ブルブルさんのあかいじどうしゃ

車と猫は相性がよいのだろうか。クルマ絵本には猫がよく登場する。「ヤンときいろいブルンル」も猫とワーゲンの交流を描いたものだったが、最近刊行された本書も猫の登場するクルマ絵本だ。「ブルブルさんのあかいじどうしゃ」(平山暉彦・作、福音館書店、こどものとも年少版通巻380号)、モデルの自動車がまたいい。MGミジェットのタイプMと、いかにも平山暉彦さんらしい渋い選択である。

犬と猫はよく対比される。犬は従属的、猫は自立的、というかマイペース。昨今の車は故障が少なく、コンピュータで緻密に管理されているので、ドライバーの意のままに動く犬的(従属的)存在ともいえるが、もともとクルマというのはコントロールしにくい猫的存在なのかもしれない。ドライバーの意に反して故障も多く、操縦性能も癖があり、なかなか言うことをきいてくれない。1930年代を代表するMGミジェットのタイプMは、まさに猫的クルマといってもいい。扱いにくいクルマ、それが証拠に車の人称は“She(女性)”である。でも、うまくコントロールできたときは最高のパートナーとなる。

「ブルブルさんのあかいじどうしゃ」その1

主人公はブルブルさんと、相棒の猫ドミニック。木の葉も色づく晴れた秋の一日。今日はお弁当を持って、ブルブルさんの愛車で海へドライブだ。

まちを抜け、野原を越えて、橋を渡り、英国の田園風景のような場所を突っ切るとそこは海だ。こんな素敵なオープン2シータで野を駆け、山を越え、海を見られたら、何と気持ちがよいことだろう。

La Festa Mille Miglia 2008
La Festa Mille Miglia 2008

毎年10月前半に行なわれ、子猫ちゃんが沢山出場する国内最大のクラシックカーレース、La Festa Mille Migliaなんかはそんな至福の時間を得られる貴重なイベントだ。参加は無理にせよ、一度横浜元町のゴールを見に行きたいと常々思っているが、いつもウィークデーなので、会社を休まないと行かれない。そのうち有給を取って観にいくとするか。

作者の平山暉彦さんは、1938年大阪生まれ。大阪市立工芸・美術科で学ぶ。広告代理店クリエイティブ部門で広告制作に携わった後、1990年からフリーランスのイラストレーターとなり、雑誌・単行本の表紙や挿絵などを手がける。著作に「羊の皮を被った狼たち」「サーキットを駆ける狼たち」(ともに二玄社)、「栄光に彩られたスポーツカーたち」(三樹書房)、絵本に「出動119番」(講談社)、「へんてこロボットのぼうけん」(「こどものとも年中向き」第204号)「しょうたくんと牧野博士のタイムトラベル」シリーズ(「おおきなポケット」、以上福音館書店)など多数。東京都在住。

自動車イラストの専門家なので、絵本といえども、通の鑑賞に堪えうる細かい描写は必見である。

「ブルブルさんのあかいじどうしゃ」その2
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