ダンディ2華麗な冒険

先日、声優の広川太一郎さんがお亡くなりになった。広川さんというとトニー・カーティスとロジャー・ムーアの吹き替えで有名だが、「ケンカにゃ強いが女にゃ弱い。プレイボーイのダンディー2!」のオープニングではじまるイギリスのTVドラマ、その2人が主演の「ダンディ2/華麗な冒険」の名吹き替えが私には忘れられない。

「ダンディ2/華麗な冒険」は1974年10月5日~1975年3月29日、NETテレビ(日本教育テレビ、懐かしいなあ。現在のテレビ朝日です。)系列で、土曜の深夜11:00から放送されていた。当時私は小学六年生。この番組は親父も大好きで、父子の週末の密かな楽しみだった。風呂に入り、時間になると酒とつまみを用意して(私もそのつまみを頂戴し)観ていたことを思い出す。おかげで私はもうその頃から夜型人間になっていた。スポンサーはSEIKO。「SEIKOホームシアターS」枠の放映で、その後アメリカのTVドラマ「ロックフォード氏の事件メモ」や「華麗な探偵ピート&マック」「Dr.刑事クインシー」など人気番組が交互に放送されていて、これらもよく観ていた。同級生の女の子にやはりこの番組を毎週観ている娘(みゆきちゃん)がいて、月曜日になると決まって二人で広川節をまねっこして盛り上がっていた。周りの子は理解できなかったろうけど。それくらい思い出深い番組だった。

ダンディ2華麗な冒険その1

後年、待ちに待ったDVD化(しかも日本語版)が実現されたのだが、いかんせん6枚組のDVDボックスが2巻。新品で1巻2万5千円もするものを買うなんて、「ダンディ2」を全く知らぬ嫁に理解されるわけもなく、入手をあきらめていた。昨年ヤフオクで5千円程度で出品されていたのを迷わず購入。まだVol.1限定の入手なのだが、夜な夜な昔を懐かしみながら観ている。30年以上前のドラマなのに、デジタルリマスタリングによる画質の素晴らしさにびっくり。ロケ地が美しいので感動ものです。やはりおしゃれでオモロイ、ダンディ2最高!どこかでVol.2安く売っていないかなあ。

Tony Curtis 
Tony Curtis 

「ダンディ2華麗な冒険」の原題は“The Persuaders!”。説得者とかピストルなど言うことを聞かせるもの(武器)のことを指す。「サンダーバード」でも有名なイギリスITC Filmsの製作。本国では1971年に放送されている。主演は当代きっての2枚目俳優、トニー・カーティスとロジャー・ムーア。いまさらこの二人を語る必要はないだろうけど、トニー・カーティスはハンガリー移民の子の貧しい生まれで、私の大好きなコメディ映画「お熱いのがお好き」で大出世したアメリカ人俳優。一方ロジャー・ムーアは3代目ジェームズ・ボンド役で有名な英国人俳優。見てのとおりのダンディを絵に描いたような人だ。

Roger Moore
Roger Moore

この「ダンディ2華麗な冒険」がクランクインした70年当時、人気のピークは過ぎていたものの、既に世界的なスターの地位にあったトニー・カーティスに対し、2代目ボンド役に推されながらも大役を逃していたロジャー・ムーアは、TVスターとしての地位は確立していたが、映画の世界ではまだまだ世界的人気はなかった。ムーアはこの番組を機に念願の3代目ボンド役を射止めたし、この二人はこのドラマを通じて大親友になったとか。

ダンディ2華麗な冒険その2

内容はトニー・カーティス演ずるニューヨークはスラム出の実業家、“ヤンキーのだんな”ことダニー・ワイルドと、ロジャー・ムーア演ずるイングランドは名門貴族出の“殿様”ことブレット・シンクレア。この二人が織り成す一話完結の冒険推理活劇だ。とにかくドラマのスケールが大きく舞台はヨーロッパの高級リゾート地。ここにおおぜいの美女(太一節でいうと”うれし娘ちゃん”)たちとスーパーカーの数々が華を添える。スタッフも超一流で英国が誇る精鋭がずらり。テーマ曲も「007/ジェームズ・ボンドのテーマ」で有名なジョン・バリーを起用、これが007同様に非常に耳に残る独特な曲だ。このドラマはアメリカ以外では世界的ヒット作となり、カーティスはこのドラマの演技でドイツのバンビ賞、フランスの「Tele 7 jours」の1971年度ベストアクター賞を授賞している。

ダンディ2華麗な冒険その3

そして数年後わが日本でも深夜枠にも関わらず人気ドラマとなった訳だが、その功績には二人の声優の存在を抜きには語れまい。トニー・カーティスの吹き替えは広川太一郎、ロジャー・ムーアの吹き替えは「宇宙戦艦ヤマト」(当時ちょうど放送されていた頃で、こちらも欠かさず観ていました)でもお馴染みの佐々木功。この二人のキャスティングの妙。特に綿密に計算された(アドリブではなく、事前に台本に細かく書き込まれていたそうだ)テンポのよい広川節は、ちょっといいかげんさを漂わすダニー・ワイルド役にぴったり。例えば、

(ご馳走をたらふく食べた後、いかが?と聞かれて)
「おなかの中に牛2頭、もーぎゅうぎゅう」

(トラックを貸してもらうとき)
「君、トラックもってんだってね。かしてくれないの、ゆうやけぞら わけはいえない、いえなきこ」

などなど名文句の数々。DVD購入後にオリジナルの声とも比較してみたのだが、(勿論、カーティスがこんなしゃべりをするわけはないのだけれど)やはりダニーのべしゃりは広川節に限る。

ダンディ2華麗な冒険その4

ここでこのドラマとクルマの関係を述べないわけにはいかない。このドラマの中で、ダニーの愛車は真っ赤な「フェラーリ・ディーノ246GT」、シンクレア卿の愛車はバハマイエローな「アストンマーチンDBSV8」と言うマニア仕様。第1作「黒幕は二度消せ」で、ニースを訪れた二人が、これら名車2台でカーチェイスする場面は必見。クルマ好きにも見ごたえのあるゴージャスなTV映画となっている[3]。「ダンディ2華麗な冒険」はハリウッドでの映画化の企画が進行中なのだそうだが[4]、ダンディ2は誰が、ボンドカーならぬダンディカーはどのクルマになるのか興味深い。

これまでにクルマの映画については何度か紹介してきたが、これを機会にカテゴリーを設けよう。絵本に映画、あまり手を広げたくはないが、どちらも好きなんで。

広川太一郎
広川太一郎

それにしても、あの広川節がもう聞けないとは・・・。ご冥福をお祈りします。

こちらにアストンVSフェラーリのカーチェイス動画を貼ります。(2011.1.26)


[参考・引用]
[1]ビバ広川太一郎!「ダンディ2華麗な冒険」、
http://park8.wakwak.com/~maomao/tv/tv_dandy/dandy2.html
[2]「ダンディ2 華麗な冒険」ここがホント凄いぞ!7つの秘密、
http://www.accessa.co.jp/data/dandy/box1/himitu.html
[3]The Persuaders!、IInternet Movie Cars Database、
http://www.imcdb.org/?PHPSESSID=ebf77004a1758d5599633ac9c0467d14&l=en
[4]『ダンディ2/華麗な冒険』、似合うのは アスカリ KZ1、Response、
http://response.jp/issue/2006/0506/article81762_1.html



スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメントの編集・削除時に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)


    トラックバック

    Trackback URL
    Trackbacks


    最近の記事