夜間の自転車にヒヤリ

車の夜間運転では自転車が要注意だ。最近は日も長くなったとはいえ、朝が早い私にとって、この時期の通勤時間はほとんど夜間走行となる。夜間走行でよくヒヤリとするのが車道を走行する自転車だ。

近くに接近するまで気づかないこともよくある。黒っぽい服装で運転されるとなおさらだ。逆走に至っては本当に怖い。ハイビームにすれば認知時間も早まるのだろうけど、夜間といえども対向車も多いのでそれもままならぬ。

自転車を運転する人は、自分は車から認知されていると思っているかも知れないが、実は気づかれていないと思った方がよい。仮に気づいていても、夜間は距離感や速度感も昼間とは異なるので、追い抜き・追い越し際もなかなか怖いものがある。対向車や併走車にも注意しなければならないし。

バイクガイ『RX-6』
バイクガイ『RX-6』

なので、自転車側にも被視認性(相手からの認知し易さ)を向上させる自衛策を取ってもらいたいのだ。例えば、最近よくあるLEDのテールライトつける。点滅機能があれば反射板よりも遠くから、早く認知することができ、非常に効果的だ。着る洋服にも気を使う。反射しやすいポリエステル製などの生地のものを着る、黒っぽい服装で自転車は運転しないなどの安全予防策は重要だ。あとは、ふらふらと運転しない。時々、ふらっと車道中央に寄るヤバイ自転車にも遭遇する。飲酒運転はもってのほかだ。

さて、自転車は車道走行が原則ではあるが、「道路交通法第63条の4第1項第2号に並びに道路交通法施行令第26号」によると、「車道等の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合、歩道を自転車で通行することができる」他、昨年6月に道交法が改正され、自転車の歩道通行可能要件が明確化された[1]。つまり身の危険を感じる場合は、自転車で歩道を走ってもOKだと法律できちんと明記されたのである。

自転車乗用車相手当事者別事故件数の割合

自動車ドライバーの立場から言うと、夜間、車道での自転車走行は、上記のように極めて危険なので、できるだけ歩道を走行することで身の安全を確保して欲しい。特に交通流の少ない早朝や深夜、周囲が暗い環境では歩道走行を勧める。こういう環境では、車両はスピードを出し、自転車はいないだろうと思い込む。このような時間帯では歩道を歩く歩行者も少ないので、歩行者安全上もそれほど問題ないと思う。自転車と歩行者の事故が問題となったが、[2]を見てもわかるとおり、自転車事故の約8割は対自動車事故なのである。

交差点事故類型別自転車関連事故件数

自転車で怖いシーンをもう一つ。[2]に示すように自転車と自動車の事故の内、最も多い事故が出会い頭事故で全体の約6割を占める。最初に紹介した自転車を追い越し、追い抜くシーンでの事故は実は2.5%に過ぎない。[3]によれば車対自転車事故の72.4%が交差点事故、その交差点の中でも最も多いのが、信号のない交差点内の出会い頭事故で交差点事故の53.6%を占める[3]。つまり自転車事故の約3割が信号のない交差点内で起こった自動車との出会い頭事故である。

幹線道路と細街路との交差点での車対自転車事故の傾向

さらに詳細データを調べると面白い傾向がわかる。[4][5]によれば、出会い頭における自転車の進行方向を調べると圧倒的に車の進行方向に対して左側から来る自転車との衝突が多くなっている。これは、特に車側が交差点で左折をする場合、進入する車道の右から来る車にドライバーは気を取られるため、左からくる自転車のような移動体に対して注意が疎かになっていると考えられる。また、車からみて左側の歩道は死角になりやすいことも原因の一つであると分析されている[4]。

このデータから、自転車に乗る者の教訓として、
①信号のない交差点への進入は十分気をつけよ。
②交差点で左折しようとしている車に近づく場合、自分に気がついていないと思え。
③自分の進行方向に対して、車歩道右側を走行することは避けよ。
当然、車のドライバーの教訓は、「左から危険は忍び寄る」ということだ。

よく日本人は身の安全やセキュリティに鈍感だといわれるが、自らの命は自らで守る意識ももっと高めてもらいたい。たかだか10kg程度の自転車は、数tonもの重量物移動体、車に対して圧倒的交通弱者である。衝突して命を失う確率は、いうまでも無く自転車が高い。必ずしも夜間ではないが、車両の通行が過密になる朝の通勤時、平然と車と車の間をすり抜ける自転車ドライバーを見ていると、このような意識が欠落しているのではないかと思うことがある。そんなに自動車を甘く見るな。急に車が車線変更してきたら・・・。

自転車と車の共存には…
自転車と車の共存には…

紹介したいずれの場合も、自転車ドライバーも自分の身は自分で守るという意識で注意をすれば、事故を未然に防ぐことができる。勿論、交通強者である自動車のドライバーが細心の注意を払うのは言わずもながではあるが。

[参考・引用]
[1]道路交通法の改正について、自転車ひろば、
http://www.cycle-info.bpaj.or.jp/japanese/houritu_info/doukouhou.htm
[2]知っていますか?自転車の事故~安全な乗り方と事故の備え~、(社)日本損害保険協会、
http://www.sonpo.or.jp/archive/publish/traffic/pdf/0002/book_bicycle.pdf
[3]自動車側からみた自転車の通行方法の特性等から生じる対自転車事故の回避に関する調査研究、自動車安全運転センター(調査研究部)、調査研究ニュース第16号(平成20年4月)、
http://www.jsdc.or.jp/search/news/no_18.pdf
[4]続・自転車事故~自転車で事故に遭わないために~、イタルダ・インフォメーション、(財)交通事故総合分析センター、
http://www.itarda.or.jp/info47/info47.pdf
[5]自転車事故発生状況の分析と事故防止のための交差点設計方法の検討、武田ほか、土木計画学研究・講演集、vol.38、2008年10月、
http://www.nilim.go.jp/lab/gdg/research/ronbun/258.pdf
[6]自転車のススメ 環境と健康と趣味、
http://mytownmycycle.web.infoseek.co.jp/soutyou/soutyou.html
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