バムとケロのおかいもの

バムとケロのおかいもの

バックライトとディスクの読み取り機能が壊れてパソコンを修理に出していたため、久々に自宅PCで記事を書く。しばらくは家に持ち帰った会社のPCで作業をしていたが、いろいろと制限がかかっているのでやりづらい。完全にパソコンがないと困る生活スタイルになってしまった。おかげで嫁はスマホに機種変。俺も新しいケータイが欲しくなった。さて“安全”という少し重いテーマが続いたので、本日は絵本ブログらしい楽しい一冊を取り上げる。絵本好きの方でおそらく知らない人はいないと思う大人気の“バムとケロ”シリーズ、クルマが表紙の「バムとケロのおかいもの」(島田ゆか・作、文渓堂)である。

母の日に娘がママにプレゼントした自作の栞
母の日に娘がママにプレゼントした自作の栞

島田ゆかさんの作品は我が家も昔から大ファンだ。最近になって、バムとケロシリーズとしては本書以来、実に12年ぶり、彼女の作品としては「ぶーちゃんとおにいちゃん」以来7年ぶりの待ちに待った新作「バムとケロのもりのこや」が上梓されているのを知り、急いでご購入。最近のマイファミリー‘sブームは、“ONE PIECE”とこのバムケロになっている。恥ずかしながら、今頃になって初めて家族全員ONE PIECEを読み始め、完全にハマッてしまった(息子が麦わら帽子が欲しいと言い出す始末)。ちょっと話が脱線してしまったが、このバムケロシリーズも、老若男女がツボにハマッてしまう絵本である。

島田ゆか
島田ゆか

あらゆるところで紹介されているバムケロなので、今さらという感じだが簡単に内容を紹介する。主人公は一つ屋根の下に暮らすブルテリアという犬種がモデルのしっかり者のバムと、散らかし上手でいたずら好きなカエルのケロちゃんの凸凹コンビ。最近流行(はやり)のキモかわいいキャラクターたちだ。

この島田ワールドの魅力はまずその奇妙で楽しいキャラクターたち。ONE PIECEもそうだが、キャラクターが個性的で豊富なことはヒットの一つの条件になる。主人公の二匹のゆるーい感じも実にいいが、あひるのカイちゃんに、3本耳の小さなうさぎ(?)おじぎちゃん、小さな小さな黒耳の犬ヤメピ、サングラスの似合うモグラ君などなどマイペースな仲間たちもまた愉快だ。島田作品には“歩くかばん”と旅をするおかしなかばん売り、これまた人気の“ガラゴ”シリーズがある(ガラゴ科というサルがモデル)。こちらのシリーズには、バムケロも友情出演する。このような島田ワールドを構成する作品どおしのコラボも楽しさを倍増させる。

島田さんの色記録ノート[1]
島田さんの色記録ノート[1]

また島田さんの独特な色使いも魅力の一つ。水彩画の作品は実に色彩豊かなのだが、ビビットな原色というよりはいろいろな色が複雑に混ざり合った繊細なものだ。島田さんはこの色作りにとても苦労されているようで、自分のイメージに合う色を試すうちに絵の具を全部無駄にしてしまったり、一度塗り終わったものでも気に入らないものは後日塗り直すことも多いそうだ。一度色が決まるとクルマの色見本のように作品ごとにノートに記録されているらしい[1]。

また、おいしそうな食事の場面と、楽しそうなお風呂の場面が多いことも島田作品の特徴。料理も含め家事全般はだいたいバムの担当であるが、ときにはケロちゃんも料理をする(和食も作るんだって)。島田さんが好きだということでドーナッツの登場回数が非常に多い。いずれも人間にとっては至福の時間で、このような場面設定が読者の欲求を満たしてくれるんだろうなあ。特に食いしん坊のうちの嫁の心を捉えたのは、こういうところかもしれない。

とびら屋さんって・・・(「バムとケロのおかいもの」より)
とびら屋さんって・・・(「バムとケロのおかいもの」より)

そして、もう一つは各場面を引き立てる小道具へのこだわり。本書のストーリーは月に一度のおかいものの日の話。バムケロたちは市場へ出かけるのだが、その市場の描き込みは半端ではない。生地屋さん、八百屋さん、食器屋さん、古道具屋さん、ゆかいなとびら屋さん(いろいろな形のドアを売っている!)、それぞれの店に置かれた商品は実に詳細で緻密、思わず見入ってしまう。あんなものもある!こんなものもある!島田作品を読み返すたびに新しい発見がある。バムケロの家の中の様々な雑貨類も実に凝っている。[1]に紹介されている島田さんのご自宅の写真には、まさにこの絵本に出てくるような小物たちが棚に並ぶ。島田さんのご趣味が作品に反映されているのだろうか。

バムの運転するクルマ(「バムとケロのおかいもの」より) オースチン・ヒーレー3000[2]
(左)バムの運転するクルマ(「バムとケロのおかいもの」より)(右)オースチン・ヒーレー3000[2]

もちろん、クルマも小道具として使われている。本書の表紙に描かれているクルマは、彼らが市場に出かけるのに使われる。非現実世界が広がる絵本らしい絵本なので、このクルマもフィクショナルなものかと思いきや、必ずしもそうでない。バムの運転する渋めのレイクブルーのクルマは、オースチン・ヒーレー3000によく似ている。手前のねずみが運転している小さなブリティッシュ・グリーンのクルマはそのカニ目の風貌から、紛れもなく“バルンくん”ことオースチン・ヒーレー・スプライトがモデルだろう。島田さん、なかなかの英国通とみえる。上述した作者のご自宅の写真をよーく見ると、ブリティッシュグリーンに黄色いセンターラインのロータスF1のミニチュアカーがさりげなくディスプレイされているのを私は見逃さなかった。などなどトリビアな情報も含めて、本書はなかなかのクルマノエホンと認めた。

”バルンくん”も登場?(「バムとケロのおかいもの」より)
”バルンくん”も登場?(「バムとケロのおかいもの」より)

島田ゆかさんは1963年生まれ。私と同世代だ。東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科を卒業後、パッケージデザインの仕事を経てフリーに。現在はカナダのオンタリオ州在住。自然豊かなカナダでの生活が、新作「バムとケロのもりのこや」のストーリーに反映されているのだろう。1994年に「バムとケロのにちようび」(文渓堂)で絵本作家デビュー。

[参考・引用]
[1]月刊MOE、新しい「バムとケロ」と島田ゆかの絵本、 2011年5月、白泉社
[2]ラ・フェスタ・ミッレミリア(最終回)、カルマンギアおじさん日記、2007年10月19日、
http://mk7054.blog.hobidas.com/archives/day/20071019.html

バムとケロのおかいものバムとケロのおかいもの
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島田 ゆか

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バムとケロのもりのこやバムとケロのもりのこや
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島田 ゆか

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