アストンマーチンDBS

Aston Martin DBS 1967
出典:http://www.barbuza.com/edit.php?image=http://cdn.johnywheels.com/2016/01/04/astonmartindbs1967-l-89a03b1d6b28b4f7.jpg&title=Aston Martin DBS 1967&tag=1967 aston martin dbs

アストンマーチンといえば、高性能な高級スポーツカーブランドというイメージがあるが、フェラーリやポルシェなどと比べて明らかにマニアックで謎めいている。それもそのはず、1914年の設立以来、90余年の歴史の中で総生産台数は2万台余り、年平均にすると200台そこそこだ[1]。あのフェラーリF40でさえ1987年の登場から’92年の生産終了までに1311台が生産された[2]というから、その希少価値は勝るとも劣らない。ジェームズ・ボンドの愛車として007シリーズに数多く登場する点も、その乗り手にただのマニア・金持ちではないミステリアスなイメージを与える。

'ブンブンどらいぶ'DB5
DB5(「ブンブンどらいぶ」より)

そんな大人のブランドだから、クルマの絵本なんかの題材になるわきゃないと思うと大間違い。ほんの1ショットではあるが、本ブログ紹介第一冊目の「ブンブンどらいぶ」にそれは描かれている。ブリティッシュグリーンのDB5だ。『ゴールドフィンガー』(ガイ・ハミルトン・監督、1964年)に登場した初代ボンドカーである。

英国の誇るアストンマーチンの正式社名は、「アストンマーチン・ラコンダ(Aston Martin Lagonda)」。アストンマーチンはその長い歴史において、7回も事実上の倒産を経験しているそうだ。近いところでいうと'87年にフォード傘下となり、ジャガー、ランドローバー、ボルボ・カーズ、デイムラーとともにPAG(プレミアム・オートモーティブ・グループ)を構成するメーカーの1つとなった。2007年にはデビッド・リチャーズやクウェートの投資会社2社などにより構成される投資家グループに売却されている[1][3]。

David Richards
David Richards
出典:http://www.grandprix.com/ns/ns16043.html

投資家たちを取りまとめる英国人デビッド・リチャーズは世界ラリー選手権でも優勝した経験のある元ドライバーで[4]、彼が創設者及び代表を務めるプロドライブは、世界的なモータスポーツ・オートモーティブエンジニアリング企業であることを考えると、単なる商売や利益のための投資というよりは、本当にこの名門ブランドを堅持していこうとする気概が見てとれる。クルマが家電化していく中で、このように自動車を工芸品ともいえる領域まで極めたブランドも大事にしていってもらいたい。

Aston Martin DB6
Aston Martin DB6
出典:http://www.motorclassiccorp.com/67-aston-martin-db6-vantage.html

そのアストンマーチンの数々のGTカーの中で、『ダンディ2華麗な冒険』の “殿様”ことブレット・シンクレアの愛車アストンマーチンDBSは1967年に登場。先代DB6の古めかしいデザインからは一新して、モダンなデザインに生まれ変わった。動力源はDB6に搭載されていた4.0L水冷直6エンジン(286PS/39.8kgm)。’69年に5.3L水冷V8(330PS/40.1kgm)モデルが追加(冒頭の写真)、シンクレア卿の愛車はこのV8モデルという設定であるが、実際にはDBS 6気筒、5速マニュアルにV8のハンドル、バッジを取り付けたものであったそうな[5]。

'The Persuaders'DBS
DBSダンディ2仕様[6]

アストンマーチンの経営危機のため、’73年、最後の70台のDBSが「ヴァンテージ」として生産され、この年を持ってDBSの生産は終了した。そして、ダニエル・クレイグが6代目ボンド役に起用された『007カジノ・ロワイヤル』(マーティン・キャンベル・監督、2006年)でボンドカーに採用された新生DBSは、2007年に正式発表。6リッターV12ユニット、最高出力517馬力、最高速度302km/h、0-100km/h加速4.3秒を実現する[7]。

Aston Martin DBS 2007
DBS 2007モデル[7]

私にゃ、てんで縁のないクルマであるが、時代は違っても、粋なイングリッシュマンが、粋に乗るのがもっとも似合うセクシーな一台だ。

[1]アストンマーティンV8ヴァンテージ(FR/6MT)【海外試乗記】、webCG、
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000017447.html
[2]フェラーリF40、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BBF40
[3]アストンマーチン、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3
[4]デイヴィッド・リチャーズ、F1通信、
http://blog.livedoor.jp/markzu/archives/50533863.html
[5]だんな&とのさまの愛車、ダンディ2 ダニー&ブレット、
http://fulton.hp.infoseek.co.jp/car.html
[6]1970 Aston Martin DBS、IMCDB、
http://www.imcdb.org/vehicle_25291-Aston-Martin-DBS-DBS-5636-R-1970.html
[7]アストンマーチン・DBS、Wikipedia、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%BBDBS


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[ 2008/03/22 23:23 ] cars/車のお勉強 | TB(0) | CM(3)

