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楽しいクルマ絵本の世界/エンスーのためのクルマ絵本ライブラリー

じどうしゃ博物館  

じどうしゃ博物館

世界自動車図鑑」が大人の図鑑絵本とすれば、今回紹介する「じどうしゃ博物館」(高島鎮雄・文、真田勇夫・絵、福音館書店)は子ども向けの図鑑絵本である。本書はみるずかん・かんじるずかんとして、特異な視覚展開によって科学の心を見せ、感じさせることを目的として刊行されたシリーズものの一冊。

子ども向けといっても、真田氏の描く色鮮やかな自動車の絵は非常に細かく丁寧で、大人の鑑賞にも堪え得る。1928年のベントレー4 1/2リッター(=4.5リッターの意味だが、実際は4392ccなので4.4リッターという方が正確)の絵もなかなかいいではないか(下図中央)。ブリティッシュグリーンの車体色が渋く、英国の気品を漂わせている。

「じどうしゃ博物館」一部

解説もシンプルであるが、必要かつ十分。ベントレーが1924、1927、1928、1929、1930年の5回もルマン24時間レースに優勝した名門であるといったこともわかる。クルマの構造と各要素部品の用語解説も平易でわかりやすく、気筒数や排気量の説明もなかなか詳しい。自動車にあまり関心のない親御さんでも勉強になるのではないだろうか。さすが自動車専門誌の編集長も務めた高島氏の執筆、子ども向けの絵本とはいえ、妥協はない。

自動車のカテゴリー分けも時代の変遷とともにうまく構成されており、1900年代前半と1960年代以降のスポーツカーの違いを見比べられる工夫などもあり楽しい。

高島鎮雄 SUPER CG創刊号
(左)高島鎮雄(右)SUPER CG創刊号
出典:http://www.mediajoy.com/mjc/takashima/

執筆者の高島鎮雄氏は1938年、栃木県生まれ。群馬県前橋市で育つ。子どものころから自動車に興味を持ち、世界中からカタログの収集などを行う。1957年、㈱三栄書房「モーターファン」誌美術部に入り、自動車構造図などの作製に従事。この間約1年、真田勇夫氏と机を並べる。1959年、モーターマガジン社に移り、「モーターマガジン」誌記者として取材執筆に従事。1962年、㈱二玄社「CAR GRAPHIC」誌の創刊に参画する。同誌副編集長を経て、クラシックカー専門の季刊誌「SUPER CG」の取締役編集長を務める。父のセミパール(小西六製のクラシックカメラ)で10歳頃から写真に親しみ、カメラ収集歴35年余。1993年よりAJCC(全日本クラシックカメラクラブ)会長。東京都在住。

20年前の名刺
20年前の名刺

私は、20年ほど前に高島さんにお会いしたことがある。あるイベントの所用で二玄社を訪問した際に、当時まだ若造だった小生の応対をしてくださったのが高島氏。30分ほどお話させてもらったと記憶しているが、何をしゃべったかは覚えていない。ちょうど「SUPER CG」創刊当時(1989年)で、まだ新しい名刺が出来ていなかったのであろう。いただいた名刺には「CG」の副編集長の肩書きをペンで消して、「SUPER CG編集長」と自筆で修正されていた。帰り際に「SUPER CG」の創刊号をいただいたのだが、サインも一緒にいただいておけばよかったと今では後悔している。創刊号と高島さんの名刺は今でも私のささやかなお宝である。

真田勇夫
真田勇夫

さて、「モーターファン」誌では机を並べていたという作画の真田勇夫氏は、1933年青森県生まれ。山形県立鶴岡南高校卒。鶴岡市内のオフセット印刷会社で5年間、ポスター、カタログなどのデザインとイラストを担当。たまたま目にしたアメリカの雑誌の自動車広告のすばらしいイラストに衝撃を受け、自分でもそのような自動車を描きたいと独学する。1958年上京。㈱三栄書房「モーターファン」誌美術部に入る。退社後約10年間、フリーランサーとして自動車の絵を専門に描く。現在、銀座の広告代理店㈱全告社の企画部員としてイラストを担当。神奈川県在住。
(注:略歴は本書巻末を引用、出版当時のもの)

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Posted on 2009/04/20 Mon. 21:54 [edit]

category: picture books about automobile/クルマノエホン

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コメント

修理関係の絵本

はじめまして。

30代の主婦です。誕生日用に、子供の絵本を探していると、ここにたどりつきました。

とても、読みやすいブログで、ついつい見入ってしまいました。

車にあまり興味のない私ですが、色々な記事を読ませていただきました。
車とは、ただの鉄の塊ではなく、動植物と同様いきいきとした生命体であるなあと。

うちの旦那が、車を無性にかわいがっているのが、少しわかりました。
「大事にしても、彼女には裏切られるけど、車は裏切らへんのやー」
と昔付き合っている頃、よく言ってました・笑。

「この方なら、こどもの目線に合った車関連の素敵な絵本をご存じにちがいない!」と思い、コメントさせていただきました。

面識ない状態で申し訳ありませんが、ひとつ教えていただいてよろしいでしょうか?

