クルマノエホン livres d'images de voitures

楽しいクルマ絵本の世界/エンスーのためのクルマ絵本ライブラリー

おばけドライブ  

おばけドライブ

子どもたちの夏休みも残り1週間となったが、残暑はまだまだ厳しそう。暑い夏の定番といえばおばけに幽霊。テレビでも怪奇・ホラー系の番組が目白押しだ。今日も小四の娘はフジテレビの「ほんとにあった怖い話」(娘によると“ほん怖“というらしい)を怖々見ていた。そんなおばけが登場するクルマノエホンを紹介しよう。タイトルは「おばけドライブ」(スズキコージ・作、ビリケン出版)である。

主人公へイザくんが、ある朝、だんご坂下のたばこ屋でおばけたからくじを1枚買うと、なんと一等賞のスポーツカーが大当たり。このスポーツカーがかなり怪しい。さっそく、ガールフレンドのカアコさんと山奥のカッパ池までドライブに出かけた。途中でヒッチハイクをしていた小学生たちをピックアップするのだが、彼らはおばけの集団だったのだ。続きは読んでからのお楽しみ~。

「おばけドライブ」その1

私も大好きなスズキコージ氏のアバンギャルドで、おどろおどろした絵は、強烈なインパクトを与えてくれるのだが、怖いというよりどこかゆかいなおばけたち。息つく暇もないノンストップのストーリー展開は、迫力ある絵をさらに引き立たせる、スズキワールドの真骨頂である。

何事が起きても動じないへイザくんとカアコさん。まるで韻を踏むかのように文中に何度も登場する「・・・ものともせず」は、子どもたちも大好きなフレーズだ。たとえば、
「小学生たちは いろんな おばけに かわっていたのも ものともせず」とか、
「くるまの マフラーから 黒入道が ドロドロと でてきて くるまの やねを ぶっとばしたのも ものともせず」等々。
読み聞かせのときは、一拍溜めておいて「ものともせず」の部分を強調すると効果的。

ものともせず

それにしても子どもって怖いくせにおばけが好きだよなあ。娘が幼少の頃は、せなけいこさんの絵本「ねないこだれだ」(福音館書店)や「おばけのてんぷら」(ポプラ社)を飽きるほど読まされた。おかげで彼女は、空でお話を言えるようになっていた。今でも、小中学生に人気の「怪談レストラン」シリーズ(松谷みよ子・編、童心社)を、学校の図書室で借りてよく読んでいるようだ。

でも最近の子どもは、私が幼少の頃より“おばけの世界”、すなわち恐怖心を煽られるような機会が減ってきたように思える。今の家庭には何かが出てきそうな場所が少ない。暗い押入れや便所などなど。下から手が出てきそうで、汲み取り式便所に行くのは本当に怖かった。離れの便所なんて絶対無理だ。怖がりだった私は、必ず親が傍にいないと用を足せなかった思い出がある。娘や息子は、夜中のトイレも一人で平気だもんなあ。

「おしいれのぼうけん」(古田足日・文、田畑精一・絵、童心社)という絵本があるが、言うことを聞かないとき「押入れに入れますよ!」というのももはや死語だ。ウォークインクローゼットじゃねえ。

何より夜中が怖くない。夜の室内や屋外は昔に比べると明るい。部屋の灯りを消しても、外の常夜灯が明るく真っ暗にならないのである。特に私の住処は、近くに海上自衛隊と米海軍の横須賀基地があるため、深夜でも基地周辺は煌々明かりが灯り、常時艦船のエンジン音や時折京浜急行の列車音もする(眠りを妨げるほどではないのだが)。恐怖心を助長するしーんとした暗闇とは無縁の生活環境下に居る。

おばけの世界

学生時代に渓流釣りで友人らとよく野営をした九州山地の山奥は、人っ子一人いない、遠くに川のせせらぎだけが聞こえる暗闇と静寂の世界だった。土地柄もあって平家の落武者の霊が出てきそうな“おばけの世界”がそこにはあった。でも、今のキャンプ場はどこも明るいし、キャンパーの声でうるさい。これではおばけも逃げてしまう。

「恐怖心は自己防衛本能を養う上で必要な心理状態」と何かで聞いたことがあるが、現実世界に“おばけの棲む場所”はどんどん狭まっている現代、怪奇・ホラー系の本やテレビ、映画が受けるのは、そういったバーチャルなおばけの世界に、人々が恐怖心を求めているからなのだろうか。

スズキコージ
スズキコージ

スズキコージ氏は、1948年静岡県生まれ。絵本作家・イラストレーター。幼少の頃から絵を描き始め、静岡県立浜松西高等学校卒業後上京し、20歳のときに、新宿歌舞伎町の路上で初の個展を開く。「平凡パンチ」の編集者だった叔父のつてで堀内誠一に見込まれ、「平凡パンチ」女性版(「anan」の前身)にてイラストレーターとしてデビュー。71年、個展「コージズキンの世界」を開催。既存の枠に囚われない破天荒なスタイルが多くのマニアから支持を受ける。その後、他の作家の絵本の挿絵や自らの絵本創作など絵本の道を歩み、1987年、『エンソくんきしゃにのる』(福音館書店)で小学館絵画賞、1988年、『ガラスめだまときんのつののヤギ』(福音館書店)、1989年、『やまのディスコ』(架空社)で絵本にっぽん賞を受賞。2004年に本書で第35回講談社出版文化賞絵本賞受賞。また絵本にとどまらず、画集、ポスター、舞台衣装など、その活動の場はとどまるところを知らない。主な作品は、『サルビルサ』、『エンソくんきしゃにのる』、『さんざんまたせてごめんなさい』、『てのひらのほくろ村』(エッセイ)など[1][2]。

[参考・引用]
[1]スズキコージ、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%82%AD%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B8
[2]『スズキコージ』プロフィール、復刊ドットコム、
http://www.fukkan.com/fk/GroupList?gno=82

おばけドライブおばけドライブ
(2003/08)
スズキ コージ

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ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)
(1969/11)
せな けいこ

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おばけのてんぷら (絵本のひろば 29)おばけのてんぷら (絵本のひろば 29)
(1976/01)
せな けいこ

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おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)
(1974/11)
古田 足日

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幽霊屋敷レストラン (怪談レストラン (1))幽霊屋敷レストラン (怪談レストラン (1))
(1996/07/01)
松谷みよ子 他

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Posted on 2009/08/25 Tue. 21:02 [edit]

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