JAL破綻、株主責任って・・・

沈まぬ太陽

ついに経営破綻、来月20日での上場廃止が決まった。実家が所有していた株券も紙切れになる。母もあの世で後悔していることだろう。私の言うことを聞いていれば…。しかし、現在も1、2円の売り買いでギャンブル相場となっている。どこまでも浅ましい世の中だね。改めて日航関連のニュースをいろいろ読むにつけ、憤懣やるかたない気持ちになってきた。

それにしても、鳩山首相らが「株主責任もやむなし」といった発言は、やはり解せない。我々のような小口株主には経営に対する発言力は微塵もない。その人たちに責任といわれてもなあ。

株主責任に対する、私のなんとも釈然としない気持ちは、下記で代弁してくれているのでご参考に。
http://promontory.cocolog-nifty.com/promontory/2010/01/jal-6b7b.html

歴代の経営者責任もさることながら、グローバルにみても全く競争力のない日本の航空行政を司ってきた政官の責任も相当重い。公共交通の事業者だけに、国の責任は計り知れないのだ。でも彼らは誰も頭すら下げることはない(自民党も知らん顔、天下りOBはたくさん退職金を得て悠々自適だろう)。かつて、運輸大臣として当事者であった亀井郵政・金融担当大臣の人ごとのような発言が空しさを助長する。

日航をモデルにしたとされる映画『沈まぬ太陽』(原作・山崎豊子、新潮社)に対して、JALや国交省の関係者は不満をあわらにしたそうだが、フィクションを軽く受け流す余裕も、冷静に自己反省をしようという謙虚さもない。人間、琴線に触れる事実をつかれると兎角逆切れをするものだ。そんな彼らの心理が透けてみえるようで滑稽だ。

3,000億超の公的資金投入。赤ん坊まで入れて一人あたり3,000円の負担。一般的な4人家族で12,000円を一企業の存続のために負担する。庶民の家計を考えると、決して小さい額ではない。株主にとっては資産を召し上げられた上に、税金からも吸い上げられる。踏んだり蹴ったりである。もし黒字転換したら、従業員への給与配分ではなく、旧株主と国民に返済してもらいたい。

大丈夫か?次期日航CEO稲盛和夫氏
大丈夫か?次期日航CEO稲盛和夫氏

CEOに無給で就任する予定の稲盛さんは、「社員の幸せのために尽くしたい」と言ったそうだが[1]、またぞろJALの体質である従業員目線なのだろうか。調べてみると、稲盛さんの経営哲学として、「全従業員の物心両面の幸福を追求する」ということがあるようだ。会社はお客様のため、社会のために活動して利益や価値を上げ、結果的に従業員の幸福に繋がる。あらゆるステークホルダーに対してWIN-WINの関係を築くことが理想的な会社経営の姿だ。

稲盛氏は言わずと知れた実績もある優れた経営者であり、その経験に裏づけされた彼の言動は非常に重みを持つ。ただ、経営破綻した現在、日航はまず、顧客や取引先、社会に対して責任を果たすことが急務であり、従業員の利益に対する優先順位は後回し、それこそ全社一丸となって再建に当たらなければならないはずだ。「社員の幸せ」などと流暢なことを言っている場合ではないと思うのだ。確かに安全第一の事業体なので、社員のモチベーション低下は、安全管理に支障をきたす懸念もあるのだが。

まあ、前述の稲盛さんの発言は、日航において強い影響力を持つ労組向けに発した挨拶代わりの言葉ではないかと勘ぐってしまう。過去の経営再建の前にも立ちはだかった、この複雑怪奇、魑魅魍魎の跋扈する日航労組を何とか制御しなければ、ダッチロールを回避することは不可能であろう。この問題は日航の宿痾(治らない病気)ともいえ、一番難しい課題だと思う。

また、競合する全日空の立場になれば、なんで日航だけ借金がチャラなのか、不公平感もあるだろう。最後の最後まで手厚く保護される日航への甘さを感じる面もある。国民は今後のJAL再建の行方を真剣に見つめる必要がある。

国も経営者も社員の皆さんも、企業(日航)にとって何が一番大切なことなのか、これを絶好の機会と捉えて、じっくり考えてみて欲しい。

JALに再び朝日は昇るのか?
JALに再び朝日は昇るのか?

[参考・引用]
[1]稲盛氏、日航会長就任「無給で働かせてもらう」、asahi.com、
http://www.asahi.com/business/update/0113/TKY201001130328.html

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(2001/11)
山崎 豊子

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[ 2010/01/22 22:20 ] bookshelves/本棚 | TB(0) | CM(0)

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