Van Dyke Parks Presents Esso Trinidad Steel Band

残暑お見舞い申し上げます。
処暑を過ぎたというのに毎日暑すぎる。こんな酷暑を吹き飛ばそうと、週末横浜のランドマークタワー内にあるドッグヤードガーデンで開催されたYokohama Steel Pan Festa 2010に出かけた。スティールパンの音色を聴きながら、真夏の夜をちょっとカリビアンな気分に浸ろうと思ったわけだ。

スティールパン(昔はスティール・ドラムと言っていた記憶がある)、カリブ海の小さな島国、トリニダード・トバコ共和国で生まれたメロディを奏でる打楽器である。元々、産油国(西インド諸島で唯一の産油国。OPEC非加盟国[1])であるトリニダード・トバコではドラム缶はどこにでもある廃材であった。このドラム缶を輪切りにして、表面を叩いて音程を作ったのがこの楽器だ。アフリカの血が騒ぐのか、何でも楽器にしてしまう彼らの音やリズムに対する貪欲さはさすがである。独特の倍音の響きを持った音色が特徴で、様々なミュージシャンに使われている。

そんなスティールパンを最初に知ったのは、子どもの頃見ていた『トム&ジェリー』だった。確か舞台がカリブ海の島で、そこでトムがスティールパンを叩いていた。と思っていたら、このサイトを見つけた。そうそうこれこれ、スチールパンを奏でていたのは別の猫だった。当時はこんな面白い音のする楽器があるのかと興味深く観ていた思い出がある。実にトロピカルな雰囲気と清涼感のある音色。その後、いろいろな音楽を聴くにつけ、いろいろなところで音のスパイスとして登場するスティールパン。なぜか気になる存在であったが、具体的に何から聴いていいのかわからない。決定的なアーチストとの出会いがないまま、今日まで来てしまった。

納涼祭でのPNM(2010/7/31)
納涼祭でのPNM(2010/7/31)

スティールパンのことはしばらく忘れていた先月末、私の居住する自治会の納涼祭に、スティールパンのバンドがやって来るという。毎年納涼祭では、自治会役員のつてで(当然ながら)マイナーなミュージシャンを招待し、小規模なライブを行う。ほんわかムードでそれはそれで楽しいのだが、今回はスティールパンのバントというのも珍しいし、業界では知る人ぞ知るアーティストとのこと。これは何かの縁と、納涼祭を楽しみにしていた。バンドの名前は、“Pan Note Magic“。スティールパンにドラムとパーカッションで編成された8人組のバンド。洗足学園音楽大学のSteel Panサークルの出身で、数々のコンクールでの受賞歴もあり、クオリティの高いステージパフォーマンスと音楽性は、本場トリニダード・トバコ出身の世界的スティールパン奏者、Anthony Guppy氏からも高い評価を受けているそうだ[2]。確かに演奏のレベルは高く、スティールパンをただの癒し系音楽と思うなかれ、他の打楽器とのコラボレーションは、実にグルーヴ感のあるライブだった。こんな素敵なバンドが、横須賀の片田舎のうるさいクソガキだらけの祭りにまで来てもらって申し訳なく思う気持ちと(照明も蛍光灯ですんまっしぇん)、同時にちょっとお得感の両方を感じた2010夏祭りであった。お隣の米軍基地なんかでやれば、もっと盛り上がったに違いない。

Yokohama Steel Pan Festa 2010でのPNM(2010/8/21)
Yokohama Steel Pan Festa 2010でのPNM(2010/8/21)

以来暑さが増すにつれ、スティールパンが気になる日々が続く。夜な夜なググっていて知ったのが、今回のYokohama Steel Pan Festa 2010。今年で9回目なのだそうだ。Pan Note Magicも参加するというので、横浜まで足を伸ばした。昨年までは近所の金沢八景で開催されていたようだが、今回は横浜のど真ん中で、夕方からの開催ということもあり、家族を残し私だけが出かけた。ドッグヤードガーデンは、10年前のランドマークタワーの杮落としで、パンフェスを行っておおいに盛り上がったといういわば日本のスティールパンの聖地。土曜日の21日は5つのバンドが登場したが、さすがPan Note Magicのテクニックやエンターテイメント性は抜きん出ておりアゲアゲ、とても楽しませていただいた。スティールパンの音も勿論いいけど、松本ちはやさんのパーカッションがいいねえ。私はさらにPNMのファンになってしまった。9/2には横浜駅前のライヴハウスでライヴをやるそうだが、平日なのでお父さんは仕事で行けません。残念。PNM、この夏は熱い音楽をありがとう!

さらにググって見つけたのが冒頭のCD、“Van Dyke Parks Presents Esso Trinidad Steel Band”(Minky Records)。本場トリニダード出身バンドの名盤ということと、プロデュースにアメリカ音楽界の奇才Van Dyke Parksの懐かしい名前を見つけたことで即購入。そして何よりも、“Esso”というバンド名がクルマ繋がりで外すわけにはいかなかった。もともと1971年に発表され、CDも最近再販されたようでDVDも1枚付くお得版。何ゆえ“Esso”なのか。Essoのドラム缶が一番良質だったというのがその由来のようだ[3]。ドラム缶にそれほどの質の違いがあるのだろうか?Van Dyke Parksって誰?と思う方も多いと思うが、彼もスティールパンに魅せられた音楽家の一人。彼の偉大さ、奇才ぶりは、ここを参照されたし。日本語でここまで彼について詳細に言及しているサイトはないだろう。

PNMも最近1stミニアルバム『Holiday』を出している。こちらも是非聴いてみようと思う。

真夏はラム酒
真夏はラム酒

さて、スティールパンを聴きながら飲む酒はラム酒に限る。私はうだるような夏の週末になると昼間っから海を眺めながらラムのソーダ割りを飲むことが大好きだ。この爽快感がたまらない。これまた『トム&ジェリー』なのだが、トムが誤ってラム酒を飲み、ぐでんぐでんに酔ってしまう話がある。それ以来、ラム酒は強いお酒というイメージがあり、ストレートではなくソーダで割って飲んでいる。でも、かすかに甘い香りと味が、暑い夏に清涼感を与えてくれる。トリニダード産のラムを飲みたいところだが、近所の酒屋ではなかなか手に入らないので、私は定番のジャマイカ産ダークラム「マイヤーズ」で今年の夏も乗り切っている。強い日差しが降り注ぐ今夏は、スティールパンとラム酒で決まり!

[参考・引用]
[1]トリニダード・トバコ、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%90%E3%82%B4
[2]PAN NOTE MAGIC OFFICIAL WEB SITE、
http://www.pannotemagic.com/
[3]THE ESSO TRINIDAD STEEL BAND(エッソ・トリニダード・スティール・バンド)、おもしろWORLD MUSIC、2005年4月6日、
http://blog.livedoor.jp/konpex0311/archives/18131981.html

Van Dyke Parks Presents Esso Trinidad Steel BandVan Dyke Parks Presents Esso Trinidad Steel Band
(2009/08/25)
Esso Trinidad Steel Band

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