カングー⇒ラーダ・ニーヴァ

LADA NIVA

vivid Car.comというサイトを見ていたら気になる記事が紹介されていた。一つは、「世界びっくりクルマ事情…大人気カングー、あれはひとつの奇跡です!?」という記事。もう一つは、新しいロシアの大統領も出来レースで決まったが、「ロシアの至宝、ラーダ・ニーヴァが欲しい人この指とまれ!」という記事である。

new kangoo

前者はルノー・ジャポン広報部の方に、最近のカングー人気の秘密を聞いてみたもの。08年から本国で新型カングーが投入されて、日本では現行モデルのオーダーがバンバン入っているようだ。新モデルは、デザイン、機能ともにまあまあ現行を踏襲しているものの(ダブルバックドアや鉄板むき出し内装はなくなる)、ふた回りほど大きくなる。特に全幅はうわさでは何と1,830mm!(但し全幅に関する公式諸元はどこにも見当たらない) [3]。私の緑缶の後継車にとも考えていたのだが、このサイズでは候補から外さざるを得ない。

kangoo

年明けにルノーの営業の方と話をしていたのだが、新型モデル投入に伴い、あと半年ほどで現行車のタマ切れだそうだ(欲しい方はお早めに)。新モデルの大型化を考えると、日本では駆け込み需要が増えそうだね と話していたばかり。新モデルが日本に正規輸入されるかは未定だそうだが、この全幅ではまず売れないだろう。側突対応及び室内空間の拡大が理由なのかもしれないが、グローバルにみてもこのサイズアップは敬遠されるのではないだろうか。安全性や居住性は大事な要件であるが、サイズキープまたはサイズダウンで、これらの性能アップさせるのが開発者の腕の見せどころではないのか。私は今のサイズで十分満足していたけれど、ほんとジャストサイズ、みごとなパッケージングです。100万台以上を生産したベストセラーカー、カングーは、新型モデルでこけるような気がする。([2016.11.3追記]全くコケませんでした^^;それどころか完全に市民権を得たカングー)

LADA NIVA 5door-1

一方、後者はロシア製オフローダーの紹介。ラーダ(LADA、ロシア語で『ЛАДА』)は、ロシアの自動車メーカー、アフトヴァーズ(AvtoVAZ)が生産している海外向けの自動車ブランド(調べていてわかったのだが、ルノーとアフトヴァーズは先月29日に戦略的提携に調印している [4])。ニーヴァ(NIVA、『Нива』)は1977年に製造が開始された有名なオフロードモデルで、ボディは基本的には3ドアハッチバック1種類のみ。で、この記事を書いた北原タツキ氏は、面白くてインテリジェンス溢れるクルマの輸入を本業とし、この5ドア改造モデルの並行輸入をたくらんでおられる。ちょっと日産ラシーンにも似たこのクルマ、特に5ドア仕様になれば使い勝手もよさそうで、ひと目みて気になる存在になってしまった。

UAZ452

ロシアの自動車は結構注目していて、UAZ(ワズ、『УАЗ』)というメーカのキャブオーバー型のUAZ452もなかなか面白いと思っている。VWバスのタイプ2にも似たレトロデザインな車両だ。こちらの方は、すでに正規輸入が始まっている[5][6]。手を出すには、まだちょっとリスキーではあるが…。

最近我が家の冷蔵庫から怪しい音がするので、先週末、電気屋に冷蔵庫を見に行った。確かに10年以上前の冷蔵庫に比べ省エネ効果が格段に高いというメリットは大きいのだが、本当に必要なのかわからない高機能満載で、何よりでかい。幅も大きく、拙宅の庶民向けマンションでは入らないし、特に高さにおいては、小柄な妻では上部まで手が届きにくい。最小限の機能で、製氷皿が大きく、よく使うものが取り出しやすい位置にあり、ちょっと小型でセンスのよいデザインの冷蔵庫がない!こんな冷蔵庫たちが、現在のクルマと重なって見えた。

自動車も白物家電と同じく、走る、曲がる、止まるという本来の基本機能においては、かなり成熟した製品である。90%のレベルにある従来性能を、95%、99%のレベルに上げるという、ある意味プロの目にはわかるが素人目にはなかなかその差がわからない極々の技術開発が求められる。したがって、技術のブレークスルーという点では、もはや飛び道具、例えば自動化だったり、飛んだりといった、本来機能を大きく逸脱した技術に頼るしかない領域に達している。それはいい意味で「新しい価値」といえるかもしれない。

