魚味礼讃

魚味礼讃

GTroman」で沼津に子供たちの曾祖父を見舞いに行った話を書いたが、我々が見舞いに行った後に容態が急変して今朝亡くなった。かぞえで96歳、大往生である。孫である嫁にはなんとなく予感があったのかもしれないが、子供たちにも久しぶりに会わせておいて本当によかった。

爺様は十数年くらい前に自宅(嫁の実家)を改築するまで魚屋を営んでいた。沼津名産の干物も、今では機械干しが多いのだけれど、彼は最後まで天日干しに拘った。アジやカマスなどその塩加減も絶妙で、遠方から爺様の干物を買い求めに来られる方もいた。魚好きの私にとって、こんなステキな親族が増えたことはこの上ない幸せだった。嫁よ、ありがとう!と。

酒呑みの方はご存じかと思うが、毎年お正月にいただいていたサケの氷頭(ひず:サケの頭の部分の軟骨や皮の酢漬)がまた絶品であった。私の実の祖母もよく作っていたので、子供のころから大好物の酒の肴。祖母もまたフグを自分でさばけるくらい料理にはうるさい人だったが、亡くなってからはほとんど氷頭を食していなかった。これがまたおばあちゃんの味を思い出させるもので、結婚後の嬉しいサプライズだった。最近爺様がうまく包丁を握れないということで、今年の正月はお預けだったが、この頃から彼の体調を少し案じていた。

キンメダイ(「さかなの詩」より)
キンメダイ(宮本紅魚・著「さかなの詩」より)

爺様が伊豆稲取から取り寄せてさばいた金目鯛のしゃぶしゃぶを沼津の実家でいただいたときは(水菜との相性が抜群!)、世の中にこんなおいしい魚があるのかと感動した思い出がある。

祖父には、魚の美味しさを改めて教えていただいた。魚のさばき方や干物の作り方なども教えてもらえばよかったなと後悔している。大戦中は戦闘機乗りだったそうで、我が子とともに貴重な戦争体験を聞かなかったことも惜しまれる。約1世紀の人生、本当にお疲れ様でした。ゆっくりお休みください。

魚味礼讃 (中公文庫BIBLIO)魚味礼讃 (中公文庫BIBLIO)
(2002/12)
関谷 文吉

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[ 2012/04/14 17:31 ] bookshelves/本棚 | TB(0) | CM(0)

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