)の比較表である。ランキングは2012.7.4付、現時点で最新のデータ。日本の順位は20位である。
http://www.tsp21.com/sports/soccer/fifaranking.html

○日本-スペイン(1位) 1-0     
○日本-モロッコ(71位) 1-0     
△日本-ホンジュラス(63位) 0-0  
○日本-エジプト(42位) 3-0     
●日本-メキシコ(19位) 1-3     
?日本-韓国(28位)   ?     

スペインに歴史的勝利
スペイン撃破「史上最大の番狂わせ」[2]

ランキングはA代表の成績がベースなので、U-23とは評価指標が異なるが、まあ、その国の実力をほぼ示していると思っていいだろう。スペイン戦は例外として、メキシコ戦まではランキングどおりという結果になっている。仮に初戦のスペイン戦に負けていたとしても、実力を出し切れば順当に決勝Tには進めたはず。予想ではD組の2位通過だったので、C組1位のブラジルと当たってベスト8止まりと思っていた。まさかスペインが1次リーグで消えるとは・・・。

実力通りにならないのが「オリンピックには魔物が棲む」といわれる所以で、日本も初戦で酷い負け方をしていたら、ズルズルと1次リーグ敗退となっていたかもしれない。でもプレッシャーに打ち勝てば、実力どおりの試合ができる。それだけに平常心であれば、上位ランクチームのレベルは格が違う。1つのミスも見逃さないし、そのチャンスを確実に得点にするのがトップクラスの実力。日本とメキシコはほぼ同じランクで実力伯仲と思われるかもしれないが、過去1年のデータを見ると、日本は30位くらいをうろちょろしている時期もあったのに対し、メキシコは20位前後を安定的にキープしている。この差が出たのだろう。

W杯5度優勝のブラジルが、唯一チャンピオンシップを取っていないのがオリンピックゲーム。このプレッシャーに勝てれば、ブラジルの金メダルだと思う。

日本にも44年ぶりの銅メダルのチャンスはある。対戦相手はめんどくさい韓国となった。勝っても負けてもうるさい相手だ。FIFAランキングは28位と日本より格下。しかし、A代表メンバーが多く含まれるチームなので、2軍の日本とはほぼ互角勝負といえる。問題はメンタル面。「日本はメンタルが弱い」と早くも舌戦が始まっているが、日本に対して異常なまでにライバル心を燃やすメンタリティと、勝てば兵役免除というモチベーションは脅威である。日本サッカー協会も、銅メダルなら1人1000万円の報奨金とか出せねえのかなあ。

ウェンブリー・スタジアム
男女共、聖地ウェンブリーで試合ができるなんて幸せもんだぜい!

2年後のW杯では恐らく主力になってくるであろうU-23世代にとっては、世界標準の怖さと、実力どおりの力を出せばそこそこ戦えるという手ごたえを得た意味でも、非常によい経験になったと思う。あとは是非銅メダルを持ち帰って、一回り進化してもらいたい。今後のW杯への闘いにも生きてくるはずだ。冷静にやれば、絶対に勝てる!会社も夏休みに入るので、今回は夜更かししようか。女子は実力どおりの決勝戦。金か銀かは神のみぞ知る。

[参考・引用]
[1]競泳リレー男子銀、女子銅、朝日新聞号外、2012年8月5日
[2]スペイン撃破「史上最大の番狂わせ」、毎日新聞、2012年7月27日
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