「岩石力学入門」(第3版)

チリのサンホセ鉱山、地下約700mに閉じ込められていた33名が無事救出された。学生時代は鉱山技師を志していた小生にとっては、その経過が人一倍気になったニュースである。

故郷の福岡は全国有数の炭鉱の土地柄であり、小さい頃から炭鉱事故のニュースは耳にしていた。資源開発工学科に在籍していたまさにその当時発生した大きな炭鉱事故(1984年、三井三池炭鉱有明抗火災事故、死者83名[1])を身近に経験しても(教授陣がいろいろ取材を受けていたことを覚えている)、正直、自分の問題として実感を持てなかった。脳天気な学生だったわけだ。鉱山労働が命の危険と隣り合わせの職業であることは、大学卒業後、今回の事故で改めて認識させられた次第である。それにしても全員無事でよかった。

四半世紀前の学生時代を思い出す資料はないかと、本棚を探して見つけたのが「岩石力学入門」(山口梅太郎、西松裕一・著、東京大学出版会)。鉱山開発には必須の学問だ。母校の副学長も歴任され、当時からその道では著名であった菅原勝彦教授の数式だらけで難解な「岩盤力学」の講義を補足しようと、実家から拝借したのがこの本。トンネルが専門で道路技術者の父の勧めで借りてきたものだ。今となっては容易に理解する能力は失ってしまったが、わかりやすい解説でデキの悪い私には非常に参考になったと記憶している(今自宅にあるのは卒後購入した第3版、実家にあったのは第2版)。おかげで岩盤力学は「優」の成績をいただいた。でも、この成績は生かされず、今は全く別の業界で生きている。

さて、救出劇の舞台となったサンホセ鉱山は銅の鉱山。チリは世界一の銅資源保有国であると同時に世界一の産銅国で、世界でもっとも安定した銅の供給源である[2]。我々の生活や産業に欠かすことのできない銅であるが、このように遠い異国の地で人々が命を賭けて採掘した鉱物資源で世の中が成り立っていることも忘れてはならない。チリの33名の救出成功を祝って、世界中の鉱山労働者、技術者に乾杯。

[参考・引用]
[1]炭鉱、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%AD%E9%89%B1
[2]メタルウォーズ、谷口正次、東洋経済新聞社
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    チリ 救出費用は最大16億円 ( 22:48 )

    まあ、いいんじゃねーの [?/]人名を金額に換算しちゃいけないんだろうけど、あえてソロバン弾きゃ 33人分だから一人頭 5千万弱。そう考えりゃ安いもんだろ [うんうん/]一番胸を撫で下ろしてんのは保険...



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