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楽しいクルマ絵本の世界/エンスーのためのクルマ絵本ライブラリー

いじわるシャルル  

いじわるシャルル

先日、本屋の絵本コーナーに立ち寄った際、私と妻が同じようにこの本の表紙に釘付け、思わず手に取り、購入してしまった一冊、「いじわるシャルル(原題は” Charles”)」(ステファニー・ブレイク(Stephanie Blake)・作、ふしみ みさを・訳、PHP研究所)を紹介しよう。タイトルといい、いじわるそうな目つきとスキンヘッドが強烈にインパクトのある主人公シャルルといい、そして、シャルルが引っ張っている小さなミニカーが、自称クルマ絵本研究家の私としては、気になってしょうがなかった。でもこのミニカー、本書で重要なキーとなる。

ところで本書は、表紙からは想像できないが、クリスマス絵本なのである。シャルルは大金持ち。彼は冷たく、いじわるで子どもが大嫌い。大事なものはお金だけ。そして子どもと同じくらいに大嫌いなのがクリスマスなのである。なぜなら子どもたちが1年で一番楽しみなイベントだからである。

彼は小さい頃に赤いミニカーをサンタクロースにお願いしたにも関わらず、何年たってももらえなかったので、サンタクロースのことも大嫌いで、全く信じていなかった。

「いじわるシャルル」その1

今年もその大嫌いなクリスマスがやってきた。いじわるシャルルは考えた。「そうだ、街中のおもちゃを買い占めればいい!」金持ちシャルルは、その財力を活かして、街中のおもちゃ屋さんでおもちゃを残らず買い占めた。「クリスマスになったら、子どもはどんなに悲しむだろう」シャルルは一人ほくそ笑んでいた。

「いじわるシャルル」その2

クリスマスの朝、シャルルが窓の外を見ると、驚いたことに新しいおもちゃで楽しく遊ぶ子どもたちで一杯ではないか!怒った彼がふと、寝室のスリッパの上を見ると、小さな包みが置かれていた。中をみると、シャルルが子どもの頃欲しくてしょうがなかった赤いミニカーが入っていた。

それ以来、シャルルはクリスマスが来ると心が和むのであった。

「いじわるシャルル」その3

なんともほのぼのとした、心温まる絵本である。誰でも子供のころ欲しかったおもちゃはいろいろあったはず。大金持ちのシャルルにもそれはあった。決して高価なものではないミニカー。でもそれは、お金で買えない遠い思い出の中にあったもの。クリスマスの奇跡は、彼に本当に大切なこと、クリスマスが待ち遠しかった子どもの頃のワクワクする気持ちを改めて思い出させてくれたようだ。

Lamborghini Miura
Lamborghini Miura

今の大人の多くは、子どもの頃のクリスマスプレゼントの思い出、サンタクロースを信じていたあのドキドキ感をどれだけ覚えているのだろうか。私も子供のころのクリスマスでミニカーの思い出がある。小学生の頃だったか、スーパーカーブーム(※)を経験した私は、ランボルギーニ・ミウラが好きだった。ある年のクリスマスの朝、緑色の小さなミウラが枕元に置かれていたときは本当に嬉しかった。

今は昔に比べれば、プレゼントも高価に贅沢になった。子どもたちも現実的で、「サンタクロースなんてパパだよ」と信じてくれない(小3のおねえちゃんも少し疑いを持ち始めているようだが、幸いまだ信じている。サンタさんに手紙を書くくらいだからね。)。そんな中で、今の子どもたちが大人になっても、プレゼントの思い出や、クリスマスを待ちわびたワクワク感を、ずーっと記憶の中に持ち続けてくれるのだろうか。

Stephanie Blake
Stephanie Blake

作者のステファニー・ブレイクさんは、1968年アメリカに生まれる。8歳よりパリに在住。現在2児の母。幼い頃より、友だちや家族の誕生日には自作絵本を制作し、プレゼントとして贈っていた。東洋言語研究所で中国語を学んだ後、最初の子どもの誕生をきっかけに絵本制作に従事。以後、本国フランスにおいて、精力的な創作活動を行っている。その他の主な絵本作品に『フランチェスカ』(教育画劇)、『うんちっち』『オオカミだー!』(PHP研究所)がある。など多数。乳幼児向けのオモチャ絵本など、斬新でユニークなアイデアを生かし、楽しい作品を世に送り出している。

ふしみ みさを
ふしみ みさを

訳者のふしみ みさをさんは、1970年埼玉県生まれ。洋書絵本卸会社勤務を経て、フランス語、英語を中心に子どもの本の翻訳や紹介につとめている。主な訳書に、『フランチェスカ』(教育画劇)、『きいろくつした』(パロル舎)、『あいにいくよ、ボノム』『しらないひと』(講談社)、『なつのゆきだるま』(岩波書店)など多数。

さて、今年もクリスマスがやってきた。子どもたちの幸せそうな顔をみるのが楽しみだ。
Joyeux Noel!

※スーパーカーブームは1975年から週刊少年ジャンプで連載された「サーキットの狼」をきっかけに空前のブームが到来したとされるが、確かに「サーキットの狼」は読んでいたが、私の記憶ではそれ以前、1970年代初頭頃からブームの兆しがあったと思う。私のスーパーカー原体験は、一大ブームになる少し前だったかもしれない。

いじわるシャルル (わたしのえほん)いじわるシャルル (わたしのえほん)
(2008/11/05)
ステファニー・ブレイク

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Posted on 2008/12/24 Wed. 21:36 [edit]

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