自動車メーカに限らず、あらゆる製造業のトップやビジネス書は念仏のように「新しい価値」創造の必要性を唱える。しかし、ユーザーは全てのものに「新しい価値」を求めているのだろうか。自動車に自動運転や飛ぶ機能を求めているのだろうか。確かに、自動車の自動化や飛行には夢があるが、こうなると今までの概念でいう自動車とは別物。日常品と化した自動車においては自動車本来の機能を普通に安く享受したい、道具としてのクルマが欲しいというコンサバティブな欲求も、一方の大きな塊として存在すると思う。([2016.11.3追記]日産がセレナでProPILOT(準自動走行)とかリオ五輪でe-Bio Fuel-Cell(エタノール燃料電池)、ノートでe-POWER(発電用エンジン搭載ハイブリット)など新しい技術、新しい価値の投入に必死になっている一方、親会社のルノーは、このFF全盛の時代に懐かしいRRのトゥインゴを出してきた。でも意外とこれが新しく感じたりするのだよね。)

であれば、機能に無駄がなく、安い商用車が売れるのか。確かに商用車のビジネスチャンスは非常に大きいと思うのだが、残念ながら国産のデザインは全くだめだ。本当に商用にしか使えない、汎用性のないデザインだ。カングーもニーヴァも見た目は商用車であるが、これにエスプリの利いた、あるいはインテリジェンスのあるデザインが加わり魅力的なクルマになっている。駆け込み需要が増えている、わざわざ面倒くさい手続きを取ってでも並行輸入をしようと考えるということは、本当に“この”車を手に入れたいという欲求の証だ。普通であって凡庸でないクルマ。ここに日常品(道具)としてのクルマつくりのヒントがあるように思える。

LADA NIVA 5door-2

ロシアはBRICSと呼ばれる、先進国に次ぐ経済発展の著しい国(ブラジル、ロシア、インド、中国の4ヶ国)の一つ。先進国のメーカーが先進技術の開発競争に疲労困憊している中、BRICSは安くて高い機能性と個性的なデザインというコンセプトで、今のクルマに満足していないユーザーを取り込んでしまうかもしれない。インドのタタ(TATA)は激安の29万円カー[7]や、圧搾空気を動力源に利用した安価な環境カー[8]を提案してきているし、今は模倣天国の中国も、技術力がついて余裕が出てくれば、個性的なクルマを出してくるに違いない。中国4千年の歴史を侮ってはいけない。これから目が離せないBIRICSカーである。

<2008.3.6追記>
日本ラーダ・ニーヴァ愛好家倶楽部なるものが存在することを発見。
http://jalnec.kakurezato.com/

[参考・引用]
[1]世界びっくりクルマ事情…大人気カングー、あれはひとつの奇跡です!?、vividCar.com、2008年2月27日、
http://www.vividcar.com/cgi-bin/WebObjects/f1b8d82887.woa/wa/read/1180d135465/
[2]ロシアの至宝、ラーダ・ニーヴァが欲しい人この指とまれ!、vividCar.com、2008年2月28日、
http://www.vividcar.com/cgi-bin/WebObjects/f1b8d82887.woa/wa/read/1185e9d4c1b/
[3]新型カングー現る~Express(オーセンテック)後継も?~、In my cabinets、
http://blog.inmycab.com/?eid=627199
[4]Renault and AvtoVAZ sign the final agreements、Renault.com、2008年2月29日、
http://www.renault.com/renault_com/en/main/01_Actualites/01_GENERAL/detailrubrique.aspx?uri=tcm:1120-730358
[5]ロシア製 UAZ に一目惚れ、vividCar.com、2004年2月4日、
http://www.vividcar.com/cgi-bin/WebObjects/f1b8d82887.woa/wa/read/fa754e3ac0/
[6]UAZ(ワズ)正規輸入総代理店、
http://www.uaz.jp/
[7]タタ自動車29万円激安自動車がインドで、
http://tata.futene.net/
[8]リッター50キロ!世界初の空気動力自動車 印タタ・モーターズが開発、産経ニュース、
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080219/biz0802191016001-n1.htm
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[ 2008/03/04 21:27 ] Kangoo | TB(0) | CM(0)

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