Mr.Bean

The Best Bits of Mr.Bean

今日は娘の中学入学。式には嫁だけ参加したが、私は3年生に進級した息子の子守で休みを取った。子供たちが元気に無事進学、進級できたことに心から感謝である。さて、昨日は帰宅途中に古本チェーン店BOに立ち寄りクルマの絵本を物色するも、目ぼしいものはなかった。仕方なくDVD売り場をブラブラしていると安売りコーナーで良いものを見つけた。1本はリュック・ベンソン脚本の“Michel Vaillant”。フランス語圏では有名なエンスーBD(バンド・デシネ=コミック)として以前にも紹介した実写版である。もう1本は“The Best Bits of Mr.Bean”。「Mr.ビーン」シリーズは10年以上前に世界中でブームとなり、NHKでも放映されて我が家も一時ハマっていたことがある。その中でも選りすぐりのエピソードを1枚に集めた爆笑ベスト盤という珍品だ。

翌日が休暇ということもあり、深夜までパソコンでこのDVDを観ていたのだが、夜中にも関わらず笑いこらえることはできなかった。Mr.ビーンこと主演ローワン・アトキンソン(Rowan Sebastian Atkinson)の演技はほとんど会話らしい会話のないトーキーに近いスタイルなのだが、彼のちとキモイ表情と動作だけで十二分に笑わせてくれる。

Mr.Beanの愛車といえば…
Mr.Beanの愛車といえば…(エピソード”Back to School Mr. Bean ”より)

このブログで記事にするくらいだから、“Mr.Bean”はクルマ映画として取り上げている。年齢・職業不詳のビーンの愛車は黄色のライムフラワー色にボンネットが黒の‘77年製MK IV British Leyland Mini 1000。いろいろな情報を調べると、このライムフラワーの色というのは英国人が最も嫌いな色の一つだそうで(英国に旅行するときは気を付けましょう)、この辺の設定もいかにも英国流ブラックユーモアである。

Mr.Beanの‘69年製Morris Mini MK II
‘69年製Morris Mini MK II(エピソード”Mr. Bean ”より)

本ベスト盤に登場するミニはこのモデルだが、さらに調べてみると、第1話「ミスター・ビーン」ではオレンジ色の‘69年製Morris Mini MK IIに乗っており、物語の最後に事故で全損。第3話「ミスター・ビーン、とんだヤブヘビ」からこのライムフラワーバージョンが登場するらしい。しかし本作にも一部挿話されているが、第11話「ミスター・ビーン、学校へ行く」では軍隊のデモンストレーション用に用意されていたミニとビーンの乗ってきたミニが取り違えられ、無残にも戦車で押しつぶされている。ただし最終話で再びライムフラワーMiniが登場する。軍隊が弁償してくれたのかもしれない。

オックスフォード大出の理学修士、インテリのローワン・アトキンソンはプライベートでもかなりの車好き(まさか、アトキンソン・サイクルのジェームズ・アトキンソンの末裔ではなかろうが)として知られており、運転の腕前もかなりのようだ。そのスキルは“Mr.Bean”シリーズでもいかんなく発揮され、あり得ないようなドライビングシチュエーションが物語の中で展開される。

ありえないシチュエーション
ありえないシチュエーション(エピソード”Do-It-Yourself Mr. Bean”より)

本作の「歯医者に行く」(第6話「ミスター・ビーンのおでかけ」より)では、朝寝坊したビーンが、予約している歯医者に遅れまいと、パジャマ姿のままでMiniに乗り込み、クルマを運転しながら背広に着替えたり、歯磨きをしたりといった荒業を披露している。「立体駐車場から出る」(第3話「ミスター・ビーン、とんだヤブヘビ」より)は、ドケチなビーンが駐車場の出口でわずかな料金を出し惜しみ、入口から無銭で脱出しようとあれやこれやの手を考えるというもの。「愛車ミニでお出かけ-運転席は屋根の上」(第10話「ミスター・ビーンの日曜大工」より)では、ホームセンターで購入した品物をMiniに詰め込みすぎて運転席に乗れなくなり、挙句の果てに屋根の上に載せたソファに乗ったまま運転できる仕掛けを考えた。いずれもあり得ない状態で普通の町中を走っており、CGを駆使した映像とも思えないので(まだ今ほど精巧なCG技術はなかったはず)、どうやって撮影しているのか不思議に思うほど。スタントなしで本当にアトキンソンが運転しているのだろうか?

1972 Reliant Regal Supervan III
1972 Reliant Regal Supervan III
出典:http://slatford.co.uk/Car%20Pictures%20Pages/Reliant.htm

このシリーズには愛嬌のあるクルマの脇役も登場する。ビーンのMiniでぶつけて駐車場所から押し出されたり横転させられたりと、度々コケにされる青い三輪自動車である。英国のリライアント・モーター社、Reliant Regal Supervan IIIというこのクルマは、イギリスでは貧しい階級の人間を象徴する車種であり、日常的な笑いのネタとして認識されているらしい。この辺は差別的ネタで笑いをとることに抵抗のある日本人には理解しにくいだろう。

「差別」がよくないこと、恥ずべきことだとは多くの日本人も英国人だって頭ではわかっている。そうは言ってもこの世に差別が存在することは現前たる事実で、多かれ少なかれ誰しも心の中の差別する気持ちを拭えないこともわかっている。自分とは異質なものを排除しようとするのは人間(生物)の性だ。そういう臭いものには蓋をしようと発想するのが日本人で、現実の不条理を笑いに変えてしまうのが英国人。どちらが良いか悪いかは、文化的背景の違いなので何とも言えないが、英国人や英国車のエッセンスを知る上でも奥深いMr.ビーンである。

カルロス・ゴーン Mr.ビーン
自動車つながりで言えばこの二人似てる?(左:日産カルロス・ゴーン社長、右:Mr.ビーン)

 

[参考・引用]
[1] Mr. Bean ミスター・ビーン、
http://gekipls.web.fc2.com/mrbeen.htm
[2]Mr.ビーン、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/Mr.%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%B3
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[ 2012/04/05 22:52 ] movies/クルマと映画 | TB(0) | CM(0)

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