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ザ・ロイヤル・カー  

日産・プリンスロイヤル

世間は悠仁親王ご誕生で盛り上がっているので、今回はロイヤルファミリーの車について調べてみた。

レクサスの参入で古参のベンツやBMWも活性化、高級車市場は賑わいをみせているが、所詮はちょっとお金を持っている平民のクルマ、真の高級車とはやはりロイヤルファミリーが利用される御料車をおいて他にはないであろう。レクサスやベンツはお金さえ積めば、不特定多数の誰もが購入できる「商品」である。しかし、(特に日本の皇室の)御料車は庶民である限り決して乗ることはできない(宮内庁の運転手となってハンドルを握ることはできるかもしれないが)、唯一の方のみが所有を許された「一品」という意味で次元が全く異なる。

皇室の御料車は2006年度より、これまでの日産・プリンスロイヤル(冒頭の写真)から、トヨタ・センチュリーロイヤルに変更となった。プリンスロイヤルの老朽化、メンテナンスの困難さから日産側から使用中止を要請したと説明されているが、外国資本の軍門に下った日産よりも、やはり今や押しも押されぬ日本を代表する民族資本のトヨタが、その責を任されるのは当然の政治的判断であろう。

とはいえ、今までのお努めを無事終えた日産・プリンスロイヤルは、ザ・ロイヤル・カーに相応しい威厳と気品を兼ね備えていた。1967年に日産自動車が製作した正式型式S390-P1。それまで御料車に外国車が採用されてきたが、「御料車は国産に」を御旗に、当時の皇太子(今上天皇)がプリンス自動車の乗用車であるスカイラインやグロリアを愛用し、宮内庁と車両納入で密接な関係にあったプリンス自動車が、1965年より開発を担当。完成時は日産自動車に吸収合併された後であった為に、車名は「日産・プリンスロイヤル」となった。駆動方式はFR、エンジンは特別開発のV型8気筒OHV W64型6400ccの8座リムジン。変速機構は3速ATだが、当時これのみ国産化が出来ず、GM製を使用した。使用時の故障が許されない御料車との特殊用途のため、ブレーキと燃料系は二重系統のフェールセーフ機構を採用。スペック上、最高速度は160km/hとなっている[1]。

トヨタ・センチュリーロイヤル
トヨタ・センチュリーロイヤル

その後継車であるトヨタ・センチュリーロイヤルは、2006年7月に1号車が納車。センチュリーがベースなので、駆動方式はFR。エンジンはV型12気筒DOHC 4996cc。変速機構は6速ATの8座リムジンである[2]。セキュリティ上、詳細な正確なスペックは表には出てこないと思うが、外観はセンチュリーを踏襲した保守的デザイン。個人的にはセンチュリーのデザインはあまりカッコいいとは思わないので、日本のフラッグシップカーとして、専用デザインを採用して欲しかった。何となく普通っぽくて、先代に比べると、「スペシャル」な感が薄いのが残念。

Rolls-Royce Phantom V
Rolls-Royce Phantom V

一方、欧州でのロイヤルファミリーの老舗、英国王室ではどうか。英国王室がご使用になる公用車は、バッキンガム宮殿にLPガススタンドが設けられたこともあって、英国王室各位が使用する公用車、ロールスロイス・ファントムV、ダイムラー・リムジン、エジンバラ公のメトロキャブ等は、LPガスエンジンの自動車となっている。現在、エリザベス女王は、2002年の在位50周年を記念して献上された「ベントレー・ロイヤルリムジン」を使用されている。V12気筒の専用LPガスエンジンを搭載し、後部がすべて防弾ガラス張りになった特別仕様のものだ。環境問題に関心の強いヨーロッパにおいては、LPガスのクリーン性や実用性に高い評価が与えられており、このような社会的動向に敏感な英国王室もうまく利用している[3][4]。

英国王室とベントレーとの関係は、上記の献上が初めてだそうだ。それまでの女王は、デイムラーかロールスロイスで、国の行事へ赴いていた。英国王室とロールスロイスの伝統は、半世紀も昔の1950年6月6日に始まった。その日初めて、エリザベス皇女とエディンバラ公爵に、真新しいロールスロイス「ファントムIV」が贈られたのだった。以来、4台のロールスロイス「ファントムV」2台と、「ファントムVI」2台が贈られている。一番最近が1987年のことである。

ベントレー・ステートリムジン
ベントレー・ステートリムジン

ベントレーのロイヤルリムジンがロールスロイスと大きく異なっている点は、量産型をモディファイしたのではなく、特別に白紙からデザインされていることである。従ってルックスやサイズは、ほかのどのベントレーモデルとも異なっている。ベントレーは、このモデルを開発するにあたり、女王とエディンバラ公、そしてもちろん彼らの運転手にこまめに連絡を取り、どんなクルマに仕上げたら良いか、熱心に尋ねたそうだ[5]。但し、ベントレーにせよ、ロールスロイスにせよ、今はいずれもかつての敵国ドイツ資本(ベントレーはフォルクスワーゲングループ、ロールスロイスはBMWグループ)。女王の心中は複雑かもしれない。

このような英国王室の御料車の動向をみると、トヨタ・センチュリーロイヤルはもっと独自性を出すべきだった。環境企業を標榜するトヨタなので、御料車をハイブリット車で開発するなど、世界にその技術をアピールしてもらいたかった。来春登場予定のLS600hに搭載される5L、V8ハイブリットエンジンなんかよかったのではないか。LPガス車よりも現実的であり、先進的である。こういうイメージ戦略にかけては、英国は非常にうまい。

誕生したばかりの親王がこのまま天皇を継ぐ頃には、御料車はトヨタ製燃料電池車になっているのであろうか。個人的には今後の後継“車”に興味が沸く。

[参考・引用]
[1]日産・プリンスロイヤル、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AB
[2] 数字で見るセンチュリー・ロイヤル、全長6155mm!、ホビダス・オート、新車情報、2006年7月8日、http://www.hobidas.com/auto/newcar/article/newcar07_000390.html
[3]世界のLPG自動車事情、(社)神奈川県エルピーガス協会、
http://www.kanagawalpg.or.jp/txt/lpgsekai.html
[4]女王陛下も環境に配慮し、LPガス自動車をご愛用、日本LPガス協会、LPガス知っ得ファイル、
http://www.j-lpgas.gr.jp/file/06.html
[5]女王陛下のクリスマスプレゼント、ベントレーから初めて、レスポンス、2001年12月26日、
http://response.jp/issue/2001/1226/article13982_1.html
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Posted on 2006/09/18 Mon. 00:17 [edit]

category: cars/車のお勉強

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