「5歳の子供が読む、車の修理に関する絵本」でお勧めのものがありますか?
私の子供ではなく、知りあいの子ども(男の子)がとても「修理」が好きなのです。もうすぐ誕生日ですので、何かないかと探しているのですが・・・
私の子供は女の子ということも関連するのか、まったく車に興味がないのです。まさしく女子の王道「プリキュア路線」です。

私がこのような無知の状況ですので、パソコンで探しても、なかながヒットしません。
ネット・サーフィンでネットの海の沖にいってしまい、太平洋の真ん中で迷子の気分です。

もしよろしければ、papayoyoさんのおススメの「修理関連の絵本」を教えていただけますと、大変うれしく思います。

よろしくお願いいたします。






URL | さがしもの #-
2009/04/21 10:02 | edit

Re: 修理関係の絵本

ようこそおいで下さいました。このブログを通して、車に関心を持っていただければ、これほど嬉しいことはありません。「車とは、ただの鉄の塊ではなく、動植物と同様いきいきとした生命体であるなあと。」はまさにおっしゃるとおり。ゆえに、擬人化された車の絵本や映画が数多く存在するのだと思います。「車は裏切らへんのやー」私は何度も愛車に裏切られ続けています(^^)。でも彼女(車)はいとおしいんです。裏切られても、裏切られても…そういう恋愛もありますよね。

さて、「車の修理の絵本」ということですが、うってつけの絵本があります。ブログでも紹介したことがある「HARRY AT THE GARAGE」という本です。オリジナルはアメリカの本ですが、翻訳本として「かばのハリー自動車しゅうり工場へいく」(岩崎書店)があります。残念なことに原書・翻訳本ともに絶版なのですが、中古本でもよろしければ、Amazonで程度の良い翻訳ものが手に入りそうです。検索してみて下さい。3,000円前後でちょっとお高いとは思いますが、かばの親子が故障した車をなおしに、修理工場に出かけるお話で、修理工場の内部や修理工程などを非常に丁寧に描いています。キャラクターがかばというのもかわいいですし、修理好きの子どもさんに喜ばれるのではないでしょうか。
http://ehonkuruma.blog59.fc2.com/blog-entry-5.html

ほかには「もりたろうさんのじどうしゃ」(ポプラ社)なども良い本です。「もりたろうさん」というおじいさんが免許をとって、オンボロ車を買って、修理して、孫に会いにいくというお話です。修理の場面はちょこっとありますが、修理そのものを扱った絵本ではありません。ご希望の趣旨には沿わないかもしれません。それよりも、大石真さんのストーリーが楽しいクルマエホンの古典的名作です。また、北田卓史さんのイラストもいいですよ。こちらは何度も再販されたほど多くの人に読み継がれた本で、今でも普通に購入できます。

それとこれも絶版なのですが、「ぼくしごとにいくんだ」(福音館書店こどものとも)なども、主人公の少年が自動車整備工場で働くというちょっと興味深い本のようです。私も読んだことはありません。以下、本書の紹介ブログを添付しておきます。
http://fuwaton.blog42.fc2.com/blog-entry-468.html

子どもの本って絶版モノが多いのですが、古本であればAmazonやヤフオクで比較的容易に手に入れられるものが多いです。贈り物となると…。ご希望に添える一番近い内容ですと、「かばのハリー」だと思います。内容はGOODなのでラッピングで工夫するとか。まあ、余計なお世話ですね。こんなところでよろしいでしょうか。また、いつでも気軽にご相談下さい。

URL | papayoyo #-
2009/04/21 18:28 | edit

ありがとうございます!

お忙しいなか、ご丁寧にアドバイスしていただき本当にありがとうございます。

papayoyoさんの貴重な御知恵を貸していただき、無事に適格な本を注文することができました。

絶版の「ぼくしごとにいくんだ」は、ヤフオクでけっこういい値段してます。まだ落札の途中です。

昨日は、「もりたろうさんのじどうしゃ」が到着しました。
こどもがよろこびそうな、楽しい内容ですね。

読んでいると、なぜか懐かしい思いが私の脳裏によみがえりまして、本の初版年数を見てみると、1969年でした。たろうさんの自動車は、私の父が若いころの車の状態とよく似ていました。

記憶がさだかではないのですが、父が初めて自分の車(中古車)を購入した日、とても喜んでいたのを思い出し、懐かしくなりました。

当時は、乗っていてもエンジン音や外の状況が良くわかり、一体感が子供なりにありましたね。下をのぞくと、車の構造がわかったり、ボンネットを開けると、下の地面が見えたりと・・・。

子どもの時に感じていた、ウキウキした気持ちが蘇り、私も楽しい気分になれました。ありがとうございます。

カバのハリーの本はもうすぐ到着予定です。



URL | さがしもの #-
2009/04/24 10:07 | edit

Re: ありがとうございます!

ご満足いただけて、何よりです。
どの本も、年齢、性別に関係なく楽しめる絵本だと思いますので、
誕生日プレゼントに喜んでもらえるといいですね。
また、プリキュア好きの娘さんにも読んであげてください。

URL | papayoyo #-
2009/04/24 19:08 | edit

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