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日産Leaf、欧州COTY受賞の?  

日産リーフ

日産自動車の量産電気自動車「リーフ(Leaf)」が先月の29日「欧州カー・オブ・ザ・イヤー2011」を受賞した。EVの受賞は47年の歴史を持つ「欧州カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」で初めてなのだそうだ。受賞理由は「リーフはEV時代の先駆者として広く認められた。従来の自動車と多くの点で競合し得る初のEVだと言える」とのこと[1]。

だが待てよ。「リーフ」は先日12月3日、横浜の日産本社で今月20日から発売を開始することが正式発表されたはず[2]。そう、まだ市場に投入されていない車である。まだ世の中に1台も走っていない、(関係者やごく一部の試乗体験者を除いて)まだ誰も乗ったことのない、まだその本当の実力がよくわかっていない乗用車がカー・オブ・ザ・イヤー、 すなわち、その年の最も優れたクルマとしての名誉を受けるのか?なんかおかしくないか?

でも「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」の選考基準には当然のことながら則っている。Wikipedia[3]によれば、欧州COTYは過去1年の間にヨーロッパの5ヶ国以上で発売され、年間5,000台以上の販売が見込める自動車が対象となっているが、日産HP[4]によれば、
・投票日までに価格を発表して5カ国で予約注文を受け付けていること
・翌年(2011)に5,000台以上の販売を見込んでいること
というのがノミネート条件で、一応基準は満たしているようだ。

それにしても公式発表を直前に控え絶妙なタイミング。欧州COTYの審査委員はヨーロッパ7ヶ国(イタリア、イギリス、スペイン、オランダ、フランス、ドイツ、スウェーデン)の自動車雑誌社各1社により構成され、自動車ジャーナリストが審査員となる。2006年には22ヶ国からの58人が審査に加わっている[3]。日本のCOTYもそうだが、自動車ジャーナリストなんて非常に狭い業界で食っている人たちだから、メーカーとはなあなあの関係になりがちだ。FIFAの賄賂報道もあったばかりなので、審査員が金で買収されたとは言わないが、少なくともメーカーのロビー活動の賜物ではなかったかと変に勘ぐってしまうのは私だけではないだろう。勿論、EVに関心のある私としては、受賞理由にあるように「リーフ」が世の中に与えた影響、インパクトについては全く否定しない。であればなおさら、実際の発売後にその実力を市場で評価してもらってから、2012COTYを正々堂々と受賞した方がイメージは良かっただろう。やはりカー・オブ・ザ・イヤーはそれなりの台数が公道を走っていて、それなりに消費者の評価が得られたクルマの中から選ばれるべきだと個人的には思う。

トヨタiQ
トヨタiQ

同じようなことが、前々回2008年次(2008-2009)日本カー・オブ・ザ・イヤーでも話題になった。受賞車はトヨタのiQ。1ボックス車1台分の駐車スペースに、2台のiQがドリフト駐車をするテレビCMを覚えているだろうか?ヴィッツより軽より小さい3+1シーターのコンパクトカーで、受賞理由は「全長3m弱というミニマムなボディに、4人乗りを可能としたパッケージング&デザイン。さらに9エアバッグを装備し、高い安全性と環境への配慮もバランスよく実現した“革新的”なFF車であることが評価された[5]。」

日本COTYの選考車対象基準は、前年の11月1日から当年の10月31日までに日本国内で発表または発売された乗用車すべてとされるが、「ノミネート」の基準・方法の詳細は必ずしも明確でないそうだ[6]。2008年次には国内外発売前の車が初めて受賞し、この回に限っては、毎回公表されていた各選考委員の投票内容も明かされなかったので、”出来レース”とか”金で買った賞”とか一時騒がれたものである。私自身、正式に発売されて以降、このiQをほとんど見たことがないし、あれから話題にも上らなくなった。iQはどこに行ってしまったのだろうか?

それ以前から日本COTYには「偏った選考」との批判も多く、1992年次(1991-1992)からは、別の団体が主催するRJCカー・オブ・ザ・イヤーの表彰も始まっている。日本では2つのCOTYが存在する、しかもほとんど受賞車がかぶらないという異常な構図になってしまった[7]。(同じ対象期間でも年次の表記が異なる。最新の2010-2011イヤーは、日本COTYが2010年次、RJCが2011年次と表記している。くだらない意地の張り合いだ。)

ホンダCR-Z
スズキ スイフト
(上)ホンダCR-Z(下)スズキ スイフト

ちなみに、今年2010年次の日本COTY受賞車はホンダのハイブリットスポーツCR-Z、2011年次のRJCの受賞車がスズキ・スイフトとなった。こういう賞の受賞は、企業としては良い宣伝になると思っているかもしれないし、私もブログで話題にしているように、良くも悪くも自動車に関心を持ってもらう機会にはなっていると思う。しかし、COTYの受賞が直接クルマの購買に繋がっているとは思わない方がいいだろう。 上記のような選考基準の不透明性、曖昧さから、賞に対する権威や客観性に対して、多くのユーザーは冷めて見ていると思う。むしろ、最近はブログをはじめとする個人のWEB情報の方が的を射た評価をしている。一般ユーザーの評価の方が、何の損得勘定もないので辛辣で正直だし、実際の使い方に即していて、本当に知りたい情報が得られるからだ。

巷のWEB上の評価を読んでみると、RJCを受賞したスズキ・スイフトを高く評価している記事が多いように思える。私はまだ運転したことがないが、機会があれば是非乗ってみたいクルマだ。勿論CR-Zもね。やはり権威に惑わされることなく、自分自身が体感した評価を信じること、これが一番の気がする。

リーフのカタログ

[参考・引用]
[1]日産「リーフ」、欧州カーオブザイヤーに選出、国際自動車ニュース、2010年11月30日、
http://auto-affairs.com/?p=259
[2]電気自動車「日産リーフ」ついに販売スタート!、asahi.com、2010年12月4日、
http://www.asahi.com/car/cg/TKY201012040194.html
[3]ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC
[4]日産リーフブログ、日産自動車ホームページ、
http://blog.nissan.co.jp/EV/2010/INFO/34.html
[5]第28回(2008-2009)日本・カー・オブ・ザ・イヤー、日本COTYホームページ、
http://www.jcoty.org/history/2008.html
[6]日本・カー・オブ・ザ・イヤー、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC
[7]RJC・カー・オブ・ザ・イヤー、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/RJC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC
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Posted on 2010/12/07 Tue. 21:30 [edit]

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