イセッタ

ミゾロギアキラのあそべるガレージ」でペーパークラフトのモデルになったミニとイセッタ(写真)。今回はこの妙ちくりん、いや失礼、ユニークなクルマ、イセッタについて調べてみよう。絵本「ミゾロギ・・・」ではBMW社のイセッタと紹介したが、元はイタリア「イソ社」の車。果たしてイソ社とは・・・。

isothermos frigorifero(冷蔵庫) ISOスクーター
(左)isothermos frigorifero(冷蔵庫)(右)ISOスクーター[8]

戦前は、“isothermos(イソテルモス)”というブランド名で冷蔵庫、ラジエーター、ウォーターヒーターを生産していたイソ社(ISO SpA)は、第二次世界大戦後まもなくスクーター、400ccまでのバイク、小さな3輪バンやトラックの開発を始め、特にスクーター生産で急成長した[1][4]。

その後、4輪自動車生産への進出のため、同社のエンジニア、E.Preti氏とP.Raggi氏に斬新なミニカーを設計させる。これがイセッタのプロトタイプ、原型である。会社の経緯や、その見た目から、『スクーターを2台持ってきて並べ、その中間に冷蔵庫を置いてこれを削ってイセッタの形を創造した』と言われるが[2]、元々Preti氏がグライダーの設計者だったことから、飛行機がコンセプトイメージのベースにあると思われる[3]。確かに、流線型の車体形状は飛行機のコックピットのようにも見える。

乗員は2+1
乗員は2+1

このコンセプトは1953年のトリノショーでイセッタ(伊語で「小さなイソ」の意味)として具現化し、販売を開始する。全長2.3m、全幅1.4mという極小車体、まるで冷蔵庫の扉のように車体前部がドアとしてぱっくり開く構造、車体前部のドアと一緒に外側に開くステアリングホイールと計器盤など独創的設計の数々。乗員は2名(+子供1人は乗れる)で、エンジンは236cc、空冷2サイクル2気筒で最高出力は9.5馬力。最高速度は75km/h。燃費性能は抜群に良かったようで、’54年のミッレミリア(1927年から1957年の間にイタリアで行われた伝説的な自動車レース)にも参戦し、エコノミーカークラスの上位3位を独占したそうだ[2]。

しかし商業的には成功せず、’56年までに1500台を販売して生産を打ち切る。そこで次に海外へのライセンス供与に活路を見出す。ライセンス生産契約は、ドイツBMW、フランスVELAM、スペイン、ベルギー、ブラジルなどと結び、各社独自に改良を重ね、最終的にはBMW社がイセッタ生産のメインとなったため、現在ではイセッタ=BMWと思われることが多い[1][2][4]。

そのBMWは’55年3月に「イセッタ250」を発売。エンジンは、イソ・イセッタオリジナル仕様から、BMWの2輪車R250の245cc、空冷4サイクル単気筒エンジンに改良。最高速度も85km/hにアップ。次いで同年12月に、排気量を298ccにアップさせた「イセッタ300」を発売、両車ともに人気を博した。イギリスモデルには、優遇税制の関係で、後輪1輪の3輪車バージョンもあるようだ。「ミゾロギ・・・」は英国の薫りがプンプンな絵本だが、ペパクラモデルは4輪だったので、英国仕様ではない[5]。

イセッタ600
イセッタ600

その後’57年には全体を大型化した「イセッタ600」を発売。特徴的なフロントドアは継承されたものの、後部座席右側のドアが追加され、乗員4名に増員(奇妙な2ドア車です)。エンジンは582ccの空冷水平対向の2サイクル2気筒で、最高速度は100km/h。この600はあまりヒットはしなかったが、生産を終了する’62年までにイセッタはトータルで約16万台生産された[1][6]。

現在でもそのゆるーいキャラクターから愛好者は多く、日本国内でも、今回引用・参考にさせていただいたURL他、たくさんの興味深いサイトが立ち上がっている[7]。NAVI誌のエンスー新聞、連載記事「ヒストリックエコカー大全、アワワなクルマ」の中でも、1月号から数回に亘ってイセッタの歴史が語られるので、こちらも是非参考にしたい。

まさにエコ時代にぴったりのコンセプト。このリメイクバージョンをEVで発売したら、爆発的に売れそうな気がするんだけどなあ。BMW社さん、その気ない?

[参考・引用]
[1]イセッタについて、Isetta Planet、
http://home.att.ne.jp/green/isetta/contents.html
[2]イソ・イセッタ、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%BF
[3]ヒストリックエコカー大全 アワワなクルマ、vol.4、p180、NAVI、2010年1月号
[4]イソ自動車、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BD_(%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A)
[5]BMW・イセッタ、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/BMW%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%BF
[6]BMW600、
http://www.pat.hi-ho.ne.jp/~kann/bmw600/index.html
[7]イセッタお友達、isetta.jp、
http://www.isetta.jp/friend.html
[8]ISOmemorabilia、
http://www.scuderiaghezzi.com/isomemorabilia.htm
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