ロンドンの街中を舞台にした「ぶんぶんドライブ」の1シーンにて「ロンドンタクシー」と仲良しさんを決め込むアストンマーチンDB5。
黒塗りのタクシーと並んだ超高級車.....小生自身の「ナルシズム」感覚の同一視の題材になるシナリオで痛いところを突いた図式でノックアウトさせられました、いや大袈裟じゃなく!!!!
かつての中高生時代=思春期に始まり、比較的近年まで「制服と言うものを一度も着たことがない」私めが、好きで見に行く合唱祭やら駅のベンチ等で偶然「制服の中高生」やら「合唱団員」と並んでしまった時に自分を無意識のうちに「(シャンゼリゼ通りを始め世界各国の街角で)タクシーキャブと並んだベンツやBMW、ジャガー等の高級車」に見立ててしまっており、「一層マナー良く、紳士でやろう」「威風堂々の姿を示そう」と体に力が入ってしまう按配でした―「のろまなローラー」や「パトカーパトくん」への同一視が曲がり曲がってこうしたセンスへと発展しまうとは、「乗り物絵本」の毒素は強く深いものですね。
実際にはそんな「高級車」タイプ人格と言うほど大人物では断じてない小生、なにもベンツやジャガーでなくとも「ヴィッツでもフィットでも、『小型トラックはトヨエース』いやダイハツミライースの軽自動車でも」どの「乗り物キャラ」に例えられてもいいしそれぞれ魅力的と感じるものですが、絵本の中でのクルマほどキャラクター性を生き生きと発散して読み手も絵本のシーンに入り込んでしまう魔力は他に代えがたいと言う意味でご理解いただけたでしょうか?
さてアストンマーチンDB5、007のボンドカーでの大活躍もさることながら4000ccの直6DOHCユニットが醸し出すドスの混じった絶妙な高音のエンジンサウンドは歴史を超えて不滅だと信じて疑いません。282馬力を発する同ユニット、1965年のロードテストでは145mph=234km/hをマークしたのみならず、後継ユニットたるV8(二世代後のアストンマーチンDBSのモデル後期から搭載)の低音バリトンの「初期のスカGそのままの」音質よりも遥かに繊細な魅力に富んでいるのではないでしょうか。
縦式テールランプになだらかな曲面を湛えたファストバックルーフは芸術的造形で明るいターコイズメタの塗色が良く似合う個性が感じられる一方で、同車の後席はフェラーリ250系の2+2とどっこいの「子供用」の狭さで、アストンマーチンが本格的4シーターに発展した第一作であるDB5はCピラーの造形といいリアウィンドーの角度といい「美しさ・妖艶さ」に於いては後退してしまっている辺り、どこかシーソーゲームに感じられる(流麗なデザインと室内スペースは反比例、と言う意味)ものですが如何でしょうか。
貴殿のアストンマーチンによって、春の夜長が奥深き充実感に満ちて感じられることを付け加えておきましょう!!
[ 2014/04/20 02:32 ] [ 編集 ]

絵本にみるアストンマーチン

黒塗りのタクシーと並んだ超高級車の挿絵に対して、
ここまで己と同一視して鑑賞できるとは、恐れ入りました。
こんなこと想像もしませんでした。
アストンマーチンについてはV8を主人公にした絵本もあること、ご紹介しておきましょう。
きっと貴殿も興味を示さずにはおられないでしょう(笑)
http://ehonkuruma.blog59.fc2.com/blog-entry-358.html

デザインと室内スペースの考察は大変興味深いです。
確かにスポーツカーに限っていえばそうであるとも思えますが、
美の定義は非常に難しい。
例えば、ロンドンタクシーのFX4や後継のTXシリーズ。
その室内の広さについては言うまでもないと思いますが、
人によっては不格好というかもしれないけれど、
小生はいずれも美しく凛としたデザインにまとめているなと感じます。
http://ehonkuruma.blog59.fc2.com/blog-entry-160.html

少なくとも新ロンドンタクシーに採択され、
無理矢理ワンボックスに”ブラックキャブ”顔をくっ付けた日産NV200を見れば、
旧デザインの完成度の高さがおわかりになると思います。
http://wired.jp/2014/01/08/nissan-taxi-facelift/2/

それにしてもクルマお詳しいですね。
小生はまだまだ知らないことだらけですが、
当方駄文ブログで春の夜長を満喫していただけたとのこと、
大変嬉しく思います。
[ 2014/04/20 17:41 ] [ 編集 ]

再びこんばんは。
貴殿もご興味やお暇がおありでしたらネットのyoutubeページで、"brummen Aston Martin"、"brummen Ferrari Maserati"と入力すればアストンマーチン、フェラーリ、マセラティの1960-70年代の珠玉の傑作車の数々がエンジン音入り映像で登場しますので強くお勧めします!!
オランダのクラシックカーギャラリー"Garage Brummen"発行のこれら映像作品、アストンマーチンではDBS、DB6が〽グリリリ バギャーン〽~と湿った低音質の排気音を伴って、またフェラーリ各車は〽フュリューン、クオーン、ブオーン!〽~と言うテノールの高音を奏で、マセラティでは3500GTから4200メキシコクーペ、ギブリクーペに至る面々が〽フュオーン、キュイーン、カアアーン!〽~と言う(終始繊細な音の粒子からなる)プッチーニのオペラに相通じる「V8節」を放って芸術的な身のこなしを見せておりますので甘美な恍惚の境地にひたれますよ!
この通り、欧州の老舗ブランドスポーツカーは音作りに於いても車両キャラクターの創造と不可分な形でそれぞれのアイデンティティを表現し、それが各々性的フェロモンを放っている辺り、ミニバンだの軽だの「たかだか電車の兄弟」な「動く箱」的商品ばかりが売れまくっているどこかの国が束になっても敵わない本物のクルマ文化の強さ・奥深さを感じさせてくれて脱帽の一語です!
ついでに言うなら上記ページでは「クルマ好きのおもちゃ」などと軽く扱われる「ミニクーパーS」「MGB」の英国ライトスポーツに至るまでが一糸乱れぬブリティッシュロックを思わせる音作り・身のこなしを演じておりますので心は夢の楽園だと信じて疑いません。
[ 2014/05/04 22:37 ] [ 編集 ]

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