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楽しいクルマ絵本の世界/エンスーのためのクルマ絵本ライブラリー

くるまはいくつ?  

くるまはいくつ?

今回紹介する絵本は「くるまはいくつ?」(渡辺茂男・作、堀内誠一・絵、福音館書店)である。くるまが1つあるものは一輪車、くるまが2つは自転車、オートバイ、くるまが3つは三輪車(時代を表している)、くるまが4つは乗用車・・・と、乗り物のくるま(タイヤ)の個数に合わせて数を学ぶ幼児向け学習絵本である。2歳の息子に絵を見せながら、「タイヤいくつ?」と繰り返し読み聞かせをさせられている。数を10まで唱えること(数唱)ができるようになった長男の最近のお気に入りの一冊である。2歳程度では、単に音のリズムとして暗記ができているだけで、数の概念の理解や計数(数をかぞえること)はまだ無理だと思っていたが、幼児の脳力はどうも侮れないようなのである。

「認知心理学からみた数の理解」(吉田甫・多鹿秀継/編著、北大路書房)によると、「かぞえるなかには、モノをかぞえる計数というスキルと数を口で唱える数唱のスキルとが考えられる。子どもがモノを指しながら数詞を唱えたりしていることから考えても、こうしたスキルは独立したものではなく、お互いに関連した能力である・・・(略)・・・数唱は単なる機械的な暗記であるように思われるが、幼児は数唱のなかに規則性を理解しており、数唱の発達は簡単な足し算や引き算の基礎になっていることが、最近明らかにされている。」とある[1]。風呂場で数唱させることは、息子のお脳の発達に効果があるわけだ。

確かにミニカーを3つ並べて、「これ、いくつ?」と質問すると、ミニカーを一台ずつ指差して数えている素振りを見せた。3つだと回答はできなかったが、「いち、&%、★@」と何やら数字らしいことばを唱えている。今度は息子に向かって「○○ちゃん、いくつ?」と質問すると、「2歳」と答えることから、同じ数字でも年齢と個数の概念の違いは区別しているようだ。幼児の脳力と大脳の発達過程はまことに興味深い。

渡辺茂男
渡辺茂男[2]

さて、作者の渡辺茂男さんは絵本作家の重鎮である。彼の履歴紹介によると、1928年静岡県生まれ。慶應義塾大学卒業。アメリカのウェスタンリザーブ大学大学院をおえ、ニューヨーク公共図書館児童部に勤務後、慶應義塾大学文学部図書館学科教授を経て、フリーな立場で子どもの本の仕事に専念している。(※2006年没、2009.1.27追記)

ほかに「もりのへなそうる」「しょうぼうじどうしゃじぷた」の著作や、「エルマーのぼうけん」「ちいさいしょうぼうじどうしゃ」「おさるのジョージ」シリーズの翻訳など、古典的名作絵本・児童書に多く関わっておられる。子供のいる家庭に一冊は渡辺さんの著作があるのではないだろうか。

「くるまはいくつ?」一部

上記のように彼の著作にはクルマの本が多い。彼は雑誌のインタビューのなかで『たとえば、高速に出るとサービスエリアにいろいろな車があるでしょう?降りるとまず車をみるのです。ひとの車をじろじろじろじろ(笑)。そして、走っている様子をみれば、「ああ、一生懸命走っているな」とか…本当に車が生きているように感じるのです。車が擬人化できるのは、それぞれに個性があるからでしょうね。とくに、長年使われている車、ある使命をもっている車などには想像力を刺激されます。1台ずつに顔があるでしょう?』[2]と答えておられる。本当に車が好きなんだなあと思うお話だ。

渡辺さんは、最近の没個性のくるまたちに想像力がかきたてられるのだろうか?

[参考・引用]
[1]認知心理学からみた数の理解、吉田甫・多鹿秀継/編著、北大路書房、第1章 3.計数と数唱、1995
[2]月刊クーヨン12月増刊「絵本town」、クレヨンハウス、2005年12月、p42、2005



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Posted on 2006/08/12 Sat. 01:31 [edit